こ と の 端

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画 期 の 壁

2020-03-29 04:33:04 | Weblog
2019年 暮

中国大陸で突如として

姿を顕した新型コロナウィルスは

いまや

世界中に蔓延してしまった


37、5度に達する発熱の有無

がウィルス性肺炎の判断基準となっている

ヒトの平熱を36,5度とするなら

僅か一度の温度差

しかそこにはない


このたった一度という

僅かな熱の違いが

ウィルスを増殖させるか

終息させるか

の転換点となっている

ヒトがウィルスに打ち勝つためには

発熱状態が数日間

つづいたあと

自然に平癒する

のを待たねばならない

薬が存在していないからである


熱を高めてウィルスに対抗する

人体に仕込まれているその仕組み

が免疫機構として

遺伝子レベルで働いている

発熱状態が伝えているのは

この新型ウィルスの熱耐性は

それほど高くない

ということ


肺炎に冒されてしまうと

40度前後の高熱

が数日の間つづく

人体は体温を高めることで

外的であるウィルスに打ち勝ってきた


38度を超えた熱は

悪寒を生じ患者の身体を

小刻みに震わせる

だが今回の新型ウィルスは

そこまで体温を高めていない

ウィルスの弱点はここにある

通例の肺炎なら

悪寒が続いている間

体温は高くなったまま

二三日

強いサムケ

に襲われていなければならない

だが

新型コロナウィルスの場合

微熱と呼べる程度の体温上昇

しか引き起こしていない


ヒトの免疫系がもつ

異物に対する防衛能力が

高熱を発することで

ウィルスとの戦闘を有利にする


熱と湿気に弱いウィルスが

自らのウィークポイントである

ヒトの体温を高めることなど

考えられない


発熱という変化は

ウィルスを攻撃するために

生体防御反応として

免疫系が出動したことを示すアカシ

ウィルスが発熱を引き起こしているのなら

自らの勢いを自らの活性が失わせる

という不合理な状態が出現する

発熱は生体が行っている防衛反応

であることは明らか


体温の上昇が数日間つづいたのち

平癒するというパターンが

インフルエンザの罹患から

回復へと至る道しるべ


ウィルスの活性を殺ぐための体温調節を

ヒトの持つ自然治癒力が発動する

というそれは暗喩となっていた

ウィルスの活性を殺ぐために

体温を引き上げて

敵であるウィルスを死滅させる

ための反応が発熱という症状


ウィルスを排除するために

必要なレベルの有効な熱

を免疫系が発生させるのだ

この生体防御システムが

このようにして起動したとき

インフルエンザの症状だ

と判定される


新型コロナウィルスに生命体が

打ち勝つためには

37、5度以上に体温を高めれば

見えない敵と

互角に戦える

ということになっている


この程度の低い熱

で死んでしまうウィルスであるのだから

42度以上の風呂に

長く浸っている時間を増やせば

戦闘状態を有利に進められるように

なっていてよい


37,5度の熱が五日程度続いてから

形勢は俄かに逆転する

という経過が

一般化している


42度の湯に浸っている時間

が長ければ長い程

ウィルスは衰弱し

やがて死滅してしまい

病態は回復過程へとシフトする


防疫体制を維持するために

マスクを再利用することにも

この熱特性を応用することができる

霧吹きで予め湿らせておいたマスクを

ビニール袋にいれて湯煎する

または封止しないで

蒸し器にいれて高温で加湿する

という方法も有効だ

高温で死滅してしまうウィルスなのだから

熱を人為的に与えることで

無害化することは十分に可能

電子レンジなら数秒で

事足りる


電子レンジの高周波は

24、5GHz(ギガヘルツ)

これは一秒間に

24億五千万回水素原子を共振させ

振動熱を与えるというプロセス

が発熱を導く

熱は原子の振動状態を意味する変化

物質がまったくない宇宙空間が

それ以下にならない絶対温度

0ケルビン(K)

