知識をただ横ざまに
押し広げるだけの量的拡張
を目指してきたこの国の高等教育は
知識を掘り下げることに割くための
時間を惜しむことから離れられずに
思考することで得られる
愉悦というべき発見の喜び
を国民から奪い去り
持ち合わせの薀蓄を
傾けることで
座を盛り上げ
鬱積を晴らす機会を
探し求めて流離う習慣
を教育の高等化で
一様に身に着けた
現状の拙さこそ
その何よりの結果なのだ
教育投資の有効性を探り出そうとして
本質へと迫る探査の努力を怠る
理由へとスタンスを代えてきた
さまざまな意味のないこれらの行為
を黙過することでやり過ごそうとして
限りある時間を
意味のない知識獲得のために専ら使い
自らの身を窮屈な制度へと適合させ
ストレスを増幅する結果
にしかならない
無効な解を手探りし
無益な成果を掘り出しては
自慢する
時代がこうして
文明社会へとやってきた
この変化の実在を
当事者だけが
何故か未だに気づかない
教育の欠陥は
最早ここまで進んできている
止まらない温暖化と
有効需要の創出に
悉く失敗し続ける
という無駄な公共投資を積み重ね
その結果である税収不足を
歳入欠陥だと思い込み
増税で補填しようと謀り
消費税率を制御することで
財務体質の劣化を埋め合わせようとした
アベノミクスの失敗を認められないまま
漫然と下り坂を転がってゆく生活に
理由なく満足しているその姿は
いかにも あはれ
教育投資から有効性を失ってきた
これまでの無思慮な経緯が
公共投資の失敗に気づかない
官僚と選良との合作を
長期間温存させてきた
失われた拾年が
倍の二十年となっただけでなく
更に三十年へと引き伸ばされようとしている
思考力の不在がバブル経済を生み落し
判断能力を失った
空蝉の如き
空虚で大量の無意味な知識
に基づく誤った決断の連鎖が
バブル経済を最初に潰し
今に至る
経済の長期低迷を
国民へと押し付けた
考える力が残されていたのであれば
バブル経済を生み落した
ドルを基軸とする
世界規模に拡大した
資本のメカニズムを
防遏する程度のことは
おそらく
難なくできていた
その先例はタイバーツを巡る
過去のやりとりに残されている
この国の指導的立場にある全員は
止まらない円高の訳を悟りもせず
流入してきた外国籍の資本に
日本市場を易々と明け渡し
土地神話に基づく利益獲得法で
巨額の富を吸い上げながら
株式市場で得た利益をそこに上乗せし
円の通貨価値が高くなっているその傾斜を利用し
相対的に値を下げたドルを
その差の分だけ多く手に入れ
投資家一同に還元する
という行為で利益の効率的な
最大化を図っていた
バブル経済を崩壊させるある規制措置が
新年度から実施に移されることが決まった
その年の最初の株取引で
株価の下落が始まっていた
その意味を推し計ることなく
土地投機にウツツを抜かしていた
欲の深い国内の投資家気取りの連中が
その後の三か月間で
傷口をより大きくする行為に執着し
バブル経済が破裂したことを
長期間理解することができずに
土地投機を続けていた
ということが
失われた拾年を日本経済史へと
生み落すその契機となった
日本のバブル経済は
土地神話に基づいた価値の保証
が投資から投機へと至る過程
で内発的に生じたもの
土地を買っておきさえすれば
寝かせている間に値段があがり
売却する段階で
大きな利益が楽に得られる
という市場環境が資産効率を高めていた
銀行に預金を積み上げているよりも
遥かに高い利益が
売却益として
確実に得られていた
そんな時代が
バブル経済と呼ばれていた
このサイクルを断ち切ったのが
政府による
不動産融資の総量規制の実施
であった
政府与党を含む国会の成員すべては
この措置が生むことになる負
の効果を紛れもなく見くびっていた
総量規制の実施で
土地を仕入れるための
銀行からの融資に天井が設定されたことにより
土地を新たに購入する際に
