筆者が新しい情報を得る場合は、J.S.バッハ演奏者での部分には前に一度聴いたが何となく気になった演奏者を再度聴き直し又最新の演奏を聴き改めてじっくり聴き良いと思った場合に掲載する様にしているが、今まではロシア系統の演奏者は何故か避けてきた様に思う、今後紹介する演奏者においてもロシア生まれの若手バッハの演奏では定評のあるヴァイオリン演奏者のアリーナ・イブラギモヴァ等も今後是非紹介したいと思っている。
今回はチェロリストのクセニア・ヤンコヴィチ (Xenia Jankovic)スウェーデンの女性チェリスト、1958年10月26日生まれの紹介をする。
一流のチェロ奏者としての素晴らしい才能で知られるクセニア・ヤンコヴィッチは、ソリスト、室内楽奏者、教育者として世界的に活躍しています。
ロシア人とセルビア人の音楽家の家庭に生まれたクセニアは、9 歳でベオグラード フィルハーモニー管弦楽団でデビューしました。キャリアの初めから、彼女に最も影響を与えた教師は、ムスティスラフ ロストロポーヴィチ、ピエール フルニエ、アンドレ ナヴァーラ、ジェルジ シェボク、シャーンドル ヴェーグでした。ヤンコヴィッチは、世界的に有名なコンサートホールでリサイタルを開催するほか、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ブダペスト・フィルハーモニー管弦楽団、スロベニア・フィルハーモニー管弦楽団、マドリード放送管弦楽団、ベルリン放送交響楽団、コペンハーゲン放送管弦楽団などのオーケストラとソリストとして共演し、聴衆や評論家から熱烈な称賛を受けています。ヤンコヴィッチは、CPO、サフィール、チャンネル・クラシックス、PGP、メリズム、インデセンス、カリオペ・レコードなどで録音しています。
以下の様な寸評も掲載されていましたので紹介します。
「クセニアは、彼女の楽器のための曲を書くために、多くの作曲家にインスピレーションを与え続けています。彼女は特にセルビアの作曲家による多くの作品を初演し、彼女のために書かれた曲の録音や版作りに取り組んできました。ヤンコヴィッチは最近、以前のレパートリーを再び取り上げることに大きな関心を抱き、さまざまな場面で一人の作曲家の作品をじっくりと取り上げています。たとえば、ベートーヴェンやメンデルスゾーンの全作品(ソナタ、三重奏曲、四重奏曲を含む)を再び取り上げています。キャリアの中で定期的に演奏してきた作品を探求することで、演奏に対するアプローチが変わりました。これには、古い楽器と現代の楽器、ガット弦の有無、バロック、古典、現代の弓の使用、19世紀初頭から中期のピアノなどの時代楽器との共演(特にベートーヴェン、シューベルト、シューマン、メンデルスゾーンにふさわしい)が含まれます。
ヤンコヴィッチは、奥深さと甘美さを兼ね備えた音色と安定しきった技巧の持ち主で、音楽は極めて格調高く、スケール大きく造形されます。バッハ、ベートーヴェン、ブラームスという造形的で内容の深い音楽に適性を示す、現代最高のチェリストの1人と言えるでしょう。彼女が満を持して発表する「バッハの無伴奏チェロ組曲全集」注目です。」
J・S・バッハ(1685-1750):無伴奏チェロ組曲集
[CD 1]
無伴奏チェロ組曲第2番 ニ短調 BWV 1008
無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調 BWV 1009
無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調 BWV 1010
[CD 2]
無伴奏チェロ組曲第5番 ハ短調 BWV 1011
無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調 BWV 1012
無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV 1007
[CD 1]
無伴奏チェロ組曲第2番 ニ短調 BWV 1008
無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調 BWV 1009
無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調 BWV 1010
[CD 2]
無伴奏チェロ組曲第5番 ハ短調 BWV 1011
無伴奏チェロ組曲第6番 ニ長調 BWV 1012
無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV 1007
