先日の「おうちカフェ2012」のときに、「そういえば上野さんがお菓子ってめずらしいですね」っておっしゃった方がいらっしゃいました。
そうかもしれない、なんせ「ごはんや」だし。最近ずっとランチとか食堂とかやっているし。
でも、私は料理は結婚するまでほとんどしたことがなくて、それよりお菓子を作るのがとっても好きでした。小、中学校のときからパウンドケーキとかマドレーヌとかクッキーとか作って友だちと交換したり、お菓子の本を読みふけったり、そういうのでした。
子どもが小さいときは台所しごとの合間にさっと作れるお菓子やパンを焼いたり、習いにも行ったし、それがストレス解消だった気がします。
でも、最近はずっとご無沙汰していました。
なので、今回久々に集中してマフィンだとかを作っていて、とってもとっても楽しかったです。
今回は「おやつカフェ」というのをやってみましたが、これは実はちょっと頭をひねって考えたカフェ名です。
もともと昨年に引き続いて応募しようと思ったときは、「去年と同じで、第2弾の野菜とお豆のごはんカフェにしよう」と、メニューを大体決めていました。
だけど、エントリーする段になって、今年はご飯ものではなくお菓子やパンとお茶かスープのセット・・・ということがわかりました。というか、ちゃんと読んでいなかったのだ(^^;)。
ひえー、困った、どうしよう。うーん・・・。
せっかく「ごはんやひとみ」を開店したとこなので、ごはんやひとみらしいものにしたい、でも、どうしよ、和カフェなららしいか・・・。いや、もうひとひねり。うーん。
そうだ、普段着のごはんを作った延長でできるものにしよう、いつも台所にあるもので作れるおやつがいいな、私が以前お茶碗洗ったついでにささっと作っていたお菓子。
「おやつ」って大人になってもうれしい響きだもん。きっと楽しい気分でいっぱいになるはず。自分がですけど。
だから、材料は普通にどこの台所にでもある、小麦粉、バター、卵、牛乳、砂糖を使おう。そこに人参、お豆、おから、きなこなんかを組み合わせて。
いらしてくださった方が自分でもおやつ作ってみようと思ってくださるような感じのものがいいなあって。
ただし、私らしさももちろん出したいから、大豆も黒豆もいつものように茹でてもどしたものをそのまま使いました。
よく黒豆を使ったお菓子ってあるけれど、たいてい甘く煮てあるじゃないですか。私はあまり好きじゃないんです。
お豆の甘く煮たのはそれだけで食べたくて。これをパンやお菓子に入れると、生地そのものの甘さとのバランスが難しいし。
だから、茹でたままの固さと豆本来の味を感じられるようにとそのまま入れました。甘く煮るひと手間も掛けなくていいし。
そして、お菓子もやっぱり吟味した素材で作りました。
国産小麦、よつばバター、平飼卵、低温殺菌牛乳、喜界島粗糖、アルミニウムフリーのベーキングパウダー。
野菜やお豆、きなこ、レーズンなど・・・はすべて、有機栽培もしくは無農薬か低農薬のもの。
安心安全な素材を使いたいというのもあるけれど、素材が違うと生地のふくらみ、甘さ、しっとり感・・・、全て違ってくると思います。
いつもと同じにしないと思うおいしさが出せないのは、ごはん作りと同じだなあと思います。
コストを安く抑えようと思ったら材料を変えればできたけれど、そしたらまた配合を考えなくちゃいけない、ほんとに家でおやつとして食べるのだったら少々のちがいはいいけれど、お客様にお出しするんだからやっぱり自分で自信を持って作ったものにしたいと思いました。
結果は私自身はおいしいものができたと思います。甘さ控えめでしたから、もしかしたら物足りない方もいらっしゃったのではと思いますけれど、そこはハーブと合わせたお豆のサラダのさっぱり感が補ってくれたのではないでしょうか。
本当はマフィンは焼きたてほかほかのがおいしいですけれど、それを食べていただけなかったのは残念でした。が、しっとり感を保つためにある工夫をほどこしました。
添加物とかとちがいますよ、もちろんですけど。企業秘密です(^^)v
今年の「おうちカフェ」がまたごはんでもよかったら、お菓子作りの楽しさや作りたてのおいしさをこんなふうにじっくり味わうことは、またしばらくなかったかもしれません。
なんでもチャレンジはおもしろいなあ・・・と、無事に終わったからこそ思える、そんな今年の「おうちカフェ」でした。
いらしてくださった方が、自分もおうちで作ってみようと思ってくださったら、こんなうれしいことはありません。
身近な材料で、少々配合がちがったとしても気軽においしく作れるお菓子です。ホットケーキミックスを使って手軽に作ってもよいと思います。
焼きたてほやほや、あつあつをほおばって、焼きあがる間のいいにおいもごちそう。楽しいよ♪