銀行からの借り入れができなくなる限界
が俄かに設定されてしまったのだった
この効果の意味を
政策立案に関わった当事者全員
がまったく理解できていなかった
その状態は現在も尚
続いている
総括を行わない限り
経済認識能力の復活は
延々と先送りされるのみ
銀行借り入れができなければ
自己資本で対応する以外に
有効な手立てはない
そこで手持ちの資産を売却せざるを得なくなり
不動産市場で土地の売り物が俄かに増えた
上昇の一途を辿っていた不動産価格に
この総量規制がブレーキを掛けることとなり
土地の価格は規制措置が始まった
90年四月の終わり頃迄には
軟弱化しはじめていた
状況を認識できていなかった
欲の深い投資家たちは
土地神話を頑なに信じ込み
価値の下がりだした不動産を
強気で買い進める行為を
疑うことなく
熱心に続けていた
エコノミストがバブルの崩壊
を92年以降察知することができてからも
尚
変化の意味を理解できずにいた
欲に目の眩んだ投資家たちが
土地の中間在庫の積み増しを
熱心に進めていた
という過去の事実
が損失による被害を
より甚大なものにした
国民の多くが真実に気づいたときには
資産効果だったものは既に失われており
価値はたちまち反転し
逆資産効果と呼ばれる
負の経過が
市場を支配するようになっていた
資産効果で
土地を寝かせておくだけで
富を生んでいたメカニズムが
土地を持っているだけで
損失がどんどん膨らんでいく事態となり
売却を急がなければ
損失が巨大化する
という状況へと
バブルを煽っていた勢力は
悉く追い落とされる結果となった
投資家だけでなく
実需で不動産を購入した罪のない人々も
担保価値が目減りして
銀行から欠損を埋めるための返済
を急がされ
損失が生じることを承知の上で
売却せざるを得なかった
これを貸し剥がしと呼ぶようになった
不動産を保有しているだけで
財産の価値が勝手に減っていく
この逆資産効果というものが
消費意欲を減退させ
守りの消費に徹することを強制し
GDP成長率に影響を与え
消費税が5%へと高められた年から
日本経済にデフレ基調
が舞い降りるきっかけとなった
この問題を理解できずにいる指導体制が
公共投資で経済の再興を図れると過信して
日本版ニューディール政策を打ち出し
300兆円規模の政策投資を
96年度予算で実施してからも
問題の所在を見失っている指導体制は
有効な打開策をその後も打ち出せないまま
失われた二十年へと突入し
最新の経済政策となったアベノミクスで
異次元規模の金融緩和を実行する
という大博打ちを打ったものの
案に相違してまったく機能しない状態が
現在まで続いている
インフレ率を横滑りさせたまま
引っ込みがつかない状況へと
自ら進んで嵌りこむ
結果へとそれが繋がった
アホノミクスと呼ばれる所以である
この経済政策で流動性供給を
毎年80兆円ずつ増やし続け
四年目となった去年の段階で
既存の135兆円だった通貨供給量に
四年分320兆円を上乗せして
455兆円規模へと増やしておきながら
意味のある経済効果を
未だに引き出せずにいる
という不毛な結果を
受け止められずにいる
このお粗末ぶり
政府日銀が国の経済に
一貫して有効需要を与えられずにいる
という現実を
指導階層に蔓延する思考力の不在
という認識能力の欠如
が確定させる事態となった
これが教育の高度化が
この国と国民のすべてに
与えている粗末な現実
の根源となったその経緯
判断の誤りを生んだのは
知識の量的拡大に特化した
高等教育のあり方
に潜む未解決の課題
だったのである
教育制度を見直すことができさえすれば
問題の本質は
合理化を経て消え去る
知識で人格や能力の差
を計ることは
無論できない
知識の使い方をみることこそが
ヒトと国家とを
世界の指導者へと
押し上げる
唯一の手段
判断を誤ったことに
30年たっても気づかないようでは
国家の自立など
到底覚束ない
