令和4年4月28日(木)
髢 草 : かもじくさ
イネ科の多年草、草丈50~70cm
路傍や畑などに多く生えている。麦藁に似て線形である。
晩春から初夏にかけて茎の頂に一個の穂状花序を出す。
花序には数個の小花のある多数のやや紫がかった小穂が
付き、長い芒(のぎ)がある。
過って女の子等がこの草の若葉を集めて雛人形のかもじ
を作ったことから「髢草」の名がついた。
※かもじは、昔の婦人の髪に添える髪(入れ髪)のこと。
俳人の夏井いつきさんの著書「絶滅寸前季語辞典」の中に
髢草の記述が在ったので紹介したい。
髢 草 : 晩春、初夏、イネ科の二年草
【髢草が絶滅品種であるわけではない。「髢」という言葉
が一体、どこまで生き残れるのだろうかと思ったまでだ。
髢草の命名は、この草を揉んで人形の髢(婦人の添え髪、
入れ髪)にして遊んだところからきたものではないかと
言われているが、この命名エピソード自体が既に古い。
今どきの子供達が「この草、お人形になるね」なんて発
想はしないだろうし、髢なんて言葉が日常語として出て
くる家庭もないだろう。「ドレッサーのところに置いと
いた私のかもじ知らない?、、、なーんてねえ? 】
(夏井いつき著 : 絶滅寸前季語辞典より引用した)
今日の1句(俳人の名句)
髢てふ字がまず読めずかもじ草 遊月 なゐ