今日は近くの公園にて、寒梅を楽しむ、その前に風呂を沸かし頂き物の「柚子」をガーゼタオルにくるみ湯船に入れる。散歩から帰り次第、入浴楽しむ、昨夜は深夜まで仕事で明け方シャワーを浴び就寝したが、バスタブでののんびり感は格別だ、風呂から上がりゆず入りの酎ハイをいただく、そして好きな音楽を聴きながらの一時はこの世の天国である。久しぶりのLEICA LENS300mmで撮るそして飲みながら現像すると、いい感じです。ある程度のLENSが良ければ誰にでもそこそこの写真は撮れると思うのだ。
このカメラの話とオーディオの話は似通った所が多く、筆者としても大変興味深い。最近の日本製のカメラも随分高額で性能も向上したが、LENSはLEICA、CONTAX LENSが格上の感じがします。カメラの話は又改めてお話させて頂きます。なお筆者は初め地元ミノルタから始まりました。
若き頃はジャズ音楽が好きで、特にJBLのユニットを使い山水のLE8Tの音が好きで、当時のジャズ喫茶に通った。学生時代で金も無く、珈琲一杯で粘って聴きたいレコードを待ち続けた思い出が残る、卒業後やっとスピーカーを入手したのが、選ぶは日立のスピーカーでした、音質は普通ですが、ジムランとは違う音質を、どうしてこのスピーカーを選んだのか未だに不明です、思うにクラシックを聴き出したとこが理由かもしれない。
義弟は長岡式のボックスを自作して大型コーラルの15吋のユニットを取付、オルガンの重低音はこのような音だと自慢していた記憶が残る。その後TANNOYのレクタンギュラー・ヨークを注文するが、コーン工場火災で、低音はKEF、後はグットマンという混成部隊の一応BBCのモニターでフェログラフF-1というデザインはモダンなスピーカーを入手する、それからTANNOYがHPD295という新しいⅢLZを発表したニュースで知ったが、その頃から徐々にオーディオへの情熱は冷めていった、経済的なことも理由だった。
機材もメンテナンス等疎かにして簡単な小さなKEF Coda7に安価なレシバーで音楽は十分と思いほとんどの機材は破棄してしまった。
そして7年ほど前に同じく簡単に音楽が聴きたくなり、デジタルオーディオに目覚めこの機種も古くなったがまだ現役で筆者はプリアンプとしても代行させている、奥の細道でKEFの小さなスピーカーを購入し気軽な音楽マニアになり好きなバッハを中心に聞き出した。
LS3/5aの音が聴きたが、中古市場も高値でそれも当初販売したロジャースなどは大変高価にてプレミアム価格が掲載される、しかしここで初期型は法外なプレミアム価格がついている。
そして最後にスピーカーターミナル部分。初期~ロンドンシリアル時代はバナナジャックが主だったようです。たまにXLRのものもあったようです。このタイプの接続には以前違う機種でこの接続がうまい具合に接続出来ずにバナナジャックに交換した記憶があり、欧州のエンクロージャーは意外と多く使われているが、苦手な接続プラグである。
以前欧州のスピーカーの接続もこのタイプでケーブルを替えたい等の気持ちは勝手に替えさせないという感じが嫌いで購入を断念した苦い経験を思い出す。
そのような時期に現れてた新古のデトックス品「ho's systemのLS3/5a」能率86dB、入力は8Ωサイズ18.8 x 15.6 x 30 cm重量は約4.25Kgと表記してある。又ネット上でho's LS3/5a について調べると、BBC標準のROGERS LS3/5aに基づいて開発された2ウェイシール型ブックシェルフ型スピーカーシステムだそうです。キャビネットはMDF(中密度繊維板)で作られています。 ツイーターとウーファーの両方のドライバーユニットは、ho'sのオーディオによって設計および製造されています。 同様の物のKITで「キット屋」さんの商品を販売したいたが、この商品とはネットワークがho'sとは違うと力説されたおられたが筆者には同じように感じた。現在この「ho's systemのLS3/5a」のタイプを愛用している、吸音材を交換したがある程度の音質の向上はした。
先日タンス職人(指物師)と話をすることが出来た、その職人曰く昔のタンスは釘は使っても竹釘で接続部分は組み細工で拵え密度を保ち、しっかり作れば決して水漏れ等の事故は無いと、又竹釘は木製故木の経時変化のために使っているとテクニックを押せて頂き、勿論金属のネジ等は当然使用しないと言っておられた。
