はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

映画『窓ぎわのトットちゃん』見てきました

2023年12月13日 | 映画
2023/12/13


12月8日に公開になった映画
『窓ぎわのトットちゃん』を見てきました。


徹子さんがこの映画を見て
「涙が出た」とおっしゃってましたが
私もじんわりと涙がにじんできました。


たくさんの感想があるのですが
最近はネタばれになるというので
あまり書くことができませんが。


見る前に、リトミックの場面が
あればいいなと思っていたら
出てきました。

小林宗作先生がピアノを弾いて
子どもたちがステップしたり
くるくるまわったり。

私は実際に小林先生が弾いているところを
見たように感激してしまいました。

そう「 Row Row Row your Boat 」という
英語の歌も出てきましたね。

かめ かめ かめよ 食べものを」
という日本語になっていて
お弁当の時に歌うのです。

あの歌は原作でも出てきますが
この映画の中ではかなり重要な意味を
持っているんですね。


やすあきちゃんの悲しみが
ずっと通奏低音のように全体を通して
流れているのです。

やすあきちゃんという足の不自由な男の子に
トットちゃんは心を寄せています。

あの子をなんとかしてあげたい。
みんなと同じような経験をさせてあげたい
というトットちゃんの気持ちが伝わってきます。

きっと黒柳徹子さんは
子どもの頃からそういう気持ちを
人一倍持った人だったのでしょう。


あの時代の日本にも
こんな教育者がいて
こんな自由でユニークな学校があった
というのがアニメになったことで
わかりやすい形で伝わってきました。

そして戦争の残酷さも
子どもの目から見た悲しみとなって
伝わってくるのでした。







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映画『君たちはどう生きるか』 再びの感想

2023年08月30日 | 映画
2023/08/30

宮崎駿作品『君たちはどう生きるか』を
見てから1ヶ月ほど経ちました。

その後作品の評価はどうなっているのでしょうね。

宮崎監督は今も何も語っていないですね。

内田樹氏のサイトを見たら
映画の感想が載っていました。

それがかなり興味深かったのです。

それで少し引用させていただきます。

↑ 詳しくはこちらをお読みください。

もうネタバレも大丈夫ですね。

以下は内田氏の文章からの引用です。
〈 〉内は引用

〈物語のあらすじを大雑把に言うと、「少年が母を探しに黄泉の国に行って、さまざまな〈母の代理表象〉たちと出会い、彼女らと共に黄泉の国を冒険した後、母を断念して、現実世界に帰還する」ということになる。〉

〈少年が母を探して「黄泉の国」を旅するという物語はたぶん世界中の神話にある。それは世界中のすべての集団に少年のための「通過儀礼」があるからである。 〉

〈宮崎駿は「出来合いの説話原形」を棄てて、ストレートで、救いのない「母探し」と「母との出会いの失敗」の物語を生涯最後の作品の主題に選んだ。〉

・・・・・・・

私自身は、前にも書いたように
主人公の少年は冒険のはてに
母への諦めがついたのだと感じたのです。

受け入れがたかった現実を受け入れて
生きていくのだと決めたのだと解釈したのですが。
(それが成長ということだ)


(画像はネットよりお借りしました)



〈宮崎作品は子どもでも楽しめて、エンドマークが出たときに小学生でも「ああ、面白かった」と笑いはじけるような作品をめざしてきたはずである〉


こうすれば観客は喜ぶというやり方を
宮崎監督は知っていたはずなのに
今回はそれを封印した、とあります。

「トトロ」や「ポニョ」のように
夏休みに子どもが見に行くような作品ではない。
誰でも楽しめる作品というわけではないですね。


監督は「これが最後の映画」と
過去に何度も言っているけれど
ほんとうにこれが最後のつもりなのか
走馬灯のように
今までの作品を彷彿とさせるものが
出てきましたね。

答えの容易に分からない映画を作ったことで
次の世代に引導を渡したと思うのですよ。

君たちはそれぞれのやり方を決めなさい。
それで生きていきなさいと。


〈どうして、「こうすれば観客は喜ぶ」仕掛けをあえて封印したのか、それについては宮崎駿自身の言葉を私は聴きたいと思う。そして、それを読んで「ああ、なるほど、そうだったのか! こんな皮相な解釈をして、オレはあさはかだった・・・」と髪をかきむしるという経験をぜひしたい。ほんとうに。〉

と書いて内田氏は締めくくっています。


私もね、的外れかもしれないなあ
と思いながら
宮崎作品のテーマについて
ああでもない、こうでもないと
考えるのが好きなんですよ。



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映画「君たちはどう生きるか」鑑賞

2023年07月21日 | 映画
2023/07/21


宮崎駿監督の新作アニメ
「君たちはどう生きるか」を見てきました。

予告編もない映画ということは
見る人に余計な先入観を与えたくない
自分の感じるように見てほしい
という意図があるのでしょうかね。


その意味ではあまり具体的なことを
書けないと思うのですが
いろいろわからないながらも
少年の心の成長物語だとは言えると思いました。


受け入れ難い日常(戦争、母の死、転居or疎開?)
から別の世界に行き
さまざまな異世界を見て
不思議なものたちと出会い
行動を共にします。

見つけるべき人を見つけ
魂の腑に落ちることを会得して
もといた世界に帰ってくる。

別世界というのは
自分の心の奥底のことかもしれない。

自分の心を覗く作業。

魂の遍歴をしているというふうに
私は受け取りました。

その意味でユングっぽいものを
感じたのですが…。


いろいろな登場人物(鳥も含めて)を
あれは何の比喩、暗喩なのかなと
ずっと考えながら見ていました。

題名からして
強いメッセージがある作品だと思いますが
こうあるべきだと教訓を垂れるのでもなく
どのように受け取るか
どのように考えるかは
君次第だと任せているようでもあります。