夢の亦夢
押し広げるだけの量的拡張
を目指してきたこの国の高等教育は
知識を掘り下げることに割くための
時間を惜しむことから離れられずに
思考することで得られる
愉悦というべき発見の喜び
を国民から奪い去り
持ち合わせの薀蓄を
傾けることで
座を盛り上げ
鬱積を晴らす機会を
探し求めて流離う習慣
を教育の高等化で
一様に身に着けた
現状の拙さこそ
その何よりの結果なのだ
教育投資の有効性を探り出そうとして
本質へと迫る探査の努力を怠る
理由へとスタンスを代えてきた
さまざまな意味のないこれらの行為
を黙過することでやり過ごそうとして
限りある時間を
意味のない知識獲得のために専ら使い
自らの身を窮屈な制度へと適合させ
ストレスを増幅する結果
にしかならない
無効な解を手探りし
無益な成果を掘り出しては
自慢する
時代がこうして
文明社会へとやってきた
この変化の実在を
当事者だけが
何故か未だに気づかない
教育の欠陥は
最早ここまで進んできている
止まらない温暖化と
有効需要の創出に
悉く失敗し続ける
という無駄な公共投資を積み重ね
その結果である税収不足を
歳入欠陥だと思い込み
増税で補填しようと謀り
消費税率を制御することで
財務体質の劣化を埋め合わせようとした
アベノミクスの失敗を認められないまま
漫然と下り坂を転がってゆく生活に
理由なく満足しているその姿は
いかにも あはれ
教育投資から有効性を失ってきた
これまでの無思慮な経緯が
公共投資の失敗に気づかない
官僚と選良との合作を
長期間温存させてきた
失われた拾年が
倍の二十年となっただけでなく
更に三十年へと引き伸ばされようとしている
思考力の不在がバブル経済を生み落し
判断能力を失った
空蝉の如き
空虚で大量の無意味な知識
に基づく誤った決断の連鎖が
バブル経済を最初に潰し
今に至る
経済の長期低迷を
国民へと押し付けた
考える力が残されていたのであれば
バブル経済を生み落した
ドルを基軸とする
世界規模に拡大した
資本のメカニズムを
防遏する程度のことは
おそらく
難なくできていた
その先例はタイバーツを巡る
過去のやりとりに残されている
この国の指導的立場にある全員は
止まらない円高の訳を悟りもせず
流入してきた外国籍の資本に
日本市場を易々と明け渡し
土地神話に基づく利益獲得法で
巨額の富を吸い上げながら
株式市場で得た利益をそこに上乗せし
円の通貨価値が高くなっているその傾斜を利用し
相対的に値を下げたドルを
その差の分だけ多く手に入れ
投資家一同に還元する
という行為で利益の効率的な
最大化を図っていた
バブル経済を崩壊させるある規制措置が
新年度から実施に移されることが決まった
その年の最初の株取引で
株価の下落が始まっていた
その意味を推し計ることなく
土地投機にウツツを抜かしていた
欲の深い国内の投資家気取りの連中が
その後の三か月間で
傷口をより大きくする行為に執着し
バブル経済が破裂したことを
長期間理解することができずに
土地投機を続けていた
ということが
失われた拾年を日本経済史へと
生み落すその契機となった
日本のバブル経済は
土地神話に基づいた価値の保証
が投資から投機へと至る過程
で内発的に生じたもの
土地を買っておきさえすれば
寝かせている間に値段があがり
売却する段階で
大きな利益が楽に得られる
という市場環境が資産効率を高めていた
銀行に預金を積み上げているよりも
遥かに高い利益が
売却益として
確実に得られていた
そんな時代が
バブル経済と呼ばれていた
このサイクルを断ち切ったのが
政府による
不動産融資の総量規制の実施
であった
政府与党を含む国会の成員すべては
この措置が生むことになる負
の効果を紛れもなく見くびっていた
総量規制の実施で
土地を仕入れるための
銀行からの融資に天井が設定されたことにより
土地を新たに購入する際に
銀行からの借り入れができなくなる限界
