令和4年4月10日(日)
鰆 : サワラ
スズキ目サバ科の海産魚。出世魚の一つで関西では、
サゴシ → ヤナギ → サワラ、と名前が変わる。
成魚は1m以上にもなる。背側は暗青色で、腹側は白く
灰色の斑紋が縦列にならぶ。
鯵(あじ)、玉筋)魚いかなご)、片口鰯等小魚を貪欲
に食べる。
晩春の産卵期に沿岸に寄り集まることから、魚偏に春と
書いて「鰆」(さわら)といい、「春を告げる魚」とも
云われ、春に旬を迎えるので春の季語となる。
「さわら」の語源は、「さ」が狭いに通じ、「わら」は
腹という意味で、そこから「さわら」となる。
「からすみ」は鯔(ぼら)の卵巣だが、香川県などでは
「さわら」の卵巣を使って「からすみ」を作る。
関東では余り馴染みがないが、関西殊に瀬戸内海の燧灘
(ひうちなだ)や播磨灘は鰆の漁場として有名である。
鰆は、春が旬の魚としてのイメージがあるが、鰆が本当
に旨いのは、秋、冬といわれる。
特に冬場は脂が乗り、「寒鰆」と呼ばれ珍重されている。
但し、冬の時期の鰆は活動は鈍く漁獲は少ない。
この時期(春)、法要などの宴席では、よく焼き魚には、
鰆の西京焼きが出るが、家庭でも鰆は身が柔らかく解れ
易いので煮つけよりも焼魚が好まれる。
刺身や寿司にも春季のネタとして重宝されるようだ。
今日の1句(俳人の名句)
身ばなれのよくて惜春の鰆とふ 能村登四郎