野球少年は夢を見る…MLB篇

Major League Series 2022

最強左腕はニューヨークへ(スラッガー3月号)

2008-01-30 21:22:27 | Slugger
 14頁に「最強左腕サンタナの行方」。この号が発売された1月23日の時点でも決まっていなかったが、ようやく決着した。≪最強左腕≫ヨハン・サンタナ(ミネソタ・ツインズ)はニューヨーク・メッツへ! ボストン・レッドソックスでもニューヨーク・ヤンキースでもなければ、第三の選択肢は(自ずと)メッツになる。『SLUGGER』は「サンタナを獲得した球団が、すなわち真の勝者ではない」と予言するが……

 ボストンファンとしては、チームの<プロスペクト>(有望株)ジャコビー・エルスバリー外野手の「残留」を心から喜びたい。本人もホッと胸を撫で下ろしているそうだが、このエルスバリーと(ガンを克服した)若手左腕ジョン・レスター、あるいは昨シーズン、ルーキーで<ノーヒッター>を達成した本格派(右腕)クレイ・バックホルツ投手が放出される可能性があった。

 これも全て、松坂大輔獲得≪余波≫(効果)だろう。日本から大枚を叩いて獲得したお蔭で、先発(スターター)陣が充実して、無理をして≪最強左腕≫を獲得する必要が無くなった。
 だから、松坂の獲得に成功していなければ、このシーズンオフ、遮二無二サンタナ獲得に≪血道≫を上げていただろう。エルスバリーもレスターも(あるいは)バックホルツも失っていたかもしれない。こんなところにも松坂効果(余波)。有形無形に発生しているようだ。

 一方、ヤンキースも<プロスペクト>の右腕フィリップ・ヒューズ投手「放出」の決断を迫られたが、断腸の思いで≪最強左腕≫を諦め、若者の可能性(将来性)に懸けた。これも一大決断だった。ヤンキースの場合、松坂を獲得できていない。
(ポスティングで)松坂獲得に失敗した以上、サンタナ獲得に≪血道≫を上げるのが筋だったが、その筋を曲げてまでも、若者(可能性)を採った。この決断は≪吉≫と出るか≪凶≫と出るか……全ては若者の右腕に懸かってきた。

MLB=サンタナ投手、メッツへのトレードで合意(MAJOR.JP)

SLUGGER (スラッガー) 2008年 03月号 [雑誌]

黒田の広島時代の背番号は「15」(メジャーリーグ2月号)

2008-01-14 20:55:55 | Slugger
 一瞬、表紙(中央)は誰かと思ったら、テリー・フランコーナ監督(ボストン・レッドソックス)だった。左にイチロー(シアトル・マリナーズ)から首位打者(打率.363)を奪ったマグリオ・オルドニェス(デトロイト・タイガース)、右に元阪神タイガースのセシル・フィルダーの息子で、ナショナル・リーグ「本塁打王」(50本)プリンス・フィルダー(ミルウォーキー・ブリュワーズ)。……一般のファンからは誰も顔と名前が一致しないであろう、マニアックな選定だ。

 野球にマニアックな割には、ロサンジェルス・ドジャースに入団した黒田博樹のことを『背番号は広島時代と同じ「18」に決定している』と「とんでもない」紹介の仕方をしている。こんな間違いをするのは、テレビ東京(スポ・パラ)だけかと思ったら、野球の専門誌で「これ」。恥を知れっ。

 広島東洋カープの背番号「18」といえば、長年「エース」の座に君臨してきて、昨シーズン限りで引退した佐々岡真司氏。同じ右投手、佐々岡氏の後は、黒田が「エース」の座を継いだから、混同したのかもしれないが、それにしても……
 その黒田。獲得競争は、マリナーズとドジャースの一騎打ちになったが、春先や秋口に冷え込むシアトルよりも、温暖なロサンジェルスを選んだ。日本時代に<ヘルニア>に悩まされた斎藤隆が、ドジャースでの2年間に殆ど症状が出なかった。この事例を大いに参考にしたようだ。