クセニア・ヤンコヴィチは1958年セルビアのニシュに生まれたセルビア系ロシア人のチェロ奏者。彼女は6歳でチェロを始め、9歳でベオグラード・フィルハーモニー管弦楽団と共演した天才少女で、11歳より政府給費留学生としてモスクワ音楽院中央音楽学校でステファン・キリアノフ、ムスティスラフ・ロストポーヴィチに師事しました。その後、ジュネーヴでピエール・フルニエに、デトモルトでアンドレ・ナヴァラに師事し、更に研鑽を積みました。
Beethoven: Cello Sonatas
Xenia Jankovic(vc), Nenad Lecic(p)
ベートーヴェン:
チェロ・ソナタ第1番ヘ長調 Op.5-1
チェロ・ソナタ第2番ト短調 Op.5-2
チェロ・ソナタ第3番イ長調 Op.69
チェロ・ソナタ第4番ハ長調 Op.102 -1
チェロ・ソナタ第5番ニ長調 Op.102-2
ヘンデルのオラトリオ『ユダス・マカウベス』の主題による12の変奏曲ト長調 WoO.45
モーツァルトの『魔笛』の「恋を知る男たち」 「は」の主題による7つの変奏曲変ホ長調 WoO.46
モーツァルトの『魔笛』の「恋人か女房か」の主題による12の変奏曲ヘ長調 Op.66
【演奏】
クセニア・ヤンコヴィチ(チェロ)
ネナド・レチッチ(ピアノ)
【録音】
録音時期:2017年
録音場所:ドイツ、デトモルト
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
何故かクセニア・ヤンコヴィチのベートーヴェンのチェロ曲を聴きながら頭に浮かんだのは、1987年に42歳で死去したイギリスのチェロ奏者ジャクリーヌ・デュ・プレであった。
筆者の好きなジャクリーヌ・デュ・プレ(チェロ)ダニエル・バレンボイム(ピアノ)のベートーヴェン:チェロ・ソナタは昔から好きで良く聴くアルバムではあるが流石息のあったDUOの演奏は何度聴いても素晴らしい、些か録音も古く1970年録音とあり聴き比べれば音質には差がある、最近古い録音の曲ばかり聴く事が多い。チェロ曲では有名なバッハとベートーヴェンではあるが、誠に残念なことにバッハのチュロ組曲の演奏はアルバム「Early Bbc Recordings:1961-1965」の中に入っているがBWV1007、1008以外は聴いた事はないが機会があれば全曲聴きたい物だとも思っている。
久しく最近吹き込み直したと言われる録音盤を聴くけばわかるが発売から既に50年以上過ぎたがジャクリーヌ・デュ・プレの演奏は良い、TANNOYのユニットもまだまだ現役とし活躍できそうである事は確かである、しかし最新録音の今回のヤンコヴィチのチェロの音色を聴けば差は明らかであった。
モダン楽器とピリオド楽器の両方を弾きこなす名ピアニスト、パオロ・ジャコメッティ、アムステルダム・シンフォニエッタの音楽監督を務めるカンディダ・トンプソンと共にハムレット・ピアノ・トリオのメンバーとして活躍するセルビア系ロシア人チェリスト、クセニア・ヤンコヴィチ。
ガスパール・カサド国際チェロ・コンクールで優勝した実績を持ち、世界中でソリストや室内楽奏者として活躍する名女流が、楽聖ベートーヴェンのチェロ・ソナタ全曲をレコーディング!「5つのソナタ」と「3つの変奏曲」でベートーヴェンの3つの創作期を網羅。チェロとピアノのデュオで、作曲家ベートーヴェンのハイライトを描いています。もちろん、演奏も抜群の完成度です!
クセニア・ヤンコヴィチ のチェロ曲の中でも好きな曲を選び聴く、確かに2017年発売のJ.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調 BWV 1009と 2019年発売のベートーヴェン:チェロ・ソナタ第3番イ長調 Op.69を視聴する確かに最新の録音技術は素晴らしく音質も流石と言わざるを得ない。
バッハについては若干早目なテンポの様ではあるが良い出来栄えではある。それとチェリストの為か何故が表情に優しさが伺える様である。音質もチェロの低域の音量も豊かになり響く様は見事でもある。次にベートーヴェン:チェロ・ソナタ第3番の冒頭が鳴り出し驚く、これは実に良い!楽聖ベートーヴェンのチェロ・ソナタであるかの様な演奏である。
後日ベートーヴェン:チェロ・ソナタ全てをじっくり堪能しようと思った、ピアノとのDUOも大変宜しく興味深く追求してみる事にした。
TANNOYⅢLZ in GOODMAN AXIOM80 Cabinetに変わり設置方法も落ち着き昔からいろいろの曲を聴き驚くは、昔からこの2台メーカーは語り継がれたタンノイ・ジムランの音の違いはタンノイの音は確かにガサツなところがなく上品である。若干渋めな音調、厚めの音。低域 高域の表現もある程度自然で、特に中域の帯域は解像度も良好。音場は澄みきり 混濁も少ない。 例えばオスカー・ピーターソン・トリオの「WE GET REQUESTS」を聴くと、ウッドベースの自然な響きが堪らなく良い、ジャケットの如く笑顔で演奏する三人の音像がキリリと現れる。いかにも自然なベース音は如何にもホールトーンなのである。ジャズを楽しく聴くのはタンノイの音質も魅力的であることが理解出来たのである。
