野球少年は夢を見る…MLB篇

Major League Series 2022

さらば、パット・ボーダーズ!(29日・シアトル)

2005-07-31 21:07:43 | Seattle Mairners
 この人は一体、何回「戦力外通告」を受けたら気が済むのだろう。シアトル・マリナーズの42歳のベテラン・キャッチャー、パット・ボーダーズが、40人ロースター(登録枠)から外れた。昨シーズン途中、ミネソタ・ツインズに放出され、シーズンオフに解雇。今シーズンはミルウォーキー・ブリュワーズとのマイナー契約でスタートしたが、5月にシアトルに呼び戻された。

「同じ」42歳のベテラン・ピッチャー、ジェイミー・モイヤーとは「名コンビ」だった。若手キャッチャーのミゲル・オリヴォと呼吸が合わず、苦しんでいたモイヤーを「再生」させ、一定の役割を果たしたのだが……このボーダーズの「解雇」はこれだけでは終わらず、(トレードが噂されている)モイヤーにも波及するのかもしれない。
 イチローの「相棒」2番(レフト)ランディー・ウィンのサンフランシスコ・ジャイアンツへのトレードも決まった。シアトルはチーム解体の時期に入ったようだ。

 その若手キャッチャー、オリヴォもサンディエゴ・パドレスに放出して、シアトルのキャッチャーは「迷走」が続く。来シーズンはベテランのダン・ウイルソンが帰ってくるだろうが……シアトルに「正捕手」を! 打って守れる強力なキャッチャーが欲しい。日本駐在のスカウト・山本泰氏の手腕に期待したい。
 ……城島健司(福岡ソフトバンクホークス)、決断をしたのなら、迷うことなく、シアトルを選んで、チーム再建の力「要」になって欲しい、と思う。

野茂、夢の終着駅へ(27日)

2005-07-28 11:34:17 | New-York Yankees
 野茂英雄(前タンパベイ・デヴィルレイズ)の夢の終着駅は、少年時代に憧れた(阪神タイガースの)タテジマのユニフォームと同じ、ピンストライプのニューヨーク・ヤンキースになるのか? 松井秀喜がそうだったように、タテジマの“夢の続き”は、ピンストライプに行き着く……。“トルネード”と“ゴジラ”の夢の競演がニューヨークで見られる。これは楽しみ、だ。早くて30日(日本時間31日)のロサンジェルス・エンジェルス戦に先発するか? 
New York Yankees

藪プロ初セーヴ!(25日)

2005-07-27 12:59:16 | Oakland Atheletics
 藪恵壹(オークランド・アスレティックス)が25日(マカフィーコロシアム)のクリーヴランド・インディアンス戦で、メジャーリーグ初セーヴをマーク。日本の阪神タイガース時代もクローザー経験はないから、これがプロ初セーヴ。アマチュア時代もなかったかもしれないから、ひょっとしたら生涯初セーヴ? 地元紙の記者に尋ねられて、「僕は我慢強いからね」。

 日本のタイガースでエースに君臨し、36歳で海を渡って、メジャーに挑戦しながら、“モップアップ”(敗戦処理)のブルペン待機が続く藪。最近はチームの状態がいいから、“モップアップ”の出番さえ回って来ない。25日は10点リードの【7回表】から登板。3イニングスを1失点に抑えて、試合終了の握手をしたのだろう。「我慢」の日々は続く……
 チームは序盤の最下位「低迷」から一気に抜け出して、アメリカン・リーグ西地区首位のロスアンジェルス・エンジェルスに「5.0」ゲーム差まで詰めてきた。プレイオフ進出のチャンスが出てきた。藪の「我慢」が報われ、シーズン後半のデッドヒート、あるいはプレイオフでの「好投」が見られることを期待したい。

痛恨! フランク・トーマスのDL入り(22日)

2005-07-26 20:33:30 | Chicago White-Sox
 アメリカン・リーグ中地区(セントラル)の首位を快走する、シカゴ・ホワイトソックスの「3番」フランク・トーマスが再度のDL(故障者リスト)入り。これでプレイオフ(ポストシーズン)出場は絶望的になったか? ここまで34試合に出場して、打率.219、12本塁打、26打点。何てことない数字だが……彼の代わりには(ツープラトンで起用されている)カール・エヴェレットが「3番」に座ることになるだろう。しかし“ビッグハート”と尊称される彼の存在感が、ラインナップから消えることは、シカゴにとって痛手だ。

 21日からの(ホーム)ボストン・レッドソックス4連戦で「2勝2敗」の5分。「強敵」同士、ソックス同士がガップリ四つに組み合った熾烈な戦い、だった。プレイオフでの対戦が予想される両チーム。その決戦にトーマスの「不在」は響いてくるかもしれない。古傷(左足首痛)だけに長引くことが予想されるだけに……そういえば、このトーマスの古傷、2001年デビューのイチロー(シアトル・マリナーズ)の打球を処理した際に痛めたもの、だった。

石井6回零封の好投!(21日・ニューヨーク)

