■第1関門 49.6km まで
30km も過ぎると、歩いている人もチラホラ。
「暑くなりましたね~」 と声をかけて追い越す。
かがんでいる人もいる。
そんな人を追い越すときは、「大丈夫ですか? 脚ですか?」 と
声をかける。こんな暑い日、気持ち悪くてかがんでいる可能性もあるからね。
「あ、脚です。攣っちゃって。」 という人が多かった。
40km過ぎのエイドで一緒になった男性に
「あれ? ペアルックの人、一緒じゃないの?」 と聞かれる。
「ペアルック」 って死語ちゃうの?
ペアルックの人、もちろん、イノさんのこと。
私も、イノさん、15kmあたりで止めたいと言ってから、どうしたかなあ、
と気になってはいたのだ。
「うーん、ちょっと調子悪いみたいで、もしかしたらリタイアしたかもしれない。」
と答えながら、ほんとに止めちゃっただろうか… と。
この辺のエイドから、一緒になるメンバーが固定されてきて、
エイドのボランティアの人だけでなく、ランナーとも交流が始まる。
でも、たいていのランナーは、私より遅れてエイドに入ってきて
私より先に出発してしまう。
もう、すでに、「エイドで長居」 始まっていたわけだ。
去年、運動会で校庭が賑わっていた 前田小学校 (でいいのかな?) 。
今年は、シーンと静まり返っている。
校門近くに、真新しい尊徳像。ごく最近、新調したみたい。
1番下の台座が古いまま。
こういう場合、お払い箱になった金次郎さんの行く末は?
そんなことを考えながら走ってた。 (ヒマだったってこと)
このあたりから、孤独な道行きとなる。
しかも、だらだら上り坂。
身体がふわふわとして、眠気にも襲われる。
気のせいか、蛇行してるような気もする。
脳貧血? 酸素がうまく回ってないような…
うー、このあとの激坂を考えると、精神的にも眩暈がしそう。
豊沢ダム (豊沢湖)
去年は、このあたりを走行中、連れがあったんだよね。
年配の男性が話しかけてくれて、ずいぶん気が紛れたんだった。
このまま行けば、第1関門はクリアできそう。
歩いたり、走ったり。のんびり一人旅を決め込む。
第1関門到着、10時10分頃=スタート後 6時間10分くらい (だったと思う)。
50分程度の貯金あり。
この貯金を食いつぶすことになろうとは…
■レストステーション 66.5km まで
上り坂…
しかも暑い…
日差しも強い…
そして孤独…
前にも後にも、誰の姿も見えないと、「私、コースアウトしたのでは?」
と不安になってくる。いや、それらしき分かれ道はなかったはず。
ちょっと携帯カメラを構え、立ち止まる。
ああ、よかった。男性ランナーがやって来た。
去年は、寒くて、暗くて、長くて、泣きそうになったトンネル。
今年は、天国のようだった。
天然クーラー? 1785m 気持ちよく走れた。
トンネルに入ってすぐ、「あれれ?こんなに真っ暗だった?」 と
びっくりしたけど、なんのことはない、サングラスを外し忘れただけだった。
1785m 「もう終わっちゃうの?」 と物足りないくらい。
Viva ! Tunnel ! てなもんである。
トンネルを出てすぐのエイドでくつろいでいると、収容バスの車窓から、
「はるまさん!」 との声。 「あー!イノさん。」
どこまでがんばったんだろう。
聞くと、44km過ぎで第1関門の制限時間7時間を迎え、バスに乗ったらしい。
ふー、よかった。15kmで止めなかったんだね。
もう止めたいといってから、30kmもがんばったんだね。えらいぞ!!
トンネルが終わると、激しい上り坂もオシマイ。
下り坂が始まる。
しかし…
暑い、なんといっても暑い。
「かぶり水」 初体験。
これまで、マラソン大会では暑くてもスポンジで首筋を濡らす程度で
水をかぶる (浴びる) なんてしたことがなかった。
大きなポリバケツに水道水がはってある。
大きなひしゃくで、まず両腕に掛ける。脚にも掛けたいところだが
シューズが濡れるのはキライなので、やめておく。
今回は、長い髪が、襟足の日よけの役目を果たしてる。
その髪の毛にも水を掛ける。背中にも水を浴びせる。
おー、冷たくて気持ちいい。
走り始めると、風を受け、気化熱で涼しい
でも、髪の毛もウェアもすぐ乾いちゃう。
再び、あぢ~
日焼け止めは、すっかり流れてる。あーあ、またシミが増える~
なぜか、この辺から、ぱったりと写真を撮ることをしなくなった。
なんでかなー?
好調とは程遠いけど、歩くことなく、レストステーションまで。
レストステーション到着、12時40分頃=スタート後8時間40分くらい
20分の貯金。