オフィス内の整理をしていたら写真1枚目の写真家・近藤辰郎(故人)のプロフィール資料が出て来ました。近藤辰郎さんは2015年4月にご逝去されましたが、山岳写真家の巨匠として、更に愛称・コンタツおじさんとしても多くのファンから親しみ、慕われていました。また山と山岳写真の第一人者としてだけでは無くて、その素敵な風貌から雑誌や各企業のモデルとしても活躍されていました。ご自身でもその魅力について自覚されていたようで言動等にもその現れがあったと感じています。例えばこのご自身で用意されていたプロフィール資料ですが、他の写真家でこの様な資料を用意している人は誰も居ませんでした。ワイズではいろいろな写真家の肖像写真やプロフィール資料をまとめていたこともありますが、かなりの写真家から「木戸ちゃんのところに私の肖像写真があったよね」や「在る雑誌に出すのだけど私の肖像写真送ってくれない」などの要望がありました。当時の私の結論は「プロ写真家は他の写真は写すけど自身の写真は写さない(用意しない)」でした。そんな中、写真家の中で希有の存在が近藤辰郎さんで使途による自身の写真や資料を用意していたのです。写真2〜4枚目は懐かしきスナップですが、時と場所に応じて自身の写真映りを意識してポーズをとっていてくれたと思います。2枚目はワイズ一階店舗にてリンホフ社から頂いたカバンをお洒落に掛けてのダンディポーズで、3枚目は天狗平山荘前で集合写真ですが、先輩写真家である故・高田誠三さんと一緒なので真面目に直立姿勢でした(右から2人目は私です)。そして極めつけは4枚目写真で知床五湖でのスナップになりますが、私がカメラを向けると「ちょっと待ってな、木戸ちゃん」とヒグマ出没注意の看板を肩に掛けてのポージングでした。この様にTPOに応じて自身の立ち位置を理解して、自身を最善の状態で提案できる写真家はいない様に感じます。近藤辰郎さんとは沢山の仕事をご一緒して、プライベートでもお付き合い頂いて居ましたが・・・・もう一度一緒に何かをしたいと思う気持ちが一杯です。懐かしい資料を見付けて久し振りにコンタツおじさんの事を思い出しました。
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