遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

猿 酒

2021-09-15 15:37:23 | 日記

令和3年9月15日(水)

猿 酒

俳句歳時記に、「猿酒」が秋の季題として記載されていた。

全く知らない季語に思わず、目が釘付けとなる。

猿が木の実を採り、樹の空洞や岩の窪み等に貯えて、

それが雨や露を含み発酵する。数日後に酒のような甘美

な樹液となったものをいう。 猟師や樵夫(きこり)が

これを求めて呑んだという。 伝説的で神秘的な中国の

話から伝わる季題である。

自然発酵したものが酒となり霊薬との口碑がある。

事実はともかく、深山らしい風情が在って面白い。

野生の猿が食料を貯める習性はないといわれ、猿酒等は

存在しないと思われる。 自然界では酵母が多く存在し

ているので、果実等が自然に落下して発酵する事はよく

在る。

イギリスでは以前、醗酵した果実を啄んだ鳥が酔っ払って

物に衝突死する事故が相次いだとの記事がある。

アフリカのギニアでは野生のチンパンジーが集まり、果実

を採取した後の穴に樹液が残り自然発酵した樹液を呑んで

いるのを見たという報告があった。

亦、日本ではカブトムシやクワガタ等の昆虫が樹木の下に

置いた果実を求め集まるが、これが酵母により発酵したもの

を好んで吸う(飲む)こともあり得ると報告される。

いずれにしても、動物達が樹液の発酵したものを好んで飲む

ことは在り、「猿酒」はまんざら伝説話でもなさそうである。

猿酒という名の酒は現実に販売されているようで、驚く、、

 

 

今日の1句(俳人の名句)

猿酒をくすねて僧と見れば見ゆ   伊藤 通明

猿酒にさも似し酒を醸しけむ    水原 秋櫻子


曼殊沙華

2021-09-14 16:07:26 | 日記

令和3年9月14日(火)

曼殊沙華 : 彼岸花、死人花

ヒガンバナ科の多年草、中国原産

彼岸の頃に地下の鱗茎から30~50cmの花茎を伸ばし、

赤い炎の様な花を幾つも輪状に開く。

鱗茎は多量の澱粉を含むが有毒である。土に穴を掘る鼠等

の被害を避けるために、畔や土手等に曼殊沙華を植えたと

も言われている。

花被は6片で外側に反り、雌蕊、雄蕊は長く突き出ている。

秋の彼岸の頃には毎年、時を違えずに土手や畔、薮の中等

に一斉に群がって咲くので「彼岸花」と言われている。

墓地等に咲くので「死人花」「幽霊花」等と言い、他にも

地方には、「捨て子花」「狐花」「火事花」「天蓋花」等

の呼び名がある。

彼岸が過ぎる頃になると、線形の深緑色の葉が生え、翌年

の春には枯れ落ちる。

最近では、品種改良も盛んで花の色も豊富になった。

赤だけではなく、白・黄・紫色等と色とりどりである。

 

宮部みゆきの時代小説「三島屋百物語」(おそろし)の中

に「曼殊沙華」の話がある。

「袋物商の三島屋に引取られた姪のおちかは17歳となる。

店の裏庭には一叢の曼殊沙華が咲いていました。

縁起の悪い花だから刈ってしまえと言われた主人は、縁が

在って咲いた花だからと残して置いた。他所様に嫌われ、

肩身の狭い花、、あのように気まずそうに固まって咲くの

もいじらしいこのままに、、、、、、。

三島屋では主人のところへ、代わる代わる不思議な体験話

をしに客が訪れる。或る日、主人夫婦が急用で留守にした

折りに、藤吉一松田屋の主人が訪れた。代わりにおちかが

話を聴く事になった。松田屋の主人は裏庭に咲いている、

曼殊沙華を見て血の気をなくしました。

「花の間から人の顔が覗いている」と言うのです。

そこから、その主人の身の上話が始まりました。、、、、

一通り話を終え松田屋が帰った後、庭の曼殊沙華はまるで

役目を終えたかのように、一気に枯れ落ちて見る影もなく

なってしまった、、、、、、、、。

 

小学校のプール裏の花壇に彼岸花が植えて在り、毎年今頃

になると真っ赤な花を咲かせるが、ここ数年校庭フェンス

沿いにも所々に花を咲かせている、、、、。

 