流石最新の演奏の録音状態は大変い優れたいるようで隣室にも低音が響き渡る様に感じた、録音の違いにもある様だが低音の力と中域の張りの魅力はなかなかに代えがたいですね。10畳ほどの空間で悠々たる器量のある低音感を体で楽しむ、そんなスピーカーです。伝統ある10吋IIILZ Monitor Goldユニットの優れた低音の鳴り方の良さから高音までバランスが良く楽しむ事が出来ます。
今も変わらないTANNOYのLEGACYシリーズのHPDユニット使用して新しいARDEN/CHEVIOT/EATONは現在もスコットランドで熟練の職人チームがハンドメイドで作っているとのことです。
筆者の愛用するTANNOYⅢLZ in GOODMAN AXIOM80 Cabinetは2018年1月にGOODMAN AXIOM80の箱が到着し当初はユニットにHPD295を装着していましたが一年後にIIILZ Monitor Goldと交換し5年が過ぎ不安事項の修復及び設置方法等を改良し試行錯誤した結果随分音質は良くなった思っている。確かに数字的に周波数特性はHPD295のユニットが優れてはいるのだが視聴すると何故か音楽全体の雰囲気はMonitor Goldに軍配が上がり弦音の広域は涼やかな体験できる。
本アルバムは何時もより若干ボリュームが大きく感じ、しっかり鳴る感じがする、流石最新の録音状態にも関係はあるのであろうか?隣の部屋に低域の音だけが響いた為に若干音量を下げた!
当時古い本だが後生大事に残して於いたステレオサウンド誌「別冊ステレオサンド」2009年3月発売の記事に当時松浪氏がTANNOYⅢLZ のユニットをGOODMAN AXIOM80の箱に入れてARUを付けて鳴らした結果それまで試した結果一番音が良く、TANNOYⅢLZ を使用する友人にGOODMAN AXIOM80の箱に入れる様に勧めたそうです。
その様なGOODMAN AXIOM80の箱を入手しユニットも手入れして組み込み早速視聴すると、設置方法等色々な問題が判明した、様々な方法を試みるがそれ以来黒の連続でもあったが5年の歳月をかけて現在の設置に安定を覚えた。
勿論拙宅の箱も、その系統を受け継ぐ箱と聞いた事がある。
この別冊のステレオサウンド誌の様に思うにTANNOYのスピーカーの事で一冊の本になると言う英国の伝統はまさに老舗でもある。そのTANNOYのシステムムを日本に最初に持ち込み孤軍奮闘されたのは作家の五味康祐であり今も彼の書き記した本を読み感動する事もある。
考えれば昔と全く変わりなく成長はしていない様でもある、当時から世界の国から日本での不思議な現象はTANNOYとジムランの2社がが異常に販売された国は無いと言われていたそうです。
確かに未だこの2社のスピーカーの注目度が続く現象は戦後生まれの年代が続く限り話題は続くのであろう。
余談ではあるが、此処でこの本の中の内容に興味ある記事が掲載されていた、所謂アメリカ・タンノイに見る製品群にバックロードホーンを取り入れた12吋マローカンと言う製品だが、タンノイ社が60周年を記念して発売された15吋RHRリミテッドなるユニット背面にはバックロードホーンシステムとなった物が開発されたと聴くが、多分此れはアメリカ・タンノイの12吋マローカンユニットなる音と、何方もバックロードホーン独特の響かたは似た鳴り方をするのでは無いであろうかと興味深く想像する。
英国タンノイユニットも海を渡り米国東海岸のサウンドに変身しているのであろう?或程度のボリューム・ゾーンの据え置き型エンクロージャーを使用される方々はすれぞれの響きについての拘りががあるのであろう、低音については若干英国の名残はあるが質感が引き締まり、音の輪郭が引き締まりジャズ系の音楽も妙に懐かしく味わえる様に想像できる。確かにユニットは同様でも箱の形状で随分音質は変わることを学んだ楽しい6年でもあった。
肝心の音源の音質は流石最新技術の為か頗る良い、例えばチェロのビブラートは何かゾクゾクする、久しぶりに体感すると新しいテクノロジーの音にも関心もすると同時に50年前にも及ぶユニットも大した物と思え愛おしくもある。
勿論バッハ、べートーヴェン等のチェロ音楽を愛好する筆者の様な老体には此の10吋IIILZ Monitor Goldユニットが丁度良く何時迄も長く大切に保管したい気持ちは続くのである。
今後も趣味の「良い音楽」の追求がより楽しみを増すであろう、ブラボー!
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