実はエンクロージャーの密閉箱について相談すると、その方はジット考え、こう呟いた、これは一番最悪な方法だが、接着面の取り付けを木ねじを使う場合はネジの先に木工用ボンドを塗布してインパクト等は使わず、ドライバーでしっかり手回しで閉めれば密閉度は増す、これはボンドをツケすぎないことが味噌と教えて頂き、早速自宅のLS3/5aの接続部分の補修を行いボンドが乾くまで放置した。
その後に良く乾いた頃に視聴すると、今まで気になっていた高域の音質の締りが良く感じる、好きなチェンバロ曲で確かめるが、締りが良くなったように感じた。後日増し締めを行い終了とした。
筆者の好きな曲を試聴する、意外としっかりした音になった気がする。意外と細かな気配りがたいせつな事と学びました。勿論TANNOYとは違った音色はしますが、実に素直なLS3/5aの音出しに改めて感動を覚えた。
カール・アドルフ・シューリヒト(Carl Adolph Schuricht, 1880年7月3日 – 1967年1月7日)は、ドイツの指揮者。
Carl Schuricht / カール・シューリヒトの特徴とレパートリー。
シューリヒトはバッハからマーラー、ドビュッシー、ストラヴィンスキー、ディーリアスまでレパートリーが広いが、特にモーツァルトやブルックナー、ベートーヴェン、ブラームスの交響曲の演奏が知られている。若い時代の一時期を除くとオペラの指揮はほとんどなく、同時代の指揮者としては例外的に歌劇場との関係も薄いが、そのことに関しては彼自身も遺憾であったと述懐している。
シューリヒトはかなり高齢になってから世界的名声を得た人であり、特に晩年はリウマチの悪化により、杖をつきながらかなり長い時間をかけて指揮台に登場した。しかしひとたび指揮台に上がると、年齢を全く感じさせない輝かしい生命力が、彼の指揮姿からもその音楽からも湧き出て、聴く者に(そしてオーケストラの楽員にも)大きな感銘を与えた。
シューリヒトの演奏スタイルは、基本的にテンポが非常に速く、リズムは鋭く冴えており、響きは生命力に満ち、かつ透明度の高いものであった。彼の楽譜の読みはどの指揮者よりも個性的で、ある時はザッハリヒに厳しく響かせたり、ある時はテンポを動かしながらロマンティックに歌わせるなど、決して一筋縄ではいかない意外性があったが、音楽全体は確信と明晰さにあふれていた。また、同じ曲でも決して毎回同じようには指揮せず、演奏するたびに新鮮な感動と発見を聴き手に与えたという。
これまで良質な復刻には恵まれてきませんでした。CD時代では初期から発売はされていたものの、ようやく2012年に海外リマスター盤が出るなど、演奏の素晴らしさに比較して、冷遇されてきたとも言える音源です。演奏は、数あるシューリヒトの録音のなかでも特に素晴らしいもののひとつであり、当時のパリ音楽院管弦楽団が持つ優美な音色は、現在では特に失われた響きを懐かしむ点も含め、評価されるべきポイントのひとつです。特に木管楽器やホルンは出色。このオケの特筆と、当時録音するにあたりシューリヒトがパリ音楽院管を選択したという点も、加えて興味深い要素でしょう(尚、録音にあたりウィーン・フィルではなくこのオケを選んだ理由は、ブックレットの満津岡氏による記述に詳しく掲載されています)。
しかし当時のリリース時は多難な船出でした。EMIは当時モノラルからステレオの移行期であり、DECCAとの最後の録音となった「未完成」と「ハフナー」はステレオ録音だったのに対し、その後のEMIのこの録音はモノラル収録であったこともあってか、当時ドイツとアメリカでは発売されませんでした。イギリスでも「英雄」と第7番以外は廉価盤として発売されたという経緯があります。日本では全集として発売されながらも、当時の評論家には両者の組み合わせを疑問視する向きが一部にあり、正当な評価がされていなかったのではという疑念が残ります。しかし一方で多くのリスナーはこの音源だけが持つ特筆に早くから気付き、未だに多くのファンに愛されている名盤として長きにわたって支持されてきたことも事実です。
ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱』
マリア・シュターダー(ソプラノ)
マルガ・ヘフゲン(アルト)
マレイ・ディッキー(テノール)
オットー・ヴィーナー(バス)
南西ドイツ放送ヴォーカル・アンサンブル
シュトゥットガルト教員合唱協会
シュトゥットガルト・バッハ合唱団
