野球少年は夢を見る…MLB篇

Major League Series 2022

粛清の嵐が吹き荒れる前に…(28日・オリオールパーク)

2005-06-30 21:01:02 | New-York Yankees
 ニューヨーク・ヤンキースに“粛清”の嵐が吹き荒れようとしている。まず28日のボルティモア・オリオールズ戦でサヨナラ・ホームランを喫した左腕マイク・スタントン、そして中継ぎで防御率6.75のポール・クワントリルが、その対象になったようだ。昨日は延長【10回裏】右バッターから始まるのに何故、左腕のスタントンが起用されたのか? 不思議に思っていたのだが、これは「最終テスト」だったのか? 
 そういえば、先発して7イニングスを3失点に抑えた王建民を評して、ジョー・トーリ監督が試合後、「彼はテストをパスしたよ」と発言していた。ルーキーの彼にとっても、このマウンドは「最終テスト」だったのか? 

 3番ゲーリー・シェフィールドにも、ニューヨーク・メッツへの移籍の噂があるらしい。個人的には、とんでもないことだと思うが。ヤンキース打線の「核」は、この3番シェフィールド。このフルスウィングの猛威が、相手ピッチャーを脅かす。センターにマイク・キャメロンが欲しい気持ちは分かるが、シェフィールドは絶対に出すべきではない、と思う。
 ヤンキースに足りないのは、やはりリードオフ・マン(1番打者)。現在は主将デレック・ジーターが務めているが、彼は2番が最適。今シーズンもトニー・ウォーマックで失敗し、昨シーズンのケニー・ロフトンの二の舞いに……背番号「12」で愚挙を繰り返している。今シーズンオフ、FAになるジョニー・デーモン(ボストン・レッドソックス)の到着を待つべき、だろう。それとも究極、イチロー(シアトル・マリナーズ)と松井秀喜の日本人同士のトレードを画策するか? 

イチロー、3位に後退(27日・MLB)

2005-06-29 21:27:51 | Seattle Mairners
 イチロー(シアトル・マリナーズ)がピンチ、だ。オールスターゲーム(7月12日・デトロイト)のファン投票(アメリカン・リーグ)最終中間発表で、外野手部門「3位」に後退(投票数1564660)。4位ジョニー・デーモン(ボストン・レッドソックス)が迫ってきている(投票数1550810)。これは危機、だ。同じリードオフ(1番打者)デーモンの打率.337。(この時点で)打率.293で低迷している、イチローの立場は厳しい。実力者が選ばれるべき、オールスターゲーム。アメリカン・リーグのリードオフに真に相応しいのは誰か? となると、現状はデーモン、だ。

 しかし今日(28日)、オークランド・アスレティックス戦(マカフィーコロシアム)で初回のリードオフ・ホームラン(6号)を含む、4打数3安打の活躍で、打率.298まで上昇。この危機バネが働いて、イチローの「マクリ」に期待したい。しかし、チームはこの日も「1対8」で敗れて、3連敗。チームが負ければ意味がない……オークランドに抜かれて、定位置のアメリカン・リーグ西地区「最下位」にこのままシーズン終了まで居坐ることになるか? 
ALL STAR GAME 2005

最後の地下鉄シリーズ(27日・ヤンキースタジアム)

2005-06-28 21:05:09 | New-York Mets
 今シーズン最後のサブウェイ(地下鉄)シリーズは、ニューヨーク・ヤンキースがスウィープ(3タテ)を逃れ、「5対4」でサヨナラ勝ち。ニューヨーク・メッツの“壊し屋”クローザーのブランデン・ルーパーが見事に試合を壊して、メッツの(勝率)5割も阻止してしまった。オマー・ミナヤGMは試合中のインタヴューで「得点力のある野手の獲得を考えている」と発言しているが、試合後のこの結果を受けて、考え方を改めたかもしれない。今、必要なのは、絶対的なクローザー。これがなければ、チームの浮上もポストシーズン進出も難しい、と思う。

 尤も「新戦力」3番カルロス・ベルトランが思ったほど機能せず、松井稼頭央もあの体たらく。“ガラスの身体”クリフ・フロイドの思わぬ「復活」で、何とかクリンナップが機能している状態。野手陣の「再編成」を考えたくなる気持ちも分かる。
 ファースト(1塁手)ダグ・ミントケイビッチも(右太腿痛で)離脱(DL入り)して、代わりに3Aノーフォークから36歳のベテラン、ホセ・オファーマンが昇格。ブライアン・ドーバックもいるから、何故か野茂英雄(タンパベイ・デヴィルレイズ)に縁あるベテラン選手たちが集まってきた。昨シーズンオフの「主役」メッツの浮上はあるのか? これが最後のサブウェイ・シリーズになるのか? 

