令和4年4月24日(日)
藤の花 : 藤棚、藤波、藤房
山野で他の木に巻付いて生活するマメ科フジ属の落葉蔓植物
の総称。 野田藤は茎が右巻きである。
野田藤の名前が付いたのは、豊臣秀吉が摂津の国(大阪府)
を訪れ、摂津の野田に咲く藤を愛でた事に由来するという。
藤の葉は互生し卵状から次第に尖る。
花は5月の初め頃、その年の枝の先に数10cmから1m
以上にも及ぶ長い総状花序つけ下垂する。これを藤の花房
「藤房」という。
幾重にも下がるさまや風で揺れるさまを、「藤波」といい
讃えた。 花は濃淡の紫色、藤色といえば紫色である。
「万葉集」に詠まれ、「枕草子」で清少納言は「藤の花は
しなひながく、色こく咲きたる。いとめでたし。」と褒め
和歌の歌題にもなるように、色も姿も古くから人々に愛さ
れて来た。
日本史の上での藤原氏の存在の大きさや、紫式部の「源氏
物語」の藤壺や紫の上なども藤に通い、親しまれてきたの
であろう。 家紋にも上がり藤、下り藤などがある。
晩春のもの憂い気分に敵う一方、瑞々しい美しさが愛され
庭園や公園、寺社等に植えられ、藤棚が造られた。
蔓は丈夫で、物を縛ったり、籠を編んだりと工芸品にも
広く用いられる。
上記に野田藤を述べたが、山藤は茎が左巻きで花は野田藤
より大きく花序は短い。
埼玉県春日部市に在る「牛島の藤」は国の特別天然記念物
である。 全体の根回りは9,2mもある。
藤棚の枝張りは東西34m、南北14m、総面積は700
㎡の日本一の大きさといわれる。 この藤は山藤に似るが
山藤が左巻きなのに対し、この木は右巻きである。
樹齢1000~1200年といわれ、弘法大師(空海)が
御植えされたと伝えられている。
日本全国に藤の名所が多くあるが、この地方(愛知県下)
にも、各所に存在し「藤まつり」が開催される。
名城二の丸庭園
津島天王川公園
江南曼荼羅寺
名古屋城の二の丸庭園、津島天王川公園、江南曼荼羅寺
など、今年は1週間程早くに見頃を迎えている。
今日の1句
藤波の天守従へ見得を切り ヤギ爺