はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

袴田事件のこと

2024年09月29日 | 社会問題
2024/09/29


袴田巌さんの無罪判決は
ほんとうによかったと思います。

私が袴田事件を前から注目していたのは
静岡市清水区(当時は清水市)という
知っている近隣の町で起こった事件だったこと。

お姉さんのひで子さんを一目見た時に
浜松の叔母によく似ていると思いました。

顔は違うけれど、ほぼ同年齢、雰囲気
遠州弁で話す話し方がよく似ていました。

ひで子さんは姿勢も歩く速さも顔つきも
91歳とは思えないほどしっかりして若々しい。

弟の無実の罪を晴らしたいというその一念
使命感がひで子さんを
若くさせているのでしょう。

ほんとうに気丈な方です。

巌さんは無実の判決が出たことは
理解できたようですね。

長年のストレスが命を縮めても
おかしくない状況なのに
こうして生き延びてこられたのも
よかったと思います。

無念の思いを晴らすことができて
幸いでした。


どうしてあんなひどい冤罪事件が
起こってしまったのでしょうね。

日本弁護士連合会の「袴田事件」に
経過が書かれています。




そうなると真犯人はどこに?
という疑問がまた起こってきますね。



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エスタブリッシュメントの方々

2024年07月25日 | 社会問題
2024/07/25


この記事は内田樹氏のブログ
『近代市民社会の再興のために』
という記事を参考にしています。


今まで気がつかなかった事実を示されて
政治というか
世間はそうなっているのかと
私は今更ながら頷いたのでした。

特にここでは
「エスタブリッシュメント」の人々
について書こうと思います。

少し固い話になるのですが
ご容赦ください。

「エスタブリッシュメント」というのは
支配階級のことです。
権力も地位もお金も持っている方々。

日本でエスタブリッシュメントといえば
政治家、高級官僚、大手企業の経営者
大手メディアなどかしら。



部分的に引用させていただきます。

内田 自民党の世襲議員たちは縁故がらみの部族を形成して、国民から供託された公権力を私利のために用い、公金を私物化しています。でも、そんな無法ができるのは、エスタブリッシュメントのメンバーたちがお互いに融通を図り、連携を密にして、相互扶助ネットワークを形成しているからです。

 一方、貧しい国民は「自己責任」を求められ、分断し孤立しています。奇妙な話ですが、豊かな人たちはしっかり相互扶助の仕組みを作り、その恩恵を享受しているのに対して、貧しい大衆は苛烈な競争に投じられ、お互いの足を引っ張り合い、公共財の分配に与ることができず、政治的に無力な状態に釘付けにされている。〉


私が驚いたのは
「エスタブリッシュメントのメンバーたちが
お互いに融通を図り、連携を密にして、
相互扶助ネットワークを形成している」
ということ。

いったん支配階級に入れば、あるいは
支配階級のグループ構成員だと認められれば
お互いに助け合って自分たちの
権利を守り合っているのです。

「自分たちは特別な存在だから
仲よくしようね」という共通認識があること。

自民党の裏金、政治資金規正法など
まさしくその典型じゃありませんか。


〈エスタブリッシュメントはしっかり相互扶助ネットワークを形成して、メンバーの政治的・経済的リスクをカバーしている。そのおかげで法を犯しても処罰されず、裏金を懐に入れても課税されない、どれほど失政をしてもメディアは報道しない・・・という仕方で特権を享受している。

それに対して、貧しく無力な大衆たちには「勝った者が総取りして、負けたものは自己責任で路頭で野垂れ死にするしかない」という新自由主義イデオロギーが選択的にアナウンスされている。〉

〈エスタブリッシュメントの方々は職業選択の自由も移動の自由も言論の自由も断念して、部族に忠誠を誓い、部族から命じられた役割を忠実に演じ、その代償として権力と富の分配に与っている。彼らは自分たちだけの「小さな公共」をとても大切にしている。(中略)ブルジョワジーは連帯し、プロレタリアは孤立させられている。〉

〈今の日本のように国民の多数が貧しく、政治的に無力な状態に置かれると、たしかに統治コストは安く上がります。支配層が公共財を私物化しても、公権力を私事に利用しても、異議を申し立てる人がいない。
「エスタブリッシュメント」にしてみたら、まことに暮らしやすい社会です。でも、そんな社会からはもう「新しいもの」は何も生まれてきません。どんどん国力が減退してゆくだけです。今の支配体制が続けば、日本の国際社会におけるプレゼンスは底なしに低下してゆくでしょう。〉

〈まだ日本にはいくらでも「売れるもの」がある。土地も売れるし、観光資源も売れるし、水も売れるし、社会的インフラも売れる。それを外資に売り払って私財に付け替えていれば、日本が沈む時に、自分たちだけはハワイでもシンガポールでもカナダでも逃げ出して、日本を売った代価で孫の代くらいまでなら優雅に暮らせる。〉

