はるまのとりとめのない日記 (ほぼおやつ日記)

【とりとめのない】「特に重要ではない単なるおしゃべり」といった意味合い

雲を仰ぐのみ

2012-06-04 | フツーの日記

私の父は、その昔、「ノンちゃん雲に乗る」 が好きだった(らしい)。

       

「ノンちゃん雲に乗る」の筆者、石井桃子さんが亡くなった時の私の日記(2008年4月7日) → 哀悼 石井桃子さん を再掲します。



 
小学生のころ、「自分の名前の由来」を調べる (家族に聞いてくる) という宿題が出て、父に「なんで?」 って聞いたら、「ノンちゃん雲に乗る」の話になり、「ノンちゃん」ってつけたかったんだ、と教えてくれた。

ノンちゃんがかわいくて、好きだったのかな。男ばかり3人兄弟の長男の父は、ノンちゃんみたいな妹が欲しかったのかもしれない。父が、そう言ってたわけじゃないけど。

初めての娘(私)が生まれ、父は「ノンちゃん」と呼べる名前を私につけた。
「ノンちゃん雲に乗る」の中の 「ノンちゃん」 は、「のぶこちゃん」 (漢字は 「宣子」 だったかな?) なのだが「のぶこはイヤ。」 と母や祖母に反対され、今の名前に落ち着いたようだ。


児童文学である。
今思えば、父は文学青年だったとはいえ、20代の男性が読むタイプの本ではないような気がする。しかし、実際に、紺色のカバーがかかった 「ノンちゃん雲に乗る」 を出してきて、「この本だよ。読んでごらん。」 と私に渡したんだから、読んで気に入っていたのは事実だろう。 
この話を聞いて「ノンちゃん雲に乗る」を読んだとき、私は何年生だったんだろう。読みやすい文章で、一気に読んだ覚えがある。私は長女 (第一子) なので、「いいなあノンちゃん。お兄ちゃんがいて。」という気持ちを抱いたような気がする。

そして、名前の由来を聞いたら、この本を引き合いに出してくれた父が誇らしかった。もしかしたら、「名付けの理由は特になし。」 と言えなくて、体のよい理由として 「ノンちゃん」 を持ち出したのかもしれない。

父が元気なうちに、真偽を聞いておかないといけないかな。

それまで、自分の名前があまり好きでなかったのだが、これをきっかけに、ちょっぴり好きになった。 




真偽を聞かなかったよ。聞かずじまいだった。
父は3日未明、亡くなりました。
50半ばのノンちゃんは雲に乗れない。どんなに頑張っても雲には乗れないよ。


合掌