 そして野茂英雄藪恵壹。野茂は昨年の10月17日からベネズエラに渡り、ウインターリーグに登板して、メジャーリーグ復帰を目指していたが(この時点では決まっていなかったが)、晴れてカンザスシティー・ロイヤルズとマイナー契約を結ぶことができた。
 一方、同じく39歳の藪は昨年の10月にアリゾナで数球団のテストを受け、見事サンフランシスコ・ジャイアンツからのオファーを得た。実はサンフランシスコは、FAでメジャー挑戦を決めたとき、一番プレーしたい希望の球団だったらしい。念願が叶った藪……

 しかし二人ともマイナー契約。スプリング・トレーニングの招待選手に過ぎない。これから、メジャーのチャンスを掴まなければならない。だが藪は1年間のブランクを感じさせない≪力強い≫ボールを投げていたらしいし、野茂も投手陣が非力なカンザスシティーでチャンスを貰える可能性は「ある」。
 この二人に桑田真澄(ピッツバーグ・パイレーツ)を加えて(何故か)39歳の同期生達が、メジャーのマウンドに再び立てることを夢見て、頑張っている。もう“功なり名を成した”偉大な3人だが、それでも≪夢≫は続いている……

野茂と桑田に届いた「招待状」の意味<菊田康彦>(MAJOR.JP)

Major LEAGUE (メジャー・リーグ) 2008年 02月号 [雑誌]

風はロイヤルズへ(スラッガー・2月号)

2008-01-05 21:43:09 | Slugger
 風はカンザスシティーへ……日本人メジャーリーガーの≪パイオニア≫野茂英雄が、ロイヤルズとマイナー契約。あの(北海道日本ハムファイターズ前監督)トレイ・ヒルマン「新」監督のいるロイヤルズ、薮田安彦(千葉ロッテ・マリーンズ)が加わったばかりのロイヤルズだ。これがメジャー(マイナーを含む)実に10チーム目。此処が安住の地となるか、それとも……? 

 タイムリーなことに(このSlugger・2月号で)「ヒルマン新監督はロイヤルズを強くできるの?」という特集記事がある。過去11シーズンで90敗以上が8回、そのうち100敗以上が4回と低迷を続けるカンザスシティー。昨シーズンも69勝93敗で(アメリカン・リーグ中部地区)最下位。ヒルマン監督には≪建て直し≫が期待されている。
 昨シーズン65試合に登板したブルペン(中継ぎ)エースのデヴィット・リスキーが、FAでミルウォーキー・ブリュワーズに移籍しており、薮田にはその≪穴埋め≫が期待されている。昨シーズンの岡島秀樹(ボストン・レッドソックス)のようなフル稼働(酷使)を覚悟しておいた方がいいだろう。

 そして黒田博樹(ロサンジェルス・ドジャース)。『Slugger』恒例の企画、メジャーリーグ某チーム現役スカウト部長による、本物の<スカウンティング・レポート>によって、3年3520万ドル(約38億7200万円)の男の≪力量≫が診断されている。
 松坂大輔(ボストン・レッドソックス)との比較論で、コマンド(狙ったスポットに投げる能力)は松坂より「上」の評価。スライダーのポテンシャル(潜在能力)が高く評価されていて、15勝、防御率4点台前半の予想を立てている。
 しかし、それでは、松坂の1年目と同じ数字ではないか? 黒田の持ち球(球種)の中に「シュート」が含まれていないし、このスカウト部長の目は≪節穴≫か? 逆に言えば、メジャー界隈では(未だ)黒田が<シュート>を投げることが「知られていない」のかも知れない。……これはお得な(!?)情報だ。

野茂がロイヤルズへ マイナー契約も招待選手(MAJOR.jp)

SLUGGER (スラッガー) 2008年 02月号 [雑誌]