私は、日本を逃げだすとしたら
行き先はハワイ、シンガポール、カナダかと
そこだけは印象深く記憶したのでした。


どうあがいてもエスタブリッシュメントではなく
その他大勢の貧しい国民でしかない私は
お互いに協力すればなんとかなる
という知恵もなく分断されたまま
生きてきました。

でも内田氏の言うとおりに
違いないと思ったのでした。

政治家がなぜいつまでも権力の座に
こだわりつづけるのか・・・。

兵庫県知事はどうして辞職しないのか。
きっとおいしいことがあるに違いありません。

小池都知事はきっと最初から
エスタブリッシュメントだったのでしょうが
お仲間たちのグループにどっぷり浸かって
お互いの利益のために連携しています。

東京2020のオリンピックの時に
急にトーンダウンをして無言を貫いた姿勢に
「おやっ?」と感じた私ですが
今回も知事に再選されて
大手企業が関わっている神宮外苑の開発も
素知らぬ顔で推進していくつもりなんでしょう。

今になって思えば
エスタブリッシュメントの方々が
蓮舫さんを望むわけがなかったのです。

〈追記〉
エスタブリッシュの人々は
少し前から言われるようになった
「上級国民」だったと気がつきました。



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~子どもへの性暴力をゼロに~ 旧ジャニーズ性加害問題から考える エポック10フェスタ

2024年06月10日 | 社会問題
2024/06/10

昨日は
エポック10フェスタ2024のイベント
「子どもへの性暴力をゼロに」
(性暴力をなくそうWith  Youの会主催)の
講座に参加しました。


講師は中村一也さん(元ジャニーズJr)と
「1 is 2 many子どもへの性暴力を根絶するAction Plan」
(ワニズアクション)のメンバーのかた。


自分の日々の記録として
書きとめておきたいと思いますが
はて、どんなふうに書こうかと
悩んでしまいました。

当事者、被害者がいることもあり
心のケアが必要な問題です。

既に報道されている以上のことは
講座で話されることはなかったと思います。

まず被害者に寄り添う意識を持つことが
大切だと感じました。

幼いころから自分の身を守るための
教育が必要であるということ。

それを教えられないでいると
自分が被害に遭っても意味がわからず
長い間、訴えることができない子もいます。

それは「性教育」と呼ばれるものではなく
健全に生きていくために
必要な教育だと感じました。


そして2023年6月に刑法が
改正された話が出ました。

時効までの期間が延長されました。
性犯罪の公訴時効は不同意性交罪が10年から15年に延長。
不同意わいせつ罪が7年から12年に延長された。

18歳未満で被害を受けた場合は
性被害と認識できるまで時間を要することを考慮して
18歳になるまでの年月を加算されることになりました。
例えば18歳未満で不同意性交罪の被害に遭った場合
被害者が33歳の時点で時効になります。


詳しいことは下記のNHKニュースWEB
に載っています。



日本ではまだまだ性犯罪への意識が
諸外国に比べて薄いようです。

ジャニーズの被害ももともとは
英国BBCの報道からでした。

法律もまだまだ不十分です。


主催者メンバーの方々
ワニズアクションの方々は
今後も被害者のケアや支援活動
社会啓発や政策提言を積極的に行って
活動されていくそうです。

応援しています。




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ジェンダーバイアスのかかった広告

2024年03月15日 | 社会問題
2024/03/15


アパレルブランドH&Mが
1月にオーストラリアで展開した
キャンペーン広告が「女児の性的対象化につながる」
という批判を受けて削除し謝罪したとのこと。


〈批判された広告は、
Facebookのスポンサー広告として公開されたもので、
「H&M」のロゴの下にキャッチコピーのテキスト
「Make those heads turn in H&M’s Back to School fashion
(H&Mの新学期ファッションを着て、注目を集めよう)」
が記され、
写真には鮮やかなピンク色の背景に
そろいの濃いグレーのワンピースを着た女児2人が
向き合って立ち、振り向くようにして
視線を正面に向けて写っている。〉


(上のリンク先は有料記事でなので
全部は見られないかもしれません)


私は最初、この広告を見たときに
どこが性的対象になるのか
さっぱりわからなかったのです。

女の子たちの服は白ブラウスに
濃いグレーのジャンパースカートで
ごく当たり前の服のように見えます。

記事では
〈「Make those heads turn」
(辞書では『注目を集めよう』
という定義が記されているが、
実際会話で用いられる際には
『性的な魅力で異性を振り向かせよう』
というニュアンスを帯びたフレーズとして理解される)
という文言とともに
タイムラインに流れてきた広告を目にした時、
女児が「性的な意図も含む視線を向けられること(セクシズム)」
や「外見で注目を集めて評価されること(ルッキズム)」を
進んで受け入れるように誘導する
メッセージとして読み取られた。

そのことが、
「女児の性的対象化につながるのでは」
という反応につながり、
子ども服を宣伝する上では
不適切な文言を使用したと指摘されるに至った。〉


「Make those heads turn」という言葉は
「性的な魅力で異性を振り向かせよう」という
ニュアンスがあるらしいのです。

ルッキズムを進んで受け入れるように
誘導するメッセージとして読み取られた
広告だということです。

〈グローバル展開する企業は
「子どもの人権を守る」という徹底すべき人権尊重の
ポリシーにそぐわない表現が、
ブランドイメージを致命的に損なうことを認識して
迅速に対処することが当然視されている〉


