静岡県は地図で見ると北に突き出た形をしている
南アルプスの 間ノ岳が県境だ
そこを源として168キロの川が県の中央を流れている
他所の県には流れずに 県内だけを流れる大井川
間ノ岳に降った雨が駿河湾へと注がれていた
土砂も一緒に流され 海岸の砂浜や大陸棚を作った
海の魚のためにもなる 森の栄養も含み流れて行った しかし
それは60年前のこと 今はダムがいっぱいできた
川をせき止め山を貫き一直線にパイプの中を流れる
落差を利用した発電所をいくつも作った
そこで使用した水もまたパイプの中に入り
下流域まで何度も繰り返しながら流れている
川を流れずに暗いパイプの中を流れる大井川の水
眼に見えない闇の大井川が存在しているのだ
源流近くの田代ダム 写真の右はせき止められ
水のわかれ道 この水は大井川へ戻ることはない