録音:1961年9月13日 リーダーハレ、シュトゥットガルト(ライヴ)
1958年3月&5月ステレオ録音
少し早めのベートヴェンではありますが、いつものような小粋さは健在だが、所々フルトヴェングラーかと思わされるような推進力。音質も所々心許ないが、十分許容範囲だ。シューリヒトの第9、これも残したい銘盤かもしれない。このような感じで楽しめる、小さなエンクロージャーで楽しめる「LS3/5a」実力あるミニタイプスピーカーと思う。
いつかは欲しい本物のROGERS LS3/5A 初期型詳細
型式 2ウェイ・2スピーカー・バスレフ方式・ブックシェルフ型
使用ユニット 低域用:10cmコーン型(KEF B110)
高域用:2.0cmドーム型(KEF T27 SP1032)
再生周波数帯域 70Hz~20kHz ±3dB
入力インピーダンス 15Ω(BBC規格)
出力音圧レベル 82.5dB/W/m
クロスオーバー周波数 3kHz(BBC規格、FL6/23)
最大許容入力 25W
外形寸法 幅185x高さ305x奥行160mm
重量 5.3kg
そこで再度BBCの推奨する音を再考してみた、筆者の好きな癖の強いタンノイもモニーターではあるが、違った意味の癖の無いBBCモニターを探って見ました。BBCとは「British Broadcasting Corporation」の頭文字をとったもので、英国放送協会のことである。1973年に民間放送が許可されるまで、受信料で運営されていたイギリスの国営企業であり、そして唯一の放送局(長波・中波・短波・FM・TV)だった。
非常に興味深いのでもう少しLS3/5aについて深掘りする、これ以降は引用文章であります。興味ある方はお読みください。
このBBCは世界中の放送局の中でも音質の改善には極めて熱心な放送局の一つで、局内にて使用する放送用機材に関しては、BBC独自の技術研究所にて、日夜研究・開発を続けている。そして、その中でも最も重要なテーマとして位置づけられているのがモニター・スピーカーの研究である。
モニター・スピーカーとは、一言で言えば「検聴用」スピーカーである。利用シーンは様々で、例えばレコード会社が録音物をチェックするためだったり、ホール講演会などのモニター目的であったり、あるいは放送局において放送プログラムを制作する過程で、マイクが拾った音、あるいはテープで作っていく音を技術者たちが聴き分け、その音を元に放送の質を改善していったりする、ある意味エンジニア達の耳の延長でもあったりする。
当然、音楽用スピーカーとは性格が異なる。音楽用スピーカーは、時に聴きやすさを重視し、原音とは異なる艶や美感を加えることもある。しかし、モニター・スピーカーではそういうことはない。あくまで原音に忠実な音質であることが求められ、そのためフラットで平坦な周波数特性の機種が多い。
BBCモニターには、BBCによる厳格なモニター・スピーカーに対する基準が設定されている。それは「自然な音」であり、「スピーカーから再生されているということを意識させない音」である。それがBBCの研究テーマであり、BBCはその実現に向けて少なくとも1945年からその研究に着手している。というのも、BBCの定期刊行印刷物「BBCクオータリー」にて、1945年にBBCスピーカー担当の専任技術者D.E.Lショーターの論文が掲載されているからである。
そして、このショーターがBBCのモニター・スピーカー開発のチーフに選出されると同時に、具体的なスピーカー作りが始まり、これが完成したのが1955年。さらに、これがプロダクトとして完全な形で発表されたのが1958年で、偶然にもレコードがステレオ化された年だった。
もちろん、発表されたといってもBBC放送局内部で使用されるスピーカーである。そのため市販はされることはなく、さらに当時のBBCにはスピーカーを製造する設備、技術がなかった。そこで実際の製造担当として白羽の矢がたったのがレイモンド・クック、KEFの創業者だった。
こうして、D.E.L.ショーターとレイモンド・クックという優秀なエンジニアをチーフに、BBC最初のモニター・スピーカーが完成する。LS5/1である。