この作品を作っていた時期は
新型コロナとロシアのウクライナ侵攻の際中。

世界の危うさ、変わっていく世界情勢が
作品のテーマに影響を与えていたのではと
思われたのですが…。


いつか宮崎監督に
ほんとうはどういう意図だったのか
語ってもらいたいですね。


エンドロールに流れる声優陣が
そうそうたる顔ぶれ!

主題歌は米津玄師さん。

絵もきれいで筋もおもしろく
力が入った映画ですね。

でも息を抜くところがなくて
少し疲れました😅 



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映画「怪物」感想

2023年06月15日 | 映画
2023/06/15


今年のカンヌ国際映画祭で脚本賞を
受賞した是枝裕和監督の映画「怪物」を
TOHOシネマズで見てきました。

うまく感想を書けるかしら。

とにかく話としても非常におもしろいので
ネタバレは厳禁ですね。


最初は安藤サクラ演じる
シングルマザー・麦野早織 が
物語の中心人物かと思われたが
それが担任教師・保利先生(永山 瑛太 )に移り
そして子どもたちに移っていく。

冒頭に提示された数々のエピソードは
初めに受けた印象とは全く違う真実が
次々と明かされる。

担任も変だし、校長(田中裕子)も変。
学校の先生はみんな不審感があり信用できない。

子どもたちでさえ
嘘をついているのか、正しいのか、わからない。

学校で起こったいじめを暴く
というような物語ではないことにも気づかされる。

幾重にも重なる物語の構成。


結局のところ
「人は誰でも悲しみを抱いて生きているんだなあ」
と私は深く感じいったのですが。

坂本龍一の「Aqua」が流れる。
静かで心に沁みる。

もうね、涙が止まりませんでした。

なんだろうな。
悲しみとも違う。
喜びとも違う感情。


少年たちが遊ぶ自然さが秀逸。

是枝監督の『誰も知らない』の柳楽優弥君が
自然な演技でよかったけれど
湊と依里という子どもたちの
2人だけで遊ぶときの自然さ。

あれが2人の天国なのかもしれない。

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映画『すずめの戸締り』(追記 感想あり)

2022年12月05日 | 映画
2022/12/05



先週、新海誠監督の映画『すずめの戸締り』
を見てきました。




私は新海誠監督の作品が好きで
『天気の子』、『君の名は』も見てるんです。


映画館まで出向いていって
大画面で見るからこその臨場感。

空と街を上空から遠望する画に迫力があって
まるで自分が上空から俯瞰しているようです。


主人公は高校生、大学生の話なので
ずいぶん年の離れてしまったオバサン(私)には
わからないところがあるかと思いきや
若い時代を経験しているからこそなのか
すぐにその時代の自分に戻って見られました。


主人公・すずめの宮崎の家の景色は
行ったこともないのに懐かしくて
東京のお茶の水辺りの景色は
「わあ、東京だ、すごいなあ」という気に
させてくれる絵。


ネタバレになるかもしれないので
あまり書けないけれど
宮崎から東京、そして東日本大震災の被災地まで
行く過程が描かれていて
そこは『ドライブ・マイカー』を少し思い出した。


東日本大震災で被害を受けた人の心に
焦点を当てています。

あえてトラウマに触れることによって
蓋をしておいたものを明るみに出して
癒しへと導いていく過程を描いたのかなと思います。


今の男の人はもはや
弱くて、いうことを聞いてくれる女のコじゃなくて
勇敢で捨て身で
命がけで自分を愛してくれる強い女のコが
理想なんだな
と感じた私でございます😊 


・・・・・・

〈追記しました〉

ひと昔前までは
すずめのようなキャラクターは
男性のタイプとして求められていたように思います。

宮崎駿監督の頃から
主人公が武器を持って戦う男性から
女の子になり、戦闘ではなく
自分の道を切り開いていくという物語に
変わっていったと思います。


今回、新海監督の映画を見て思ったのは
私たちを最も脅威にさらすのは
戦争ではなく
自然災害のほうだということです。


今もロシア・ウクライナのことを考えれば
戦争や敵・味方の闘いはありますが
今、現実的に甚大な被害をこうむるのは
地震、津波、台風、大雨です。

新海監督はそのことを
わかって作っていると思いました。

・・・・・


音楽も素晴らしかったです。

RADWINPSの歌はいつもいいね。

少女の透明感のある歌声も
アニメーションのイメージにピッタリ
あっていたと思います。


見終わった後に
なにか、すがすがしい、清らかなものが
流れ込んでくるような作品
だと思いました。



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