こ と の 端

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広 域 停 電

2012-05-20 07:43:10 | Weblog
電気は増やして使うもの

電源が小さいものであればあるほど

増幅されて

出力されるそのエネルギーは

量質共に高くなる

電気を発生させたその差の分だけ

発電効率(起電力)は高まる

増幅効果と増殖効果とを併用すると

とりたてて

資源を必要としないエネルギーシステムが

そこに生れ出る

これまでの電力供給システムは

おしなべて

獲得した知識を活かそうとしてこなかった

その結果

地球は否応なしに

温暖化する道を選びとらざるを得なかった


地下資源を燃やす方式である現在の電源システムは

熱電変換の効率がとても低い

有害な成分である二酸化炭素まで

必然的に生成させる

地球が温暖化するようになったのは

不合理なエネルギーシステムを

文明が採用した

というその点に帰因する


火力発電所で作られた電力は

常に一定の発電を続けていることを義務付けられる

発電機の回転数が

電力の量と周波数とを同時に決めている

消費が大幅に減った深夜でも

発電所では

安定した回転状態を

発電機に保たせておかなければならなかった


回転数が減少すれば

発電出力は下がり

周波数も同時に低下する

交流電流の品質は

発電機の回転数と磁束密度に依存する

回転軸には永久磁石が貼り付けられており

磁極のNとSとが作る磁界に

化石燃料を燃やして得た熱による

運動エネルギーを与え

回転力で磁場を変化させることにより

磁界から電流を引き出している

磁場と電場とはふたつでひとつ

このことは電場からでも

磁場変化が取り出せる

ということを示していた


熱は地下資源を燃やすことによって得られ

水がつくる蒸気を圧縮して

蒸気タービンに

一定の速度で回転するための

安定した高熱と運動エネルギーとを

与え続けることで

周波数を安定に

維持させている


磁場変化の割合が大きければ大きいほど

発生する電力は高くなる

発電機の回転数が高ければ高いほど

そこに誘導される起電力は

高くなる


この意味で50ヘルツの交流よりも

60ヘルツの方が

起電力を与える効率というその点に於いて

20%優れている


地場変化は発電機の中だけでなく

変圧器の内部でも生じている

電流はその進行方向に対して

時計回りに磁場を展開させている

この事実を最初に見出したアンペールは

それを

右ネジの法則と呼んだ

磁場の展開が

ねじ回しを右に回す方向になっていたからである


電流が流れている導体には

磁場変化が常に付随する

この特徴を利用すると

強い電流を導体に流してやれば

その磁場変化から

別のあたらしい電流を

同じ強さで

生み出せる

ということを伝えていた

誘導法則はその事実を

論理の形で

ファラデーに大系づけることを許した


電圧は導体の延長距離

つまりコイルの長さで決まるため

できるだけ小さく

大量の導線を巻くことで

強い磁場を作り出すことが可能になる

磁場変化を生み出す側のコイルに流れている電流が

励磁電流であり

共有する磁場に置かれたもうひとつのコイルに発生する側の電流を

誘導電流と呼ぶ


励磁電流を繰り返し活用すると

誘導電流をその数の分だけ増やせる


電信柱を繋いでいる配電線では

このような仕組みが採用されている

単一の電流を繰り返し再利用することによって

どこまでいっても電流を誘導するその仕組みが

日本全国

津々浦々の

至るところにまで

残る隈なく

及んでいる


変圧器は誘導電源としての役割を果たしている

電気抵抗を受けて電流が減衰しても

励磁コイルの延長距離を長くすることによって

磁束密度を高くするだけでなく

電圧までをも

高めることがうまくできている


配電線が家庭で使う電灯用電力の

安定的な輸送を円滑に担っている

そこには発電機などを介在させる余地はない

電気を増やして使うことが

電流が流れるコイルによって

ちゃんとできている


電灯用電力の需要地には

100ボルトの電圧をもつ

単相の単線だけがあればよい

配電系統が広域停電の原因となることは

従ってあり得ない

より高い電圧を制御する変電所で

産業用電力の需要が急増した時にだけ

ブラックアウトが発生する

その状態はそれほど長く続かない


広域停電の影響を受ける立場の電灯用電力の消費者が

節電を強いられるのは不合理なこと

電力会社の収入も当然減る

この損失を補うために

電力料金の値上げが計画されている

この異常さをこそ先に知るべきだ


電力のピークは夏の最も熱い時期

どこで広域停電が起きたのかが判れば

電力を分岐させている方法を改めることができる

変圧行程をもう一段増やすだけのことで

電気を増殖させる効果が簡単に引き出せる


最も重要なのは

どこでブラックアウトが起きたのか

というその事実を確定させる

ということなのだ

そのプロセスは

電力供給システムがもつ欠陥を

あらわにして見せるためにも必要な手順

広域停電を恐れていては

劣った仕組みを保守することになるばかり

進化することは絶対に ない
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