その浅薄な経済知識で
国の在り方を変えてきた
俗に
経済評論家と呼ばれていた
現在エコノミストと呼ばれている
誇り高き一群の殆ど
は
その昔
バブル景気を煽りに煽り
バブル崩壊が確定的となったとき
打ち揃って沈黙してしまい
貝のように
口を噤み
存在さえ不明な
海底の砂の中へと
一斉に身を隠し
今も尚その状態を続けている
その末裔がアベノミクスをもてはやし
国の状態を
自発的に貶めていた
バブル経済が潰え去った
ことが否定できなくなってからも
日本の知識階級の総て
は
長い間その事実を悟ることなく
ただ
おろおろと
俯いて
歩き回っている姿が
よく見受けられたものだった
この現実認識ができずにいた迷妄の時代
を後に不作為の三年と呼ぶようになり
初動に手を付けるのを
徒に遅らせていた
ということが
後の失われた十年
の端緒となった
その後の経済政策に於ても
バブル経済の発生と崩壊
に関する総括を行わないまま
96年度の予算で
公共投資を主体とする
三百兆円規模の財政出動
の実施へと踏み込んだ
経済低迷を齎した問題の所在
を今に至るまで
何一つ明らかにしてこなかった
という過去の経過が
その後の経済政策の悉く
を
当然のことながら
行き詰らせることとなり
国の財政は悪化の一途
を辿って
国の借金である赤字国債の発行残高
をそれ以降積み上げ続ける結果を生んだ
そして
先般ついに千兆円の債務規模
へと至らしめたとする事実は
増税圧力となって国民へと祟り
経済成長率をコンマ以下へと
長期間押し下げた
一連のこれら不毛な経過
に鑑みることができるなら
一切の責任は各種政策の立案と実施
に携わってきた国会の成員すべて
と
その拙い結果の幇助に関与した
官僚機構が共同で齎した
ということが直ちに分かる
総括を回避し続けてきた
というその姿勢が
アベノミクスの実施へと繋げた
ということなのであり
その認識に内包されていた
過誤
の関与に未だに気付けずにいる
という愚かなる顛末が
こうして
国民へと残された
国の現状は
選良と官僚とが
省益と党益を守ることを優先し
国益を蔑ろにしてきた
その酬い
要するに
それ以外の何物でもないのだ
考える能力があれば
バブル景気の発生機序が
プラザ合意にある
ということくらい
その一年後
となる86年秋までには
突き止められていた筈のこと
判断能力に瑕疵があったのだったからこそ
問題の所在を理解できずに
理由のない円高
という常套句を多用し続けて
総括する機会を
蒙昧な認識で
失い続けて現在へと至らしめた
バブル経済が崩壊したその訳は
不動産融資の総量規制の実施だったのであり
それが閣議で了承された
89年十月以降
国際金融資本と投資ファンドの一群は
株式市場から撤退するタイミングを見定め
施行に移される三ヶ月前の
大発会で株価の暴落を引き起こすこととなり
資本の回収を図ると同時に
土地の売却益の確保へと
猶予期間が満了する前までに
過度な円安(ドル高)を回避しながら
円滑に資本の移動を行い
損失の発生から
免れることがうまくできていた
バブル崩壊で
巨額の損失を蒙ったのは
国内の投資勢力のみだった
四月一日に施行されたこの総量規制は
外国人投資家には既に明確な形で見えており
国内投資家と不動産業界
及び建設業界をはじめとする
実需の土地バブルを推進してきた組織
と楽に儲けようと謀っていた国民のすべては
土地神話は永遠につづく
と根拠なく盲信したまま
海外資本が手放した売り物を競って手に入れ
中間在庫の拡大を
欲に駆られて急ぎ
売れ残りを生まない市場の維持
に率先して関与した
総量規制が天井を設定することとなり
需要が高まっても
新規購入するための資金が足りず
やむを得ず手持ちの不動産を
一旦売却しなければならなくなった
その結果一方的に高められていた地価は
90年四月の終わり頃までには
軟化しはじめるようになっており
次第に下げ足を速めていた
土地神話を盲目的に信仰していた
貪欲な国内の投資勢力一同は
価値の下がり始めた不動産を
好機とばかりに買い進め
傷口をより一層深いものにしてしまった
資産価値が減少したことで
銀行融資の不良債権化が進み
銀行は担保割れした貸付金の回収を
急がざるを得なくなり
取り立てを急ごうとするその姿勢が
貸し剥がしと呼ばれて
社会問題化することとなったのである
不良債権を抱え込んだことに気付いた
土地所有者は
持っているというだけで
それが勝手にどんどん値下がりしてゆくさまを目にし
切歯扼腕しながら
ただ傍観することを強いられた
資産価値を下げ続けるようになった住居を
売却することもできず
価値を急減させた不動産を買ったことを悔やみつつ
無意味な返済を
せっせと続けざることしかできなくなっていた
こうした経過が国民から
豊かだった資産を取り上げ
それによる可処分所得の減少を速め
消費市場を冷え込ませていたところへ
折あしく実施された
消費税を2%引き上げて
5%へと高めた増税措置が
消費意欲をますます圧迫し
インフレ経済からデフレ経済へと
引きずり落とす経過を生んだ
国の経済を
ひとしきり劣悪化させたその理由
など
愚か極まる国会以外の
どこにも存在してはいないのだ
無知な選良が
インフレ経済を手放して
デフレ経済を連れてきた
その現実を招いた己の責任
の意味にさえ
未だにまったく気付かない
というこのありさま
アベノミクスが成功する筈は
はじめから
なかったのである
問題認識能力の差
というものが
経済成長の新記録を遂げていながら
実感の伴わない
空疎な経過を
国民生活をデフレへと突き落としただけでなく
景気拡大を
分散矮小化させていたのだった
実感のない景気の拡大は
有効需要の創出に失敗してきた
経済政策の結果として
国会へと与えられたもの
当然の報酬というものだった
教育の高度化が
知識の量的拡大へと特化し
思考するための大切な時間を惜しみ
知識の意味を斟酌する効果
を台無しにしただけでなく
批判精神を失わせて
判断能力を劣化させ
権威筋からの具体的な指示
がなければ行動することもできない
という
所謂指示待ち世代の再生産
を強力に推し進め
虚ろな権威主義で
国会を誘導する勢力に
国の未来を託してきた
ということが
上意下達の見本
となった忖度を
今年の流行語候補へと押し上げ
総理の意向(威光)をチラつかせて
初期の成果の実現を
力によって加速させていた
とする事実が
国民の知る所となった
頂点に立ったその直後に
地獄の入り口が
大きく開く
憲法の改正を急ぐ姿勢を詳らかにした直後
教育関連の複数の行政措置が
諸刃の剣となって
攻撃の対象を変更し
自らの身へと
襲い掛かるようになる
政権の選択に失敗した
事実を悟った国民が
次の段階で
行き過ぎた権威主義に対して
平衡を取り戻すこととなる
失われた三十年
が成り立つその前に
正しい判断に基づく
有効な政策が
経済を賦活する時代の到来
を
国民のひとり
としてひたすら
庶幾う
のみ
国の在り方を変えてきた
俗に
経済評論家と呼ばれていた
現在エコノミストと呼ばれている
誇り高き一群の殆ど
は
その昔
バブル景気を煽りに煽り
バブル崩壊が確定的となったとき
打ち揃って沈黙してしまい
貝のように
口を噤み
存在さえ不明な
海底の砂の中へと
一斉に身を隠し
今も尚その状態を続けている
その末裔がアベノミクスをもてはやし
国の状態を
自発的に貶めていた
バブル経済が潰え去った
ことが否定できなくなってからも
日本の知識階級の総て
は
長い間その事実を悟ることなく
ただ
おろおろと
俯いて
歩き回っている姿が
よく見受けられたものだった
この現実認識ができずにいた迷妄の時代
を後に不作為の三年と呼ぶようになり
初動に手を付けるのを
徒に遅らせていた
ということが
後の失われた十年
の端緒となった
その後の経済政策に於ても
バブル経済の発生と崩壊
に関する総括を行わないまま
96年度の予算で
公共投資を主体とする
三百兆円規模の財政出動
の実施へと踏み込んだ
経済低迷を齎した問題の所在
を今に至るまで
何一つ明らかにしてこなかった
という過去の経過が
その後の経済政策の悉く
を
当然のことながら
行き詰らせることとなり
国の財政は悪化の一途
を辿って
国の借金である赤字国債の発行残高
をそれ以降積み上げ続ける結果を生んだ
そして
先般ついに千兆円の債務規模
へと至らしめたとする事実は
増税圧力となって国民へと祟り
経済成長率をコンマ以下へと
長期間押し下げた
一連のこれら不毛な経過
に鑑みることができるなら
一切の責任は各種政策の立案と実施
に携わってきた国会の成員すべて
と
その拙い結果の幇助に関与した
官僚機構が共同で齎した
ということが直ちに分かる
総括を回避し続けてきた
というその姿勢が
アベノミクスの実施へと繋げた
ということなのであり
その認識に内包されていた
過誤
の関与に未だに気付けずにいる
という愚かなる顛末が
こうして
国民へと残された
国の現状は
選良と官僚とが
省益と党益を守ることを優先し
国益を蔑ろにしてきた
その酬い
要するに
それ以外の何物でもないのだ
考える能力があれば
バブル景気の発生機序が
プラザ合意にある
ということくらい
その一年後
となる86年秋までには
突き止められていた筈のこと
判断能力に瑕疵があったのだったからこそ
問題の所在を理解できずに
理由のない円高
という常套句を多用し続けて
総括する機会を
蒙昧な認識で
失い続けて現在へと至らしめた
バブル経済が崩壊したその訳は
不動産融資の総量規制の実施だったのであり
それが閣議で了承された
89年十月以降
国際金融資本と投資ファンドの一群は
株式市場から撤退するタイミングを見定め
施行に移される三ヶ月前の
大発会で株価の暴落を引き起こすこととなり
資本の回収を図ると同時に
土地の売却益の確保へと
猶予期間が満了する前までに
過度な円安(ドル高)を回避しながら
円滑に資本の移動を行い
損失の発生から
免れることがうまくできていた
バブル崩壊で
巨額の損失を蒙ったのは
国内の投資勢力のみだった
四月一日に施行されたこの総量規制は
外国人投資家には既に明確な形で見えており
国内投資家と不動産業界
及び建設業界をはじめとする
実需の土地バブルを推進してきた組織
と楽に儲けようと謀っていた国民のすべては
土地神話は永遠につづく
と根拠なく盲信したまま
海外資本が手放した売り物を競って手に入れ
中間在庫の拡大を
欲に駆られて急ぎ
売れ残りを生まない市場の維持
に率先して関与した
総量規制が天井を設定することとなり
需要が高まっても
新規購入するための資金が足りず
やむを得ず手持ちの不動産を
一旦売却しなければならなくなった
その結果一方的に高められていた地価は
90年四月の終わり頃までには
軟化しはじめるようになっており
次第に下げ足を速めていた
土地神話を盲目的に信仰していた
貪欲な国内の投資勢力一同は
価値の下がり始めた不動産を
好機とばかりに買い進め
傷口をより一層深いものにしてしまった
資産価値が減少したことで
銀行融資の不良債権化が進み
銀行は担保割れした貸付金の回収を
急がざるを得なくなり
取り立てを急ごうとするその姿勢が
貸し剥がしと呼ばれて
社会問題化することとなったのである
不良債権を抱え込んだことに気付いた
土地所有者は
持っているというだけで
それが勝手にどんどん値下がりしてゆくさまを目にし
切歯扼腕しながら
ただ傍観することを強いられた
資産価値を下げ続けるようになった住居を
売却することもできず
価値を急減させた不動産を買ったことを悔やみつつ
無意味な返済を
せっせと続けざることしかできなくなっていた
こうした経過が国民から
豊かだった資産を取り上げ
それによる可処分所得の減少を速め
消費市場を冷え込ませていたところへ
折あしく実施された
消費税を2%引き上げて
5%へと高めた増税措置が
消費意欲をますます圧迫し
インフレ経済からデフレ経済へと
引きずり落とす経過を生んだ
国の経済を
ひとしきり劣悪化させたその理由
など
愚か極まる国会以外の
どこにも存在してはいないのだ
無知な選良が
インフレ経済を手放して
デフレ経済を連れてきた
その現実を招いた己の責任
の意味にさえ
未だにまったく気付かない
というこのありさま
アベノミクスが成功する筈は
はじめから
なかったのである
問題認識能力の差
というものが
経済成長の新記録を遂げていながら
実感の伴わない
空疎な経過を
国民生活をデフレへと突き落としただけでなく
景気拡大を
分散矮小化させていたのだった
実感のない景気の拡大は
有効需要の創出に失敗してきた
経済政策の結果として
国会へと与えられたもの
当然の報酬というものだった
教育の高度化が
知識の量的拡大へと特化し
思考するための大切な時間を惜しみ
知識の意味を斟酌する効果
を台無しにしただけでなく
批判精神を失わせて
判断能力を劣化させ
権威筋からの具体的な指示
がなければ行動することもできない
という
所謂指示待ち世代の再生産
を強力に推し進め
虚ろな権威主義で
国会を誘導する勢力に
国の未来を託してきた
ということが
上意下達の見本
となった忖度を
今年の流行語候補へと押し上げ
総理の意向(威光)をチラつかせて
初期の成果の実現を
力によって加速させていた
とする事実が
国民の知る所となった
頂点に立ったその直後に
地獄の入り口が
大きく開く
憲法の改正を急ぐ姿勢を詳らかにした直後
教育関連の複数の行政措置が
諸刃の剣となって
攻撃の対象を変更し
自らの身へと
襲い掛かるようになる
政権の選択に失敗した
事実を悟った国民が
次の段階で
行き過ぎた権威主義に対して
平衡を取り戻すこととなる
失われた三十年
が成り立つその前に
正しい判断に基づく
有効な政策が
経済を賦活する時代の到来
を
国民のひとり
としてひたすら
庶幾う
のみ