BBCモニターの開発プロセスは、非常に重要な側面を持っている。それは、その開発過程において膨大な研究が積み重ねられることである。BBCは日本で言うNHKのような会社である。したがって、BBCが開発したモニター・スピーカーが販売されることはないが、研究資料は一般に広く公開されるのである。そして、その資料はオーディオメーカー、ことスピーカーメーカーにとっては宝の山である。実際、このBBCモニターの研究を大いに参考にしたスピーカーはイギリスから多く誕生しており、一時はイギリスのオーディオサウンドにおいては、このBBCモニターの系列の音で溢れていた。
BBC系列で最も有名なブランドの一つに、KEFがある。
先にも紹介したが、D.E.L.ショーターと共にBBC最初のモニター・スピーカー「LS5/1」を完成させたレイモンド・クックが興したブランドである。創業は1961年だ。そして、1970年にはモデル104を発表する。これはBBCモニター・スピーカー開発時の研究成果をふんだんに取り入れたスピーカーである。まさに文字通り、非常に画期的な特性を持ったスピーカーで、世界中を夢中にさせた名機だった。
先にも紹介したが、D.E.L.ショーターと共にBBC最初のモニター・スピーカー「LS5/1」を完成させたレイモンド・クックが興したブランドである。創業は1961年だ。そして、1970年にはモデル104を発表する。これはBBCモニター・スピーカー開発時の研究成果をふんだんに取り入れたスピーカーである。まさに文字通り、非常に画期的な特性を持ったスピーカーで、世界中を夢中にさせた名機だった。
又当時一躍話題となったLS5/8は2ウェイスピーカーシステムと、BBC設計のエレクトロニック・クロスオーバーをQUAD 405S2に組み込んだAM8/16を組み合わせたたバイアンプ方式を採用しています音は聴いたことは無いが、このLS5/8の出現により大いにオーディオの世界が変わったのかもしれない。
そこでQUADアンプが再度見直された事は言うまでも無い。
そして、この104の誕生を皮切りに、イギリスで制作されるスピーカーに変化が生まれるようになる。どれも完成度が高くなってくるのである。
そんな中、レイモンド・クックと「LS5/1」を完成させたD.E.L.ショーターの右腕「ダッドリー・ハーウッド」がBBCを退職し、自らが理想とするスピーカーを開発すべく会社を設立する。それが「ハーベス・アコースティクス社」である。設立場所はロンドン郊外のウェスト・クロイドン。1977年のことだった。
余談になるがLS5/1は、グッドマンの38cm口径ウーファーと、セレッションのドーム型トゥイーターHF1300を2本、やや特殊なネットワークで構成したスピーカーシステムで、あらためていうまでもはなくオームさんがもっとも愛されたスピーカーシステムである。
ハーベス誕生以前にも、BBC出身の有名ブランドはある(というより、ハーベスは遅めである)。1947年にジム・ロジャースが設立した「ロジャース」、1969年にスペンサー・ヒューズが興した「スペンドール」などである。そして、この四社(ロジャース/スペンドール/KEF/ハーベス)が主に作った小型スピーカー「LS3/5A」は非常に高い人気を誇った。
日本での一般的な読み方は、「エルエス・スリー・ファイブ・エー」。ただし、これはスピーカーのモデル名ではなく単なるBBCの機材の規格名称である。先頭の「LS」はLoudspeakerを意味し、次の数字の「3」はスタジオ外放送・屋外中継用を表す(ちなみに「5」はスタジオ用)。そして、スラッシュに続く番号は開発番号であり、「LS3/5」の表記で”スタジオ外放送用途で5番目に開発されたモデル”であることを示し、最後の「A」は開発後に一回の変更があったことを表示している。最初に局内配布用としてプロトタイプと同じLS3/5が20台製造され、その後一回のユニット変更を経て、最終型番「LS3/5A」に至る。
先述の通り、このLS3/5Aはとても人気のあったスピーカーで、プロトタイプが出来たのが1972年、一般に発売開始されたのは1975年で今なお販売されているので、なんと約40年間もの間ほぼ現役ということになる。これまで10万セットが製造されたと言えば(その内ロジャースだけで4万セット製造)、その人気ぶりもわかるだろう。
マニアの間でもやっかな事に発売の初期の15Ωタイプが人気で入手し辛いとこで有名のようです。
発売されたのが1975年で、1999年まで販売されていたようです。(ユニット製造時の金型が破損し、代替の金型を用意する費用の捻出が難しく、断念したのが原因で製造中止になったと言われています。
