こ と の 端

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身 中 の 錆

2020-03-22 06:58:12 | Weblog
世界中の火力発電所と原子力発電所とで

実施されている共通のその方法は

蒸気発電

発電方法それ自体は同じだが

熱源はまったく異なる


火力発電は化石燃料とされる

石油や石炭

そして天然ガスを燃やして得た熱

で蒸気をつくり

これに圧力を加えることで

重い発電タービンを

高速で回転させている

熱エネルギーを取り出すための基礎資源は

炭素と水素を中心とする

炭化水素と呼ばれている化合物


その代表的存在がメタン

CH4という記号で示される

化合物


メタンを燃やすと

空気中の酸素O2が関わって

炭素CはCO2となると同時に

水素HはH2Oへと変化する

そこで生じたH2Oは

炉内の高熱で

液体ではなく気体

排煙筒から大気圏内へと

最終的に放出される


この段階で地上に存在していなかった水

が新たに生みだされ

地球のもつ水の絶対量を増やしている

CO2が一つできたとき

H2Oは倍の二つ作られる

この反応は氷山氷河が融けたことで

液体となった水の量を人知れず高め

冠水する地域を想定外の速さで

広範囲に生み出している


地下資源を燃やして作られている

これら二種類の気体は共に

温室効果ガスに分類される

熱を保存するという

その特徴的な性質は同じなのだが

熱を移動させる方向は正反対で

上下方向に分断されている


CO2は質量が空気より重いため

大気圏へと放出されたあと

地表に向かって降下する

これに対して水蒸気

は空気より軽いため

大気圏へと放出されたあと

空へと昇って雲となる

この雲のもつ保温効果で

冬の放射冷却を防ぎ

一定の気温を地表に保つ


温室効果能力を保持するためには

ガスが大気圏内に留まっている

時間が長くなっていなければならない


CO2が気化した結果として生じる

ドライアイスの白煙は

下に降りてゆくことしかできない

そこで生じた白煙の行方を追えば

古い記憶

をだれもがすぐに思い出す

ところが

この程度の基礎的な知識さえ

国連の高等文官たちは

要素化していなかったのだ


そのために効果のない事が

よく知られている

CO2を削減しようとし始めた

そして

膨大な規模に達するそのための

資本と時間

を無駄に費やすこととなり

しかも大気中のその濃度を

自らの錯誤によって

高め続けている事態から

抜け出せなくなってしまった

何とも愚かなことである


高等教育を長期間受け続けると

このように

莫迦で愚鈍な知識人

へとヘンゲする

結果として判断を誤ったまま

修正することもできず

気候変動リスクを

すべての生命体へと押し付けている


CO2はとりわけ水に溶け易い

この特徴的な性質が

大気中のCO2濃度を

たった400ppm(百万分の四百個)