が俄かに設定されてしまったのだった
この効果の意味を
政策立案に関わった当事者全員
がまったく理解できていなかった
その状態は現在も尚
続いている
総括を行わない限り
経済認識能力の復活は
延々と先送りされるのみ
銀行借り入れができなければ
自己資本で対応する以外に
有効な手立てはない
そこで手持ちの資産を売却せざるを得なくなり
不動産市場で土地の売り物が俄かに増えた
上昇の一途を辿っていた不動産価格に
この総量規制がブレーキを掛けることとなり
土地の価格は規制措置が始まった
90年四月の終わり頃迄には
軟弱化しはじめていた
状況を認識できていなかった
欲の深い投資家たちは
土地神話を頑なに信じ込み
価値の下がりだした不動産を
強気で買い進める行為を
疑うことなく
熱心に続けていた
エコノミストがバブルの崩壊
を92年以降察知することができてからも
尚
変化の意味を理解できずにいた
欲に目の眩んだ投資家たちが
土地の中間在庫の積み増しを
熱心に進めていた
という過去の事実
が損失による被害を
より甚大なものにした
国民の多くが真実に気づいたときには
資産効果だったものは既に失われており
価値はたちまち反転し
逆資産効果と呼ばれる
負の経過が
市場を支配するようになっていた
資産効果で
土地を寝かせておくだけで
富を生んでいたメカニズムが
土地を持っているだけで
損失がどんどん膨らんでいく事態となり
売却を急がなければ
損失が巨大化する
という状況へと
バブルを煽っていた勢力は
悉く追い落とされる結果となった
投資家だけでなく
実需で不動産を購入した罪のない人々も
担保価値が目減りして
銀行から欠損を埋めるための返済
を急がされ
損失が生じることを承知の上で
売却せざるを得なかった
これを貸し剥がしと呼ぶようになった
不動産を保有しているだけで
財産の価値が勝手に減っていく
この逆資産効果というものが
消費意欲を減退させ
守りの消費に徹することを強制し
GDP成長率に影響を与え
消費税が5%へと高められた年から
日本経済にデフレ基調
が舞い降りるきっかけとなった
この問題を理解できずにいる指導体制が
公共投資で経済の再興を図れると過信して
日本版ニューディール政策を打ち出し
300兆円規模の政策投資を
96年度予算で実施してからも
問題の所在を見失っている指導体制は
有効な打開策をその後も打ち出せないまま
失われた二十年へと突入し
最新の経済政策となったアベノミクスで
異次元規模の金融緩和を実行する
という大博打ちを打ったものの
案に相違してまったく機能しない状態が
現在まで続いている
インフレ率を横滑りさせたまま
引っ込みがつかない状況へと
自ら進んで嵌りこむ
結果へとそれが繋がった
アホノミクスと呼ばれる所以である
この経済政策で流動性供給を
毎年80兆円ずつ増やし続け
四年目となった去年の段階で
既存の135兆円だった通貨供給量に
四年分320兆円を上乗せして
455兆円規模へと増やしておきながら
意味のある経済効果を
未だに引き出せずにいる
という不毛な結果を
受け止められずにいる
このお粗末ぶり
政府日銀が国の経済に
一貫して有効需要を与えられずにいる
という現実を
指導階層に蔓延する思考力の不在
という認識能力の欠如
が確定させる事態となった
これが教育の高度化が
この国と国民のすべてに
与えている粗末な現実
の根源となったその経緯
判断の誤りを生んだのは
知識の量的拡大に特化した
高等教育のあり方
に潜む未解決の課題
だったのである
教育制度を見直すことができさえすれば
問題の本質は
合理化を経て消え去る
知識で人格や能力の差
を計ることは
無論できない
知識の使い方をみることこそが
ヒトと国家とを
世界の指導者へと
押し上げる
唯一の手段
判断を誤ったことに
30年たっても気づかないようでは
国家の自立など
到底覚束ない
夢の亦夢