ちなみに現在も新生LS3/5Aが販売されていますが、ユニットが違うものになっているのでこれはさておき)約25年もの期間、販売されていただけに途中に幾度かの仕様変更があったようです。
大きいところでは1987年に15Ωから11Ωに変更があった事が有名ですが、この15Ωの中でも幾度かマイナーチェンジをしているので今回はそこらへんを調べてみました。
「ロジャース」のジム・ロジャース、「スペンドール」のスペンサー・ヒューズ、「KEF」のレイモンド・クック、そして「ハーベス」のダッドリー・ハーウッドは、全員英国のスピーカーブランドの創業者であり、元BBCの技術者である。そして、彼らは「LS3/5A」を完成させ、それ以後、LS3/5Aを元に固有のオリジナルスピーカー(スペンドールはBCⅡ、ロジャースはPM210、ハーベスはモニターHL、KEFは104)を発表する。この4つは形状もほぼ似ていることから、一つのグループとして認識されることも多く、その音質もしばしば比較される。
「ロジャースはゆるい音、KEFは上品、スペンドールは締まりがあり、ハーベスはその中間的な音」。
これがイギリスにおける、四社の音の違いの一般的な意見である。
ハーベスの名前の由来を綴る前に、スペンドールのことについて話したい。
スペンドールが誕生したのは1969年。ハーベスよりもいささか早い。創業者はスペンサー・ヒューズ。繰り返しになるが、BBCの元技術者である。KEF、ハーベス、ロジャースと共に、クラシックのモニターとして確固たる地位を築いた企業である。名称の由来は、自分(スペンサー)と夫人の名前(ドロシー)である。
スペンドールが誕生したのは1969年。ハーベスよりもいささか早い。創業者はスペンサー・ヒューズ。繰り返しになるが、BBCの元技術者である。KEF、ハーベス、ロジャースと共に、クラシックのモニターとして確固たる地位を築いた企業である。名称の由来は、自分(スペンサー)と夫人の名前(ドロシー)である。
一方、ハーベスが誕生したのは、スペンドールにおよそ8年遅れた1977年。場所はロンドン郊外のウェスト・クロイドンである。創業者はダッドリー・ハーウッド。やはり元BBCの技術者だ。そして、ハーベスの名前の起源だが、彼の名前(ハーウッド)と夫人の名前(エリザベス)を組み合わせたものである。
ひょっとすると、当時のスピーカー業界には、おしどり夫婦が多かったのかもしれない。
ダッドリー・ハーウッドがBBCを退職してハーベスを立ち上げたのは1977年。開発コンセプトは、色づけが少なく端麗というBBCモニターのトーンキャラクターを継承しつつ、時代が求める最先端の音質に仕上げること。つまり、英国伝統のサウンドを先進的技術を用いて斬新なものへと昇華させることである。
実際、そのコンセプト実現のために、ハーベスでは設立当初から非常に厳しい品質管理を行っている。ハーウッドが設計したユニット、エンクロージャーをカスタムメイドし、わずかでも基準に満たない物は容赦なくリジェクトしていたのである。そして、そうした環境下のもと、設立と同年の1977年、BBC伝統のポリプロピレン・コーンを採用したミッド・ウーファーとソフトドーム・ツイーターによる2ウエイ構成のスピーカーMonitor HLを発表する。このMonitor HLはハーウッドの第一作目であり、これは日本でも1978年に発売された。
HLが2ウェイ構成を採用しているのは「オーディオ帯域をカバーするには2ウェイで十分」というハーウッドのBBC在籍中の研究結論がもとになっており、このHLでは、低域には20cmのコーン型ウーファーを、高域にはソンオーダックスのHD-12、D25-8タイプのソフトドーム型トゥイーターを採用している。
BBCが小型スピーカーの新しいリファレンスとして開発したLS5/12A Grade 1 Miniature Monitor Loudspeaker。Grade1とは、スタジオから送信機へ送る前の段階での音声チェックに使用する最高グレードのモニタースピーカーという意味で、LS5/8、LS5/9、LS5/12Aなどが使用されました。
低域には11.5cmコーン型ウーファーである15W7508BBC(Dynaudio製)を採用しています。7.5cmの大口径アルミボイスコイルを使用し安定した再現能力を得ています。高域には2.8cm口径のドーム型トゥイーターであるD-260BBC(Dynaudio製)を採用しています。
