令和3年9月10日(金)
蟋 蟀 : こおろぎ、ちちろ、つづれさせ
今朝、新聞を取りに玄関を開けるとコオロギの声が、、、
3,4日前から虫の声を聞いた人は居たのだが、実際耳に
するのは初めてである。
久しぶりの快晴の朝、食事の後で早速公園を覗いて見る。
未だ残暑は厳しいが、朝晩はTシャツ1枚では肌寒い。
草叢を探していると、木陰の草叢の中に一匹見つけた、、、
「何コオロギだろう、、。暫く探し歩くが見つからない、、
家に帰り、図鑑を眺めるが、、、、名前はよく判らない、、
秋の虫の中で、普段最も目にするのはコオロギで、畑や草叢
さらには家の中にも入ってきてよく鳴いている。
秋が深まって虫の声が絶えるようになっても蟋蟀は鳴き残る。
「夕月夜心もしのに白露の置くこの庭に蟋蟀の鳴くも」
(湯原 王)のように、万葉集には蟋蟀が多く詠まれて居り、
この時代には秋の虫の総称のように親しまれた。
リーリーリーと鳴き、それが「衣の綴(つづ)れを刺せ」と、
秋めく思いに聞き取れるので「つづれさせ」ともいわれる。
蟋蟀は種類が多い、
「おかめ蟋蟀」は15mm程に小さく「リ、リ、リ」と声も
小さい。
「三角蟋蟀」というのは、雄の頭が三角形に突起しているので
そう呼ばれ「キチキチキチ」と鳴く。
「閻魔蟋蟀」は日本で一番大きいが見かけによらず淋しい声で
「コロコロコロ」と鳴くようだ。
「綴れ刺蟋蟀」は、好んで暗い所に棲み、家の中等何処にも入
り込み鳴いている。 我々に最も馴染深く、昔はキリギリスと
混同されたようだ。「リーリーリー」と親しみのある鳴き声で
あり、コオロギの鳴き声はこれに代表される。
亦、「邯鄲」(かんたん)と呼ばれる虫はコオロギの一種で、1.5cm程
の体長で細長いがその触角は体調の3倍もある。薄黄緑色をしており、その
鳴き声は「ル、ル、ル、ル」と美しく、情の籠った鳴き声に俳諧では、
別の季題とする、人気もの。
今日の1句
眠られぬ儘こおろぎの終夜(よもすがら) ヤギ爺