そこまで読んだときに
私は自分の思い込みに気がついたのです。

「なぜモデルが女の子なんだろう」

モデルに女の子を使うことは
よくあるというか、当たり前すぎて
疑問を持たなかったのですが
なぜこの場合モデルが男の子ではないのか…。

同じくらいの年齢の男の子に
「注目のファッションを着て、人目を引け」
とキャッチコピーをつけても
よかったのではないか…

しかし、男の子では「何考えてるんだ」
という意見もあるかもしれない。

つまり
小さい男の子がかっこいい服装で
人目を引いてどうする?

外見のことにとらわれず
学校では勉強に身を入れなさい。
くらいは言われそう。

女の子がモデルだったことにまったく
疑問も違和感も感じなかった自分を
発見したのです。

女の子は小さい頃から
かわいらしい外見であることを
求められているのです。
私にそのことを気づかせてくれました。


これ以外にも無意識のジェンダーバイアスを
教えてくれるCMがあります。


AC JAPAN ジェンダー平等 CM 「聞こえてきた声」篇 15秒



私はこれをラジオCMでときどき
聴くことがありますが
初めて聴いたとき
自分の性別役割についての思い込みを
知らされて、ビックリしたものです。


夕食を作っているのは ・・・・・お母さん
部下の資料に目を通しているのは・・・・・ 男性
レストランで支払いをするのは・・・・・男性
パイロットの夢を語るのは・・・・・男の子


長い間思い込んできた性別役割を
少しづつ変えていかないと
女性が輝く社会になっていかないし
それは男性にとっても閉塞感のある
不自由な社会であるはずです。





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神宮外苑の再開発

2023年09月13日 | 社会問題
2023/09/13


神宮外苑に
大規模な再開発が進められています。





三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興センター
伊藤忠商事が主体となって
世界に誇るスポーツクラスターをつくること
緑やオープンスペースを増大させることなどを
掲げています。


秩父宮ラグビー場と神宮球場の敷地を入れ替えて
それぞれ建て替えるほか
190メートル、185メートルの
超高層ビルを建てるなど商業開発も行う計画。

その過程で大量の樹木が伐採されるのです。
743本が伐採される見通し。

事業は3月に着工しており
完了は2036年の予定。


再開発エリアにある樹木は
高さ3メートル以上の樹木1904本のうち
743本を伐採し、256本を移植
886本を保存する計画です。


観光名所の銀杏並木は残されるけれど。



プロジェクトのサイト

私はこの計画のことは昨年知ったのですが
最初はあまり気に留めていませんでした。

ですが、著名な人たちが
見直しの声を上げるので
気にかかるようになりました。


坂本龍一さんが亡くなる前に
「神宮外苑の開発は
とても持続可能なものとは言えません。
これらの樹々を私たちが未来の子どもたちへ
手渡せるよう計画を見直すべきです。
あなたのリーダーシップに期待します」
とつづった手紙を小池知事宛に送っていました。


村上春樹さんや加藤登紀子さん、細野晴臣さんらも
見直しを求める声をあげています。


サザンの桑田佳祐さんも
坂本龍一さんの思いを受け止めて
曲を作っています。






それらの訴えが功を奏したのか
「東京都は12日、事業者の三井不動産や明治神宮など4者に、神宮第2球場周辺の樹木の伐採を始める前に、伐採本数を減らすなど樹木保全の具体策を示すよう要請した。伐採は月内にも始まる可能性があるが、都が「待った」をかけた形となった。」
との報道がありました。



都が働きかけてくれて
よかったと思いますが
もう既に動き出しているプロジェクト。

今後どうなるんでしょう。

木を伐採しないとしても
大きな樹木を抜いて移植するのは
大変な手間がかかりそう。

そもそも移植に耐えられるのでしょうか。

新たに植えるにしても
小さな木でしょうから
1本の木が今のような大きさに成長するのには
どのくらいかかるのでしょう。


自然に囲まれた所で育った私は
ビルとアスファルトばかりの街に住んでいると
緑がとても恋しくなります。

都市に緑があるということは
とても大切なことなんだというのを
最近特に感じるようになりました。


いったん都市の森をなくして
ビルを建ててしまったら
もうそこは何百年も
森が生まれないと思います。


明治神宮の森は約100年前の大正4年(1915年)
森の姿を想定して
人工的につくられたもの。

多様性(種類)、多層性(高さの違い)に重きを置き
人の手をほとんどかけず
自然の力によって世代交代を繰り返し
永続する自然の森を目指して
本多静六が中心となって設計したものです。


明治神宮に参拝すると
うっそうとした深い森に
とても心が落ち着きます。





100年前に作られた人工林であることを
知ったときには驚きました。


これからの姿は
都市にも森を作っていく方向では
ないでしょうか。









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