今日の1句

現世のおどろおどろし曼殊沙華   ヤギ爺

※現世:うつしよ、この世

 おどろおどろし:気味が悪い、恐ろしい


梨 : 有の実

2021-09-13 16:16:19 | 日記

令和3年9月13日(月)

梨 : 有りの実

バラ科の落葉高木、葉は卵形でその葉とともに4月頃に桜に

似たやや大きな、白い五弁の花を付ける。

8月下旬から11月頃にかけて、直径10~18cmほどの

の果汁に富んだ大きな果実となる。

明治時代に、神奈川県の川崎市で長十郎、千葉県の松戸市で

二十世紀が発見された。赤梨の長十郎、青梨の二十世紀が主

な品種を占めていた。

太平洋戦争が終り昭和30年代になり、1959年に幸水が、

1965年に新水、1972年には豊水が誕生する。

甘みの強い幸水・新水・豊水が主流となっていった。

従来の地梨には皮に梨地の斑点が鮮明にあり、黄銅色で皮も

厚く硬い。二十世紀梨にも在来の特徴が僅かに残っていた。

品種改良が進み、皮は薄く、在来種より表面の斑点も薄くな

り、果肉は白く、水分も多く甘味、芳香も優れている。

梨は「有りの実」ともいわれる。「何こともなし」と縁起を

かついだ言い回しで用いれれている。

最近では、子供の顔程の大きな梨「愛宕」が生産され、年末

の贈答品などにも供される。

岡山県を中心に、大分県、鳥取県、愛知県、岐阜県等で生産

されている。

我が家では、今頃は岐阜の農家から「幸水」を調達するが、

11月末頃になると大きな「愛宕」が届く、、、、、、。

 

今日の1句

旧友の顔ほどの梨抱へ来る   ヤギ爺


総裁選、コロナは?

2021-09-12 16:11:42 | 日記

令和3年9月12日(日)

自民党総裁選挙、コロナは?

今朝の中日新聞コラムに総裁選出馬の河野太郎氏についての

記述が在ったので紹介したい。

「その投手は九年間のプロ生活で、メジャーリーグに一度も

昇格していない。 マイナーでの成績は、46勝80敗。

それでも語り継がれているのはその直球の速さで在る。

1960年代の投手、ステイーブ・ダルコウスキー。 昨年

80歳で亡くなっている。4割打者テッド・ウイリアムズが

「最も速い」と証言している。球速85キロは信じられぬが、

それほど速かったのだろう。そんな投手がなぜ活躍出来なか

ったか。べらぼうに制球が悪かった。僅かな安打しか許さぬ

が、四球連発で負け投手。 そんな試合ばかりだったそうだ。

勝てなかったダルコウスキーに、河野さんはなりたくないの

だろう。何でも野球に例えるのはオジさん世代の悪い癖だが、

話は自民党総裁選である。河野さんといえば脱原発など自民

党らしからぬ政策や言動で名を売った方である。 自民党の

ストライクゾーンから外れたところに剛速球を投げ込む異端

児。それで人気にもなった。その魅力ある荒れ球が総裁レー

スでは消えている。脱原発は事実上封印。 派閥会長の麻生

さんの所へ何度も出向き、出馬を相談する姿を見れば異端児

でも何でもなく派閥の論理の中にいる、普通の自民党議員で

ある。党内の幅広い支持を得る為には自民党のストライクゾ

ーンに。判らぬでもないが、その分世間をアッ言わせた球速

はがくんと落ちた。 正直つまらない。

(中日新聞朝刊コラム:中日春秋より、引用した。)

 

自民党は総裁選に突入した。 

その前にやるべきこと「コロナ対策」はどうなっている?