ネットワーク回路はラミネート・コアを使用したオートトランスフォーマーや、ソリッド・ディエレクトレット・コンデンサーを使用しており、エンクロージャーの素材には良質のカバ合板を使用。共振を可能な限り抑制するために2種類の吸音係数の異なる吸音材を張り巡らし、自然な響きをもつエンクロージャーに仕上げられている。
ハーウッドはその後、1979~1985年の間に「MonitorHL-MkⅡ」「MonitorHL-MkⅢ」を発表。そして、1986年に「MonitorHL-MkⅣ」を発売すると、「自らの耳にかなうスピーカーは完成した」との言葉を残し、1987年に引退。自らの愛弟子アラン・ショーに経営を託す。ハーベスを立ち上げてちょうど10年のことだった。
ハーウッドがハーベスを設立した数年後のことである。当時、英国NECの社員だったアラン・ショウがロンドン郊外のウェスト・クロイドンにあるハーベス社を訪ねるのだが、そこで彼は、高名なエンジニアの工房がガレージであることにショックを受け、そんなハーウッドの姿を見て、彼の後継者となる夢を抱く。そして、それからは暇を見つけては、押しかけ子弟としてハーウッドの元に通った。
そんなアラン・ショウの真摯な態度、研究熱心な姿勢は、ハーウッドの心を開くには充分だった。やがてアラン・ショウはダッドリー・ハーウッドに認められ、正式に後継者としてハーベスの代表に就任する。1987年のことである。
アラン・ショウはダッドリー・ハーウッドから経営を引き継いだ翌1988年、自身の処女作「HL Compact」を発表する。このスピーカーシステムは、低域にはコーンに新素材TPXを使用した20cmコーン型ウーファーを、高域には高耐入力化を図るためアルミドームを使用した2.5cmドーム型ユニットを採用している。エンクロージャーにはコンピューター解析を駆使したバスレフ・ポートを設計・採用。外装は、ナチュラル・チーク材による仕上げ。
金額は236,000円と、激戦区となる価格帯の製品であったが、マーケットに出されるやたちまち高い評価を獲得。日本でも長年にわたってトップクラスの人気を誇り、一説にはおよそ6,000ペアが販売されたとも言われている。
そして、この成功により、ハーベス社はロンドン郊外の町へイワースヒーズに立派な工場を建設するに至る。
上述のHL Compactはアラン・ショウの処女作であるが、基本的にはハーウッドの発想になる。また、1988年には低域に10cmコーン型、高域に2cmドーム型を採用した「HARBETH LS3/5A」を発表するが、これもまた、ハーウッドがBBC研究所時代に作ったBBCモニター3/5Aの、改良型のスピーカーシステムである。
そして、1989年に発表するHL5だが、これもまた、ダッドリー・ハーウッドが深く関係しており、このHL5はいわば師匠と弟子との合作として、ダドリー・ハーウッドの遺した最後の作品と言われている。具体的には、ハーウッドによって開発され、マークIVまで改良されたモニターHLを、アラン・ショウが改良したスピーカーシステムである。
低域には、TPXコーンを採用した20cmコーン型ウーファーを、エッジにはアメリカ・デュポン社の新素材を採用。
高域には、2.5cm口径のアルミドーム型トゥイーターを採用。
エンクロージャーは、内部補強設計の充実や吸音材の再検討がされており、フロント、リアのバッフル板厚向上によって音波回折を防止した上で、側板と同じ天然木化粧板仕上げとしている。
高域には、2.5cm口径のアルミドーム型トゥイーターを採用。
エンクロージャーは、内部補強設計の充実や吸音材の再検討がされており、フロント、リアのバッフル板厚向上によって音波回折を防止した上で、側板と同じ天然木化粧板仕上げとしている。
1990年、HL5の発表後に発売となったのが、小型2ウェイスピーカーシステムの「HL-P3」である。HLシリーズの特長を継承して開発された。低域には新設計の11cmコーン型ウーファーを、高域にはアルミダイアフラムを用いた1.9cmドーム型ツィーターを搭載。また、各ユニットにはマグネットシーリング方式による防磁設計が施されている。エンクロージャー外寸は、LS3/5Aとほぼ同じ。素材はMDFを使用し、板厚を12mm厚とすることでバッフルと連携して不要共振を排除している。