2005-07-22 13:06:10 | New-York Mets
 ニューヨーク・メッツの石井一久が21日、地元シェイスタジアムでのサンディエゴ・パドレス戦に後半戦、初登板にして初先発。6イニングスを無失点(4安打3三振5四球)に抑えて、久々(6月23日以来)の3勝目(8敗)を挙げた。例によってTV中継はなし。またしても石井の好投を我々・日本人は(フルに)観ることができなかった。果たして、今シーズン中に石井の好投を見ることができるのか? 意外に難しいことなのかもしれない。メッツは「12対0」で大勝! これで4連勝。石井はこれで次に「希望」を繋げた。地元シェイで好投できたのも大きい。

 それにしても、メッツは「高津に興味を示さず」って大きなお世話だと思う。ダニー・グレイヴスも獲得して、ブルペンがだぶつき気味のメッツ。現実味がなさ過ぎる。高津臣吾にはアリゾナ・ダイヤモンドバックスや(野茂英雄を斬った)タンパベイ・デヴィルレイズが必ずや獲得に乗り出すだろう。日本人ファンはシーズン途中の「解雇」や「戦力外通告」に慣れていないから、気を揉むが、メジャーリーグでは珍しいことではない。こういうことにも慣れなければ……早く決まってほしいが。

高津「解雇」の後日談(18日・シカゴ)

2005-07-21 21:29:42 | Chicago White-Sox
 シカゴ・ホワイトソックスのオジー・ギーエン監督も親友のホアン・オリーベも何故か、高津臣吾のことを「チンゴ」と呼ぶ。そのオリーベが、高津が去った(その日の)試合で【7回裏】貴重な6点目を挙げる7号ホームラン! 高津の姿を探すように、レフト後方のブルペンへ叩き込んだ。「球場に着いたら、チンゴ(臣吾)のロッカーに何もなくてびっくりした。言葉は通じなくても、心は通じ合っていた。良い友達だったよ。僕たちがもう少し、たくさんホームランを打って後押しさえしていれば…」と、自分を責めるように話していた好漢ウリーベ。

 “MR.ZERO”の高津のTシャツを手に取りながら、寂しそうな目をした女性ファンの写真も見た。シカゴのファンに愛されていた高津。あの日本人独特の下手投げ(アンダースロー)は野球の「本場」メジャーリーグのファンさえも唸らせたのだろう。その美しいフォームに魅了されたのだろう。
 36歳で迎えたメジャーリーグ2年目。相手チームも研究してくるし、自身の体力の衰えとの闘いもあった。その両面で高津は今シーズン、上手くいかなかった。試合で投げるたびに打ち込まれていた、スプリングトレーニングのときから既に兆候は現れていたのだが、シーズンに入っても「修正」ができなかった。果たして「修正」は可能なのか? 他球団もそこを考えあぐねているのだろう。

さらば、シカゴ!(18日)

2005-07-19 11:58:51 | Chicago White-Sox
 高津臣吾もシカゴ・ホワイトソックスから解雇、戦力外通告を受けた。このチームにはまだ井口資仁がいるから、「さらば!」とは言えないが、高津はシカゴを離れることになるだろう。“フィールド・オブ・ドリームス”の地に最初に選んだ街、シカゴ。しかし2年目を全うできずに、この街から去ることになった。16日の野茂英雄(タンパベイ・デヴィルレイズ)に続いて、日本人投手の解雇が相次いでいる。二人とも36歳。年齢の壁があったか? 同じ成績なら若手を登用したい首脳陣の考えが優先された。次は藪恵壹(オークランド・アスレティックス)か? (契約上)それはない、と思うが。

 高津の場合、解雇される前に他チームへのトレードの話が持ち上がっていた。サンフランシスコ・ジャイアンツやアリゾナ・ダイヤモンドバックスの名前が挙がっていた。ブルペンの層が薄い、この両チームが恐らく獲得に名乗りを挙げるだろう。同じくニューヨーク・ヤンキースも考えられるが、GMの能力に問題があるだけに、獲得は見送るのだろう。左腕ダレル・メイは兎も角、ティム・レデイングを獲得して、即スターター(先発)をさせる見識は疑わざるを得ない。

さらば、デヴィルレイズ!(16日)

2005-07-18 13:26:36 | Tampa-Bay Rays
 ある程度、予期されていたことではあったが……野茂英雄がタンパベイベイ・デヴィルレイズから解雇、戦力外通告を受けた。前日(15日)のトロント・ブルージェイズ(ロジャースセンター)戦で2回(3/2)7失点KO。これが決定打になったか? これが最終テストだったか? 地元トロピカーナ・フィールドでは強かった(4勝1敗、防御率3.91)野茂だが、敵地では1勝7敗、防御率10.32。ローテーションを崩して、ホーム専用に投げるわけにも行かず、また最終テストの地になったカナダ・トロントは以前から相性の悪いスタジアムだった。