さらば、セデーニョ(24日・セントルイス)

2005-06-26 14:36:59 | St. Luis Cardinals
 長年、田口壮と同じ右の外野手で、しのぎを削ってきたロジャー・セデーニョ(スイッチヒッター)が、ついにセントルイス・カーディナルスから「戦力外通告」を受けた。田口だって、同じ目に遭う可能性もあったのだが、要所で実力を発揮して、セデーニョとの競争に競り勝ち、今シーズンは主力ジム・エドモンズとラリー・ウォーカーの欠場に伴い、スタメン出場が激増。今までの苦労が報われた。継続が力となった。こんな日本人メジャーリーガーの生き方も、ある。

 セデーニョは2001年のデトロイト・タイガース時代に、ルーキーイヤーのイチロー(シアトル・マリナーズ)と盗塁王を争い、敗れた男。その後、ツキに見放されたか? 31歳。まだ若いが、そのプレーぶりはすでに老成している。拾ってくれるチームがあるかどうか……(ニューヨーク・メッツ時代から愛用している)背番号「19」は甦るのか? 

対決!野茂vs.松井(21日・ヤンキースタジアム)

2005-06-25 21:49:21 | New-York Yankees
 先発(スターター)ランディー・ジョンソン(ニューヨーク・ヤンキース)が、【2回表】にタンパベイ・デヴィルレイズの7番デーモン・ホリンズ、8番ケヴィン・キャッシュに連続ホームランを浴び、「3対0」。さらに9番アレックス・ゴンザレス、1番カール・クロフォード、2番フリオ・ルーゴにも3連打を浴び、2失点で「5対0」。どうした、ランディー? 味方の頼もしい援護を受けて、【2回裏】野茂英雄がマウンドに上がる。

 4番アレックス・ロドリゲスをフォーク(124㎞)を打たせて、サードゴロに打ち取り、5番・松井秀喜を迎える。テーマ曲が鳴り響き、その名がコールされたと同時にヤンキースタジアムから盛大な拍手。DH(指名打者)に定着以来、絶好調の松井。期待が高まる。野茂も警戒して、初球・2球目(135㎞)を外で探って、3球目(138㎞)で内角を突くが、ライトへ飛球(ファウル)。4球目(135㎞)も内を突くが、球がお辞儀して、「3-1」。5球目(137㎞)は外に配するが、これもお辞儀して、四球(ウォーク)。

 5番ジェイソン・ジオンビーは定石通り、四球の後の初球を狙ってきたが、「140㎞」で詰まらせて、サード後方へのフライ。しかし、サード、レフトショート、3者追いつけず、ポトリと落ちて、不運なダブル(2塁打)。1アウト2,3塁になって、7番バーニー・ウィリアムスにライトへ大飛球を打ち上げられて、「5対1」。

【3回表】ランディーの調子は戻らず、6番ジョニー・ゴームスにも2ランを浴びて、「7対1」。ランディーはこの回限りで降板。ヤンキースファン(観衆40,241人)の巨大な落胆の溜息が渦巻く。【3回裏】先頭のロビンソン・カノをフォーク(122㎞)で空振りに斬り、続く1番デレック・ジーターには「135㎞」を弾き返され、ライト頭上を越すダブル(2塁打)。2番トニー・ウォーマックは、フォーク(126㎞)でレフトフライに打ち取るが、3番「天敵」ゲーリー・シェフィールドに1,2塁間を破られ、「7対2」。

【4回表】にも2番手、若いスコット・プロクターを攻め、3点を奪い、「10対2」としたタンパベイ。【4回裏】先頭の松井(.290)がライト前ヒットで出塁。6番ジオンビーにはライトへ大飛球を飛ばされるが、フェンス前で失速。……ステロイド疑惑前なら……。7番バーニーもサードゴロ、8番ジョン・フラハティをショートゴロに打ち取って、【1回裏】に続き、この回を「0」に封じる。

 そして魔の【5回裏】……1アウト後、1番ジーターに三遊間を抜かれ、続く2番ウォーマックにも初球(142㎞)をセンター前に持っていかれ、3番は「天敵」シェフィールド。「2-1」からの4球目、外のカットボール(138㎞)を強引に振り切られ、レフトスタンドに飛び込む3ランホームラン! 「10対5」。

 4番アレックスをショートゴロに打ち取り、2アウトにするが、5番・松井、6番ジオンビー、7番バーニーