令和4年4月16日(土)
青木の花
ミズキ科アオキ属の常緑低木、高さ2~3m
北海道から沖縄まで日本各地に広く分布する。
山地の木陰等に自生するが、庭木としも植えられている。
青木は耐寒性、耐暑性さらには日陰にも強く、素人にも
育て易い樹木として重宝される。
日本の古来種で、江戸時代の中期に「緑の葉と赤い実の
コントラストの美しさにヨーロッパに渡ったが、雌雄異
株で赤い実が付かなかった」という逸話が残る。
4,5月頃に四弁の赤褐色の小花を多く付けるが、地味で
目立たず淋しい感じのする花である。
葉は長さ8~10cmの長楕円形で表面に光沢がある。
葉の先半分程にはギザギザな縁が在り、先端は尖る。
アオキの葉を乾燥させると黒くなるが抗菌作用があり、
火傷、しもやけ、凍傷やイボ、魚の目等に効能がある。
花は地味であるが、冬になると真っ赤に熟した直径2
cmほどの実は美しい。
雌雄異株で雄木には実はならず、植木職人の間で雄木
は「ハカ」と呼ばれている。
真っ赤に熟した実は、ヒヨドリの恰好の餌となる。
若木や枝は濃い緑色をしているが、老木になると木質
が変わり、灰褐色になって行く。
ご近所の庭木にも見かける事があるが、港の埠頭公園を
散策していると、木陰の中にヒヨドリの囀りが聞こえ、
探して見ると、木々の間から暗紫色の青木の花が覗く。
なるほど、地味な花で注意しないと見過ごしてしまう。
今日の1句
雨上がる薄ぼんやりと花青木 ヤギ爺