となることを

約マイナス274℃が規定した


マスクに付着したウィルスを

電子レンジを使って死滅させてしまえば

マスクが売り切れていたとしても

防疫能力を再生する効果

を簡単に引き出せる


熱に弱いウィルスが

高温の環境で繁殖しつづける

などといことは

あり得ないことであるからだ


真夏の暑さはこのところ

40℃を突破することがある

この環境温度の中で

何日間も耐え忍ぶことできる

強靭なウィルスでない限り

高温多湿の日本に於いて

感染拡大を阻止できない訳がない


互いに相拮抗する力

が成り立っている関係性は

優位に立った側の方



アドバンテージが付与される


新種のウィルスは

新しいが故に

ワクチンが存在しておらず

既存の薬品などでは対応ができない

このため当初は宿主であるヒト

に寄生することで培養させ

勢力を拡大してゆく過程を必要とする

所謂集団感染という事態は

この相克する関係性を土台とする

仕組み

ワクチンを生体内で合成する

能力を利用したもの


この方法で八割方の患者は生き残り

免疫能力を獲得して

抗体という名の武器を手に入れる

残された二割は淘汰されるのだが

できた抗体は末永く維持され

翌年以降の感染確率を引き下げる


このようにして

ヒトが免疫能力を高めると

ウィルスの活動は

次第に沈静化して

やがて鎮まる


生命体とウィルスとの鬩ぎあいは

このようにして

有史以前から

優越性の確保を通じ

生体に宿る免疫機能を

着実に強化しつづけてきた


ウィルスは遺伝因子を変えることで

亜型へと変異する

それに対抗するための免疫システムが

その度に新たに作り替えられる

という循環型の関係を

免疫機構がしっかりと成り立たせ

いまがある


現段階でウィルスに対抗する方法は

免疫能力を獲得するか

または

人為的な加熱療法で攻めるか

の二つしかない

新薬が登場すれば

選択肢は三つに増える


ワクチンが供給されようになるまでは

感染力を封殺するための隔離

以外に

有効な方法はない


それまでの期間を

どう乗り切るか

ということが人類に

自然界が課したテーマ

来年には抗体をもつ人の数が大きく増え

感染症の被害はおおきく減る


このメカニズムを察知する

ことに繋がったワクチンの発見

に貢献したジェンナーの慧眼

に人類は何度も大きく救われてきた

免疫系の発見がなければ

地球の人口が増えることはなく

文明の進歩は

歩留まりに阻まれていたことだろう


インカ帝国の滅亡は

侵略者たちが持ち込んだ

疫病の所為だった

イースター島でも

同じ経過が観察された

ペストやコレラに対する

抗体を生む機会をもたなかった

というそのことが

ネイティブたちから

抵抗能力を失わせる結果へと繋がった

これが当時繁栄していた文明の滅亡

を最終的に導いたその起源


ルネッサンス期のイタリアでは

モンゴル経由で中國由来の感染症が蔓延し

被害を懼れた有閑階級の男女が

安全な土地へと非難して

無聊を慰めあうために

百の物語を

交代で語ったとする記録が

印刷写本となって残された

それがボッカチオのデカメロン

という書物


トリからヒトへと広がった

未知のウィルスが変異して亜種となり

亜型となって定着し蔓延する

という経過を

地表へと残すことを繰り返す


ブタブタ感染を通じて

ブタヒト感染を引き起こし

現状のヒトヒト感染へと発展し

感染爆発を至る所で引き起こす

このパンデミックの状況を設えた

ウィルスとニンゲンとの相克を通じて

多くの試練を乗り越え

地球上に人類が繁殖するようになり

結果として感染拡大の培地を広げた


ヒトという名の生命体は

免疫機構を遺伝形質として

獲得したことによって

現在へと至ったのだが

社会基盤となっている経済システムまでもが

今回のパンデミックで

再構築することを迫られる


耐熱能力の低いウィルスである

ということが

既にわかっている以上

有効な対策は数多くある

瞠目すべき機会を失うと

安閑と徒に過ごすだけとなり

見えて然るべきものを

それと知ることが

できなくなる


考えるための力は

そのために与えられている

生存のチャンスを見逃せば

感染死というピンチがやってくる


法則にはすべて

意味が籠められている
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