今政治家は平気で「ウソ」をつき、コロコロと考えが変わる。

総裁選前には、自分の考え(主義主張)が在ったハズだった、、

総裁選挙に岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、河野太郎

行政改革担当相の三氏が立候補した。

岸田氏は、

格差是正、中間への配分提唱、数十兆円の財政出動

コロナでは医療難民を無くす、健康危機管理庁増設。女系天皇

反対、党役員の任期は1期1年、モリカケ問題再調査せぬ、、

高市氏は、

経済でサナエノミクス(アベノミクス継承)、コロナはロック

ダウン法検討、物価安全目標2%、原子力平和利用必要、

核融合炉研究支援、男系天皇維持、新憲法制定、ミサイル防衛

の必要性(敵基地攻撃可能)、、本当に右翼のよう、、、、、

河野氏は、

コロナで人流の抑制、国産ワクチン開発、雇用重視企業の

法人税減税、原発は産業界が安心できるエネルギー政策を、

男系男子は一つの在り方で有識者会議の議論、新時代の憲法、

三人ともに、北朝鮮拉致被害者、モリカケ等は避けてしまった。

 

岸田氏は当初、「安倍氏のモリカケ問題は国民が納得する説明

を続ける」と述べていたが、安倍氏が高市氏の支援を発表すると

「再調査はしない」と翻した。やはり安倍、麻生の圧力に、、

河野氏は、「原発反対」を述べていたが、麻生、安倍の支持を

得るため、発言撤回した。この人は意見がぶれ易く信用できない。

高市氏は自民党の右翼化の中心で、弱者救済はなく、高額所得者

優先の経済政策と、専守防衛より、攻撃型軍備増強目指す人、

韓国、中国等との国交正常化は皆無のようだ、、、、

庶民の生活や、コロナは大丈夫、、?

 

亦、菅総理に一言いたい、(安倍氏には恩義在るの ?)

安倍政権で7年(官房長官)、アベノリスク(コロナ対策、原発

再稼働、原発ゴミ処理、地球温暖化対策、デフレ脱却、その他

花見の問題、モリカケ問題、新モリカケ(検事長賭け麻雀、森法相)

沖縄の民意無視、無能大臣の多さ等々)に対して都度、全面否定し、

安倍氏をカバーしてきた。その後、病気(仮病か、直ぐ治る)辞任

した安倍総理の後の、石破氏との総裁選で安倍(麻生)の支援(何

としても石破、阻止)を得て党内の全面支援を得て後継総裁を引き

継いで一年、コロナ禍でのオリンピック、パラリンピッックを無事

?終えた。にも拘わらず、もう潮時とアッサリ首を切られた。

利用するだけ利用して、、、、、、。

それでいいのか、菅総理、何か言い残す事はないの、、?

 

今日の1句

口軽し総裁選挙秋の風   ヤギ爺


冬 瓜

2021-09-11 16:07:01 | 日記

令和3年9月11日(土)

冬 瓜 : とうが(ん)

ウリ科の蔓性一年草、アジア熱帯地方の原産

日本へは中国を通して古くに伝来した。

日本での栽培は平安時代の「本草和名」の中に「カモウリ」

としての記載がある。

春に種を蒔くが、冬に苗を植えて越冬し収穫する事もある。

夏に葉腋に糸瓜に似た黄色の大きな花を付ける。

果実は大形の球状または楕円形で、長さ30~40cmある。

果肉は極めて淡泊な味で、煮しめ、あんかけ、スープ、漬物

等にする。また、大根のように風呂吹きにて食べる。果肉は

大根より軟らかく、味が染みて美味しい。

果肉は、「ゆうがお」の代用でかんぴょうの材料にする事も

ある。(ゆうがおより果肉はやや固い)

栄養価は少ないが、ビタミンCやカリウムは比較的多い。

意外にも食物繊維は野菜の中では少ない様だ。

絮(わた)の部分は洗剤や化粧品に利用されている。また種

子は利尿作用があり、高血圧、むくみ解消に良いとされる。

和名の冬瓜の由来は、本来は夏季が旬の野菜だが、そのまま

風通しの良い日陰等で保存すれば冬まで日持ちすることから

「冬瓜」(とうが)の名が付いた。

地方に依り、「カモウリ」(賀茂、加茂)「カモリ」(富山)

「シブイ」(沖縄)等と呼ばれている。

日本の主な産地は、愛知県、茨木県、宮崎県などがある。

ご近所の方から、「とうがん」を半分お裾分けが在った。

それでも結構大きく、我々のように年寄り2人や独居では

とうがんは食べきれないようだ、、、、、、。

 

今日の1句

冬瓜を半分貰ひ手に余る   ヤギ爺