大判カメラ日記。

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熱海の町外れにある昭和を感じるお寿司屋さん。

2016年02月15日 | 熱海・湯河原・伊東

先日、熱海の町外れにあるお寿司屋さんに入店しました。開き戸を開けるとかなり年配の板前さんが「いらっしゃいませ!」と出迎えてくれました。このお寿司屋さんについては何の情報も無く、何となく入っただけでしたので取りあえず「上にぎりを下さい」とオーダーでした。「にぎり8かんと巻物になります」と言われて出されたのが写真のお寿司でした。板前さん曰く「ちょっと握りが緩かったかな?」と一言。口に運ぼうとすると確かに握りが緩くしゃりが崩れかけてしまいます。頭の中で「かなりの年配なので握りの腕が落ちているのじゃないかな?」と思ってしまいます。そんなお寿司を食べながらカウンターの奥に飾られている絵画を見ると「あれっ!」と驚いてしまいました。それはその絵画の下に『MASUO』とサインがあったからでした。そう熱海には画家・版画家でもあり作家としても有名だった池田満寿夫さんが1982年から移り住み、亡くなってからは池田満寿夫記念館が出来るほどの縁の地だったのです。年配の板前さん曰く「生前はよくお寿司を食べに来ていた常連さんで記念にこの絵画を頂きました」との事でした。昔の懐かしさが込み上げてきたようで「昔、この辺の熱海は何も無くて観光客の居なく静かだったせいか別荘を持っていた有名人が沢山来店していましたよ」とその後も俳優の丹波哲郎など大物俳優の逸話や、昨年の紅白歌合戦に出演した元レベッカ・nokkoの住居用の土地を紹介した事など面白おかしく話してくれました。それにしてもそれらの方々は皆「気持ち緩い握りの寿司」を食べていたのだろうかと、1かん1かん出されるお寿司を眺めながら聞き入ってしまいました。そしてこの時は確かにゆっくりとした昭和時代の時間が流れていたのを感じ取りました。もう一回くらい食べに行ってもいいかな・・・・。

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