そして、その四年後の1994年。いよいよハーベスは同社最大のヒット作品「HL Compact」の後継機種「HL Compact7」を発表する。ハーベス伝統の色付けしない美しい音をより昇華させ、最新のプログラムソースにも充分対応するよう明瞭感を追究。徹底的な見直しを図り、シャープな再現を狙って開発された2ウェイバスレフ型である。
このHL Compact7では、基本ポリシーを忠実に実践するために、従来にない新技術が随所に投入された。
まずは20cmウーファーの振動板。コーンの形状の設計を見直すと同時に、各帯域に最適な特性を持つ3種類のポリマーを振動板にブレンドし、中心部から周辺部へ配置する振動板製法を採用。これにより、中心部付近と周辺部で異なるコーン表面の問題(2ウェイシステムでのウーファーは、低域~中高域までの広いレンジをカバーするだけに、コーン表面には帯域ごとに種々の振動が発生しやすい)を解決し、色づけの低減を実現している。
さらに、ボイスコイルも通気性の面から独自の構造とし、長期にわたる温度特性の安定化を図っている。
そして、エンクロージャー。
木の響きを積極的に利用する反面、不要な共振は徹底排除するという考えを設計基本とし、エンクロージャー設計には独自のSTS(Super Tuned Structure)を導入。弦楽器の音響テクニックを参考に考案されたチューニング法を参照し、硬度の高いMDF材の間に、レゾナンス、スティフネスの異なる素材を重層させる特殊なサンドイッチ構造とすることで、重量や剛性ではなく、素材そのものの物性と組合せによって響きを生かしつつ不要な振動をダンプしている。
このHL Compact7はハーベスの魅力が集約されたモデルとして、非常に高い人気を誇っている。
アラン・ショウ率いるハーベスは、1995年、スピーカーシステム「LS5/12A」を発売する。これはBBCモニターLS3/5Aと同サイズで、さらに厳しい設計基準「Grade 1」をクリアしたモデルである。
そして40周年を目前にした2015年には、「Super HL5 plus」を発表。このオリジナルは1989年に発売となった「HL5」である。HL5のユニット構成は、20cmウーファーと2.5cmφアルミニウム・ツイーターの2ウェイ構成の大型のバスレフ型だったが、2004年発表の「Super HL5」で、ウーファー振動板を「RADIAL振動板」に変更し、10kHz以上を受け持たせたスーパーツイーターを追加。ハーベス初の3ウェイ・スピーカーが誕生すると、さらに2015年には、「RADIAL2コーン」を採用し「Super HL5 plus」を誕生させるのである。
同じ大きさで同じ場所に設置されるのが前提のスタジオモニターが源流であるため、オリジナルから四半世紀以上が経過していながらも、「Super HL5」と比べて見た目の変化はほとんどない。しかし、「Super HL5 plus」は非常にナチュラルで、楽器や声の質感を大事にした、いわゆる「ブリティッシュ・サウンド」の極みを我々に届けてくれるスピーカーとして、確実に進化している。
かつてBBC技術研究所のチーフだったダッドリー・ハーウッドが1977年に独立し、彼と彼の夫人「エリザベス」の名にちなんでつけられた「ハーベス・アコースティックス社」。その最初のスピーカーが「HL」であり、それ以後もハーウッドはいくつかのモデルを発表。どれもBBCモニターゆずりの設計と音色を継承させ、特に1979年から販売開始となった日本では着実にファンを獲得していった。
そんなハーベスは、1987年に創業者のダッドリー・ハーウッドが引退を表明。経営権を若いアラン・ショウに移譲する。
それに伴い、ロングライフ・少品種生産の体質は改善されたが、伝統サウンドを堅持する点は決して変わることなく、ハーベスは今も変わらず美しいブリティッシュ・サウンドの担い手として広く世界に指示されている。
2017年には創業40周年を迎えた「ハーベス・アコースティックス社」。
今後の活躍も目が離せない。
今後の活躍も目が離せない。
以上少し長くなりましたがLS3/5aのスピーカーに関する今までの経過であり、このLS3/5aは未だに販売されている商品なのです。
今現在はレンジも狭く昔の音と言われるLS3/5aだが、今後オリジナルの程度の良い初期型の「LS3/5a」が入手できれば当初に戻り十分手入れを施したロジャースを堪能したいと思う、そのようなスピーカーも貴重な存在です。
「LS3/5a」は現在も流通する大変魅力的な名品と思う。ブラボー!