令和4年4月30日(土)
春惜しむ : 四月尽、行く春、
過ぎ行く春を惜しむこと。暮れの春、行く春と大差はないが
詠嘆的な心が言葉自体に強くこもり一種もの寂しく惜しむ様
な情を含んでいる。
「ああ、もう春も過ぎ去ろうとしている」行く春の愛惜の心
が込められている。
「四月尽」は、四月最後の日。四月が終わること。
「行く春」は、立春の後しばらくは寒さがぶり返し、時には
春の雪に見舞われたりしながら、だんだん日が永くなり季節
が移ろい、春の盛りに日本人に馴染の深い梅や桜をはじめ、
多くの草木が花を咲かせ目を楽しませてくれる。
厳しい冬過ごした後だけに、人々は解放感」と伴にこの季節
を享受する。
然し、時は更に移り動いて春もまさに過ぎ去ろうとしている。
「行く春は、季節を動くものとして捉え、その終ろうとする
春を惜しむ心のこもった季語である。
私の青春時代の映画に、「惜春鳥」という作品がある。
1959年(昭和34年)4月公開の松竹映画、
惜春鳥
監 督 : 木下恵介、 脚 本 : 木下恵介
撮 影 : 楠田 浩之、 音 楽 : 木下忠司
出 演
津川雅彦、川津裕介、山本 豊三、小坂 一也
石濱 朗、佐田啓二、有馬稲子
白虎隊の地、会津若松で育ち東京の大学に通う若者が帰省し、
4人の旧友と再会する。 皆それぞれの現在の立場の違いや
人生の苦悩、、、歳月を重ねても困難と苦しみは消え去らぬ。
彼等の替わる事のない友情、、、、
「友情とは、消えゆく春の雲のようなものなのか、、、、、」
懐かしい青春映画である。
今ではこんな(古典的友情)映画は見られないだろうか?
今日の1句
何もせで移ろふ速さ春惜しむ ヤギ爺