 これでデヴィルレイズにサヨナラ。このチームは2004年に来日して、日本のファンにも御馴染みになっていて、今シーズンから野茂の所属チームになり、尚一層日本のファンへの浸透が深まったのだが、これで終わり。野茂の切れ目が、縁の切れ目、だ。ルー・ピネラ監督ともお別れ、だ。シアトル・マリナーズ時代から佐々木主浩(現・横浜ベイスターズ)、イチロー、長谷川滋利の良き「理解者」だったが。この「決断」もピネラ監督の意思ではないと思うが、別れのときはやってきた。

 野茂の次の行き先はどこか? 日本に帰ってくることはありえない。東北楽天ゴールデンイーグルスやオリックスバファローズに戻れば、話題になり、先発ローテーションも任されるだろうが、そんな道は選ばないだろう。そんな野茂の「こだわり」。それが(もはや)球威の落ちた右腕とデュオを奏することができるか? 野茂は(もはや)自分のことだけを考えてはいないだろう。後に続く人たちのために「精一杯、頑張る」。そんな野茂の「想い」は必ず報われるだろう。あの「NOMOベースボールクラブ」のように……。

ダン・ミセリ初陣(30日・ブッシュスタジアム)

2005-07-17 22:18:18 | New-York Mets
 日本から戻ってきてから、豪邸を購入したという、ダン・ミセリ。【7回裏】「5対0」でリードしたコロラド・ロッキーズの2番手で登板。セントルイス・カーディナルスの5番スコット・ローレンに初球ファストボール(92MPH)が高めに浮いて、ボール。2球目のチェンジアップ(82MPH)で手堅く「1-1」。3球目も同じ球(84MPH)で空振り「1-2」。4球目のスプリット(83MPH)はワンバウンドして、「2-2」。5球目のチェンジアップ(83MPH)でファウルを打たせ、最後はファストボール(92MPH)で空振り三振! 日本(読売ジャイアンツ)時代にこんな速球、見たことない!

 6番マーク・グルジラネックに初球チェンジアップ(84MPH)でストライク。2球目スプリット(82MPH)で空振り! このピッチングが何故、日本で通用しなかったのか? 3球目も同じ球(80MPH)でファウル。4球目の速球(93MPH)で詰まらせて、センターフライ。早くも2アウト。

 そして3人目に対するは、背番号「99」日本人・田口壮。初球(92MPH)はボールの後、2球目のチェンジアップ(82MPH)が甘く入ったところを田口に捉えられて、レフト前ヒット! 魅入られたように真ん中に入ってきた。やはり、日本人は苦手か、ミセリ? この後、8番ヤデイアー・モリーナの3球目に田口が盗塁! 揺さぶられるミセリ!! この後、モリーナを歩かせて、動揺するミセリ。2アウト1,2塁のピンチを招くが、代打エイブラハム・ヌニョスをセカンドゴロに討ち取って、事なきを得た。

MLBオールスターゲーム(12日・コメリカパーク)

2005-07-14 13:59:45 | All-Star Game
 イチロー(シアトル・マリナーズ)への声援が多いのには驚いた。もはやMLBのステータスの一人。日本のメディアはいつまでも松井秀喜(ニューヨーク・ヤンキース)を上、イチローはその次にカウントしたがるが、それは笑止なことだと思う。
 それにしても、ケニー・ロジャース(テキサス・レンジャーズ)へのブーイングは気の毒だった。先月末にカメラマン2人に暴行した件で出場辞退も考えられたが、「過去の失敗を償うために、ここに来た」。しかし、それはとても辛いことになった。アメリカン・リーグの6番手で登板して、2失点。一方的になりかかった試合を盛り上げるためには一役買ったが……晴れの舞台にブーイングは辛い。

 イチローは【4回表】の守備から出場して、【4回裏】の打席で2点タイムリーヒット! せっかくだから、と盗塁も狙ったが、マウンド上のナショナル・リーグの4番手、リヴァン・ヘルナンデス(ワシントン・ナショナルズ)は牽制(ピックオフ)の名手。イチローは知ってか知らずか、見事に刺されてしまった。
 第2打席では、インター・リーグで対戦しているドントレル・ウィリス(フロリダ・マーリンズ)と対決。初球155㎞をインサイドに投げ込まれ、2球目も151㎞でアウトサイド低め。3球目のスライダー(134㎞)を見送った後、4球目の147㎞を強振して、ファウル。5球目の151㎞を見送った後、6球目のスライダー(126㎞)で抜かれて、センターフライに。見応えのある対決だった!

 1番印象的だったのは、ナショナル・リーグの5番手、ロジャー・クレメンス(ヒューストン・アストロズ)。【5回裏】に登板して、3番デヴィット・オルティーズ(ボストン・レッドソックス)、4番(途中出場)ギャレット・アンダーソン(ロスアンジェルス・エンジェルス)、5番ミゲル・テハーダ(ボルティモア・オリオールズ)を3者凡退に斬って取った。帽子を目深に被り、顎を引き、コンセントレーション(集中力)が凄い、と思った。マウンド上で「自分」の世界を作っている。
 これが最後のオールスターになるのか? それとも来年も観られるのか? 今シーズンはこのユニフォームを全うするのか? それとも、ヤンキースの“救世主”となるべく、再びニューヨークに舞い戻るか?