という値を与える経過を生んだのだ

この比率にあるその違いには

相変わらず誰もまったく気づいていない


重いCO2が海へと落ちたとき

そこで保持していた熱を放出し

自らは水和して

海水へと紛れ込む

この基本的な性質をもつ

ということについても

IPCCは無頓着でありつづけ

まったく関心を示したことがない


一旦間違った確信を握り締めると

矯正することができない

共通の症状が出現し

更に間違った方向へ向かって

進み続ける

方向感覚が機能しなくなり

見当識を失って道を誤る


知識階級が一斉に陥った変化

に気付いた子どもたちが

王様は裸だ

といって騒ぎ始めたのだが

どうすることもできない

問題の本質に気付かない限り

気候変動は止まらずに

悪化の一途を

この先も辿りつづける


気候危機を発生させたその原因は

CO2ではなく

同時排出されている

高熱を帯びた大量の水蒸気


河口付近で温泉卵がすぐできる

のと同じ理由で

蒸気には高い熱が宿っている

できた蒸気を機械的に圧縮すると

蒸気機関がそうであるように

その圧力でとても強い力を生み出せる

重い発電タービンを高速で動かすためには

蒸気に高い圧力を掛ける必要があった

100℃で沸騰する液体だった水は

気体となって蒸気に変わる

蒸気となっって熱が高まり

2000℃を超えてしまうと

遠からず熱分解して

元の原子へと戻される


液体の水にはないこの熱特性が

水蒸気の状態になったとたんに

生み出される

電力会社が求めているのは

高い熱では決してなく

タービン翼を高速で回すことができる

程度の蒸気圧

風力発電と原理に於いて

そう変わらない

高い圧縮熱など

電力会社にとって

有害なだけ


地下資源を燃やして

熱エネルギーを取り出すと

メタンは元素へと分解され

大気中の酸素と結びつき

CO2とH2Oを同時につくる

気体となった水は蒸気

蒸気は冷えると液体に戻る

こうして地球には

なかった水が新たに溜まり

絶対量をゆるやかに増やし続ける


メタンを燃やせば燃やした分だけ

どんどん水が増えてゆく

この反応は不可逆的であり

分解することは可能だが

電気か熱のエネルギーを別途

必要とすることとなる

このため収支としては

一方的でとても不合理

だから自然界では

水蒸気爆発や水素爆発でしか

起き得ない


こうして海岸線の縮小が

メタンを燃やしたことによって

どんどん進み続けて戻らない


H2Oはとても安定な化合物

簡単には分解しないので

そのまま地表に残り続ける

地球が水の惑星

とそう呼ばれるようになったのは

水の持つ特性がそうさせたもの


水が不安定な化合物であったなら

酸素と水素は勝手に離れ

酸化物や水化物となって

大気成分の比率を変えていた


地球に備わっている

この麗しい環境は

水によって与えられた賜物なのだ

人類はその水を気化させて得た

蒸気を放出して地表を温め

その行為が

雲を作って掛け布団とし

温室効果で放射冷却を妨げ

冬の寒さから守っている


上空で寒気と遭遇したとき

蒸気は凝結凝固したのち

液化する

重さを得て落下する雨となり

地表へと舞い戻ることを繰り返す


この雨が植物を育て

CO2を介して炭酸同化作用を促し

大気圏の低層を占める空気圏に

新鮮な酸素を供給し

朝の空気をおいしいものにする

早朝の空気が清々しく難じられるのは

新鮮で豊かな酸素を

直物が生みだしたことによる


このH2OとCO2に過剰な熱

を与える火力発電を行うようになった

という文明の歴史が

温暖化することを地球に急がせた


火力発電所の排煙筒から吐き出された蒸気が

上昇して天に昇ってゆくその過程で

位置エネルギーを獲得することとなり

雨となって落下したあと

水力発電で電気を生んだり

堤防を決壊させたりしただけでなく

流体エネルギーとなって

山を崩すこともあれば

川を堰き止め水を氾濫させる

異変を

引きおこすこともある

至る所で水害を発生させ

気候クライシスを

俄かに発現させるようになったのは

他ならぬ第一当事者

となっているニンゲンども


電気を作ろうとして

作った熱エネルギーを電気エネルギーにし

水と二酸化炭素をだけでなく

窒素酸化物NOx

や硫黄酸化物SOxなども

同時に副製させてきた

大気の78%は窒素であり

21%が酸素で構成されている

硫黄は石炭に多く含まれている


蒸気を加圧したことで

必要のない圧縮熱

を無駄に与えることとなり

CO2に加えて蒸気という

二種類の温室効果ガスを複合させ

熱の保持力を一層高める

同時生成したその他の酸化物共々

排煙筒から大気圏内へと

火力発電所が放出している

原発は閉鎖系であることから

廃熱だけが海水の温度を高める


脱硫装置を用いても

窒素酸化物は減らせない

大気圏を複合状態で温めて

各種の環境異変を生みだしてきた

そのすべてはニンゲンの恣意


これらの経過が温暖化現象を加速して

気候変動を引き起こし

気象条件から安定性を取り上げ

さまざまな異常気象を押し付けて

自然災害をより一層狂暴化させている


電力会社は圧力をかけた蒸気を

回転タービンに吹き付けることで

発電機を回転させ

電力を引き出して

広く安定供給することで

確かに文明社会に役立ってきた

だがそのことが環境を虐げて

持続可能性を最終的に

文明から取り上げることになる


起きているのは要するに

こういうこと

蒸気を圧縮する過程で

圧縮熱が発生し

気化した水の温度は

一定の比率で高くなる

電力会社にとって必要なのは

熱ではなく

タービンを回転させるための蒸気圧

この圧力を高めてゆくと

圧縮熱が自動的に生じて

蒸気の温度を次第に高める


圧縮比を上げれば

圧縮熱は否応なしに高まる

蒸気発電という方法では

圧力強化によって生じる

熱の高度化

というその随伴現象を

避けることがどうしてもできない


こうした理由で火力発電所が存続する限り

大気圏で生じる高温の蒸気がもつ

温室効果能力を次第に高めることとなり

大気に熱を供給しつづけることで

温暖化という現象を現代に導いた

このプロセスに

CO2は関わっていない

重い気体である二酸化炭素は

自力で天空へと昇ってゆくことが

つまりできない


自分の頭で考えなければ

見えて然るべきものが

まるで見えない

こうして判断を誤ったことにさえ

気づけない
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