こ と の 端

散文でロジックを
環境 経済 エネルギー 電気 教育 などの "E" に関するちょっと気になったこと

自 業 自 得 ⑤

2017-04-23 09:00:49 | Weblog
防衛力を強化するために

核実験を行わなければならない

とする北朝鮮に特有の

弱者の論理が

どん詰まりへと導いた

逃げ場のない状況は

北朝鮮の核

が兵器として未完成

という状態にあることを

いみじくも

よく伝えるものとなっている


戦術核としての完成度が高まる

その前に

危険極まりない装備などは

事前に潰しておく

というのが

アメリカのタテマエ


次の地下核実験が

実施されたとき

何らかの

具体的変化が起きる

ということになるだろう


核の脅威が

深刻なもの

へと格上げされるようになったとき

既に

手遅れ

という事態が確定する


そうなる前の早い段階で

核のもつその威力の凄さを

最もよく承知しているアメリカが

危険を取り除こうとするのは

誰にでも分かる

当然の道理


既存の核保有国にとって

情勢の変化は

最も避けるべき

因果な事態

へと競りあがる


小規模な地下核実験

を成功させてみたところで

核保有国になった

と自画自賛すること自体

あまりにも

拙劣

核兵器開発を急ぐなら

秘密裏に

兵器化を推し進め

完成度を十分に高めておいてから

十分な規模の

デモンストレーションを行うか

または

イスラエルがそうであるように

核の保有を

否定も肯定もしない

というスタンスで

身構えるかの選択

を行うのが防衛の筋


実証試験を繰り返し行い

潜在能力の顕在化

を急ぐ

というのがその通則


イラク戦争がそうであったように

大量破壊兵器の実戦配備は

米軍が攻撃するための

大義名分として

公然たる正当化の手段

としてNATO軍の組織化

を図るための目的として利用された

だが

根拠不在の偽りの情報に基づいて

イラク進攻作戦へと突入したアメリカは

中東地域から独裁政権を排除したものの

カリスマ不在の政治状況が

地域の安定性を取り除く経過を生み

ISの跋扈を許す結果を

自らが依拠した強者の論理で

民主化を後退させることとなり

宗教的独裁を

逆に引き寄せることに寄与した

とする皮肉な結果を連れてきた


アメリカに固有の強迫神経症という病は

世界を混乱させながら

力による統治の復権を

多くの国家群に

認めさせてきた


一触即発の状況下で

当事国双方が

どう変化するか



将来を方向づける

その行方

が定まる


東アジアに安寧が訪れるなら

米軍の軍事予算を増やす理由

の意義は半減する

軍産複合体制にとって

必要不可欠な敵

の予期しない欠如

という状況の唐突な出来は

アメリカの防衛予算に

縮減するための圧力

という反作用を与え

軍産複合体制の脆弱化

へと繋がってゆく


ソ連が唐突に自己崩壊した直後

湾岸戦争がアメリカ主導で開始され

その経過が米国民に

増税を強いたことにより

パパブッシュは一基四年で退いた

クリントン政権が登場し

なにはともあれ

二期八年で

膨大な規模の双子の赤字を消し去り

財政収支を黒字化させたのち

ブッシュジュニアの時代になったその年に

9.11による米本土への攻撃が敢行され

それが全米を報復感情で一杯にした


その年の暮れ

テロの首謀者を意図的に取り逃がしたこと

が起点となり

テロとの戦いをイラク戦争へと結びつけ

ブッシュジュニアの時代を通じて

戦費調達を原油相場の高値誘導で賄う

という変化が国際経済に

重大な悪影響を及ぼした


パパブッシュが得た増税実施の失敗に学び

イラク戦争では増税することなく

二期八年の任期を全うして

オバマ民主党政権と交代したものの

中東地域を却って

大いに不安定化

させただけでなく

地下資源の価値を高からしめて

ドルの発行益を増大させたそのツケが

リーマンショックとなって

世界中の市場を

大いに震撼させた

その事実が

経済史へと刻み付けられることとなった


シリア政府軍基地への精度の高い

ピンポイントの攻撃で

米軍の戦力を湾岸戦争の次に

アメリカは世界中に見せつけただけでなく

ISに対する最初の爆風爆弾の攻撃が

相次いで実施され

攻撃能力の高さと精度の高さとを

同時に北朝鮮へと見せつけたことで

強気だが幼稚な若い指導者に

事前の警告を与え

自重することの重要性を

認識させた


イラク戦争では拠点を持たない

テロ組織が対象であったことから

最強の軍事力を誇る米軍の

戦闘能力の高さが

発揮されることなく

ずるずると敗戦を公表する事態

へと最終的にアメリカは追い詰められた


土地に拘束された国家への攻撃なら

米軍の能力を

十分に発揮できるようになる

その警告の意味を

シリア政府軍基地へのミサイル攻撃

とISに対する新型爆弾の投下は

意味するものとなっていた


北朝鮮は言葉による応戦で

体裁を維持するだけとなり

口撃は強化されたが

対立する二国間の戦闘能力の差は

夙に明白なものとなっており

前提条件の違いをみれば

優劣の差は既に明らか

北の威圧は

弱点の在りかを

そのまま示す

不測の事態が起きる余地

はあるにせよ

趨勢の趣は

確定的


強者の論理は

優劣の差で

戦う以前に

勝敗が決まってしまう

折り合いのつけ方が劇的である

という点で

常に一貫しているものなのだ


判断能力に課題を残す第三の関係国が

恐れおののいて

深刻に慌てふためくその姿は

嘲笑の対象にしか

なるまい

臆病者の振る舞いは

その点で共通している


思考力を錬磨する機会を

知識の量的拡大で奪ってきた

高等教育のありよう

というものが

このような指導階層の狼狽ぶり

を生み出したその起源


唯一の戦争被爆国となったからこそ

日本は核をチラつかせる威圧に

屈してはならないのだが

現実は正反対

それこそが北朝鮮の指導体制の

思う壺


核を恐れる国は

核によって

真っ先に滅ぶ

勇気ある指導者たちは

先の大戦で玉砕する道を選び

臆病な指導者たちだけの国が

アメリカの庇護の下で

こうして誕生した

という経緯が日本の命運に

これからも作用する


知育偏重の教育システムは

批判精神を日ノ本の民すべて

から奪い去った

その点で

現在の指導体制の維持継続は

不健全なものとならざるを得なかった

ゆでカエルは

環境の異変にすら

まったく気付かない


これこそが

教育が失敗した

ことを指し示す

そのなによりの

有力な物的証拠


気高く勁き者のみが

世界を指導する権能を

末永く保持できる


ネイティブアメリカンの土地を侵略して

新国家となったアメリカが

被侵略者たちからの逆襲

を歴史的に惧れ

強迫神経症を業病として

授かった

臆病者は武器がなければ

外交交渉を何一つ進められず

また何事も為し得ない

という状況を自らの運命として

末永く抱え続けることとなる

世界を動かすための原動力は

アメリカに固有の

病的なまでの恐怖心

勇者は武器に頼らずに

問題を解決するが

臆病者は恐怖のあまり

最初に引き金を引いて

混乱を世に残す


すべての対立は

追い詰められた末の

力に頼る

臆病者の選ぶ道

へと繋がっている


国民の支持を失った指導体制は

悉く

歴史から抹消される

だけのこと

古来これを自業自得と呼ぶ
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