こ と の 端

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生 者 必 滅

2014-05-11 09:45:22 | Weblog
公共工事というものに

経済を成長させる能力

がまだある

と思うべきでは

もう

あるまい


かつての神通力は

失せた


経済を成長させる公共工事とは

それをすることによって

人とものの移動が

新たに生まれる

ときにのみ

有効なものとなり得る


インフラが既に完備されている現況で

既存の設備を

どれほど更新していったところで

新規の需要が

新たに

生まれでるようなことは

ない


劣化してしまった公共財が

天候異変で

二次災害を生まないようにする

程度の補強工事に

どれほど多くの資本を投入したところで

後ろ向きの投資

にしかなりようがない


有効需要に結びつかない公共工事というものは

新規の需要創出に寄与する能力それ自体がなく

二次災害を回避するための

保険

の役割しか果たせない


失われた20年と呼ばれていた時代の

公共工事には

経済を牽引するに足る

需要の創出能力が

おしなべて

欠けていた


効果のない対策を連ねていながら

現実の貧しさを見ようとせず

根拠の乏しい

希望としての経済回復を

ただ待ちわびていた

だけ

そんな暮らしが

もう

20年以上にわたって

続いている


円安効果を享受できるのは

輸出産業に連なる

系列を為す企業に過ぎず

国民の大多数は

理不尽なインフレ誘導政策に

苦しみ喘ぐ

ことしかできずにいる


高度経済成長期となっていた

ベルエポック

と呼ばれる過去の一連の華々しい実績から

公共工事が経済成長に重要だ

とする理解で

専ら実効性を検証することなく

公共工事の類が

精力的に実施され

それによる累々たる損失の山が

国の借金を

きわめて

膨大な規模のものへと押し上げた


損失にしかならない公共工事であったからこそ

国の債務である借金が

嵩んでいく一方となったのであり

累積債務の総額が

20年ほどの間に

1000兆円超

という規模にまで

短期間で

膨らんでしまうこととなったのだ


これまでのように

経済に寄与することができる

公共工事であったのなら

人とものの移動に伴う

新規の需要が直ちに発生していなければならず

それによって需給関係は大いに刺激され

財の移動が

帯同して活発化

するようになっていた筈だ


所期の効果が不在の政策を

実施していたその期間のことを

失われた20年と呼ぶ

経済成長は停滞し

デフレ効果で経済は委縮し

時の経過とともに疲弊していった

国家予算は増大する一方のままとなり

歳出欠陥をより一層募らせて

はかばかしい効果が何一つ得られないまま

相変わらず

不毛な投資を繰り返し続けることで

国会と国民とが

共に満ち足りている

という錯誤の時代がやってきた


このような状態が続けられていたのだったからこそ

経済は一向に浮揚せず

環境は劣化の一途を

邁進するようになっていた

過去に産み落とした損失の合計が

国の累積債務の規模の巨大さに

あらわれている


国会には問題認識能力それ自体がなく

国民の血税を

党益と省益の確保のために

専ら予算化する

という展開を繰り広げ

違和感なく

最善を尽くしたと思い込んでいる

これほど愚かな行為は

ほかに例えるものがない


日銀は単年度の一般会計予算と同等規模の流動性を

市中へと意欲的に供給し

円安効果を導くことを決定したが

それによって輸入物価は

おしなべて上昇し

国民は消費増税の実施に

折悪く遭遇し

可処分所得をひたすら失っていき

需要創出となるべきところを

需要消失へと反転させた

企業は金融緩和で

内部留保に執着する義務を解かれ

設備投資を進めながら

労働分配率の改編に

取り組むことが可能となった


株式市場は資本を集約する機能を

既に失ってしまい

マネーゲームの主戦場と化すばかり

パワープレイヤーたちが跋扈跳梁し

善意の一般投資家が持ち寄った資本を

金融資本に

ただ

持ち去らせるがままに放置した


政府系の投資ファンドが株価を高値に誘導すると

対抗勢力が引き上げられた株価を

意図的に引き下げ

それぞれの傾斜で

有利な条件となるタイミングで

売買を繰り返しながら

利益の獲得競争を

世界中で展開するようになっている


この変化が顕在化したことによって

国の富を金融資本の所有へと帰せしめることが

ゲームの主眼目となり

資本効率を競うための市場が

金融資本によって

効率よく運営されるようになっている


こうして国際収支から

健全性を奪い去らせるようになっていき

株式市場は経済指標としての役割を夙に失い

金融資本供の暗躍する市場を創設して

尤もらしい説明をして

したり顔で

経済を云々する輩を増やしている



日本の株価には

重い天井



金融資本の手によって

夙に

設定されている

上値の重い状況が

アベノミクスがロケットスタートで発進して以降

ずっと

つづくようになっている

この状態が

国家の損失

とその安定的増加

を意味しているということに

気付く人は

まだ

少ない


金融当局が事実関係を承知していたのであれば

富の漏出を放任していたということになり

反対に

承知することができていなかったのであれば

認識能力の欠如と

それによる意図的な怠慢が

富の海外への移転を黙過させ

国民から豊かさをひらすら奪う

という展開を盤石なものにする


当事者のすべてが

国際的な略奪の主犯

であったということになる

とてもシンプルな はなし なのだ


ドルの過剰流動性はあらゆる通貨へと姿を変えた後

為替差の傾斜を利用して

最終的に円市場を経て

元の姿であるドルへと

戻され

投資家へと

獲得した利益を

効率よく

還元するための原資となり

無辜のドル通貨

へと戻すことにより

一切の罪咎を浄化し

はれて解放された身分へと

ドルの価値を復権させる


もとを糺せば

地下資源と陳腐化した米国製の兵器を

世界中が輸入することで

生み出した

ドルに対する

特徴的な偏り



経済不均衡と

環境劣化の

共通原因となっていた


文明が地下資源を消費し続けている限り

気候の変動と貧困の蔓延は

とまらない


だが

地下資源を消費しない

エネルギーモデルが登場する時代になると

状況は一変する


その方法は複数ある

ドルの需要を低下させれば

ドル余り現象はおきない

世界標準となる基軸通貨は

どこかの国のローカル通貨

であってはならない


特定のバイアスが通貨価値間に発生すると

1%のための利益を

99%が底辺で支える

という構造から抜け出せなくなる

現状が既にそうなっている


環境負荷のないエネルギーモデルは

エネルギーコストを最低下させ

あらゆる地域で

自給自足体制を成り立たせ

国際収支に健全性を呼び込む

基礎となる


問題の所在を文明が見失っていると

人類の生息環境は劣化し

生命を維持するための麗しい環境は

失われてしまうことになる


地球には寿命がある

太陽系の惑星は

恒星がエネルギーを失い

膨張していったその果てに

赤色巨星となる過程のどこかで

軌道ごと

取り込まれて恒星の一部とならざるを得ず

冷えて錆びついた

一つの死んだ星となる

定め

45億年後の地球は

太陽の一部へと

取り込まれている


温暖化を放置しているのであれば

21世紀中に

生命は環境の変化に

適応することが

できなくなる


未来の宇宙に待ち受けているものとは

すなわち

静謐

だけである
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