そんなこんなで1週間遅れてしまったけど、あれから1年が経ちました。
皆さんは、先週のその時を、どこでどう過ごされましたか。
各地でさまざまな催しが開かれ、黙祷の時間が持たれていた一方で、夜のニュースで見た渋谷の交差点の映像は普段の人の流れと変わりなく、いろいろなのだと知りました。
私はどうしようといろいろ考えた結果、家でやらなければならない仕事がたくさんあったのもあって、家で、1年前とまったく同じで迎えることにしました。
あの日はリビングで椅子に座って、ちょうどテレビを見てました。
その時と同じ椅子に座って、たまたまあの日と同じように家にいた長男と一緒に。そして、慰霊式典を見て、黙祷しました。
目をつぶっていると、あの日の怖かったことが浮かんできました。横浜でもあれだけ怖かった。電車がとまり、娘は学校から帰れず体育館に泊まって次の日帰ってきました。顔を見るまで落ち着きませんでした。
でも、それはすぐ消えて、この一年報道で見てきた、東北のいろいろな画像が浮かんできました。
一年を振り返っての特番では津波が車や家を押し流していくさまをたくさん見たけれど、あの日、たぶんあんなひどいことになると誰も思わず写していたんであろうテレビの映像が、あの時リアルタイムで流れていました。
私は、あー今あの車は流れていってしまう、あの家は巻き込まれてしまう、きっとあの中に人はいる、今この瞬間人の命が奪われていく、・・・そう思いながら、息をしてはいけないかのようにひっそりとその画面を見つめていました。
そのことを思い出し、その時は原発を始め、日本がもっとひどいことになっていくことを知らず呆然としていたなあと、思い出していました。
そして、この一年間を思い、たくさんの亡くなった方たちを思いました。
この日一日流れていた震災の特集を、子どもたちも観ていました。
「どうせ、こんなふうに取り上げられるのって、今日一日だけだよ。明日からはまた普通の報道にきっとなる」「今日は震災を見なくっちゃ」「・・・(無言で画面を観ている)」
子どもも三人三様。それぞれの受け止め方で、それぞれの思いで、私たち家族はこの日一日の報道を観ていました。
画面の向こうとこちらでは何がちがったのか。きっと何もちがわない。だからこそ、私たちはこの今ある命を大切に生きなくてはならない、最近の幾度かの余震の中でもまたその思いを強くしました。
この日咲けばいいなと思っていた、庭のさくらんぼの花。朝見ると、ほのかに咲き始めていました。そして、午後、ちょうどあの時間を狙うかのようにいっそう命が動き始め、夕方にはこの写真のように何輪かがきれいに咲きました。
偶然かもしれないけど、でもとてもうれしかった。こうして、願っていれば思いが届く、叶うことがきっとあるんだよって、そうさくらんぼの花が言ってくれているような気がしました。
そして、この夜見上げた空の星はとてもきれいでした。
大好きなオリオン座が目の前に大きく見えて、小さいころ見たのと同じそのままに、きれいに輝いていました。いろんな思いをこめて、私はそのかたちをトレースしながら、変わったものもあるけれど、変わらないものもこうしてあって、どこからでも誰の目にも見えるのだと思いました。
いろんなことがあるけれど、私はたんたんと日々をまず過ごしていこう、あの星の輝きのように。そんな毎日から見えることもきっとあるはずだ、そう思います。
その上で自分にできることをしていこう。一年後、日本のいろいろが好転していますように、ひそかにそう願いをこめて。まずは自分の健康第一から、ね(^^;)。
そうそう。この日、久しぶりにスコーンを焼きました。お昼間、仕事をしながら食べられるものを作ろうと思って。
久しぶりだったのにうまくできました。半分はレーズン入りにして、バイトに行く息子も持っていって冷めても美味しく食べられるように。半分はプレーン、あとで帰ってくる子どもたちが大好きなジャムをつけて美味しく食べられるように。
これも私のたんたんと過ごすことなのだと、まだまだやれることがあると、熱々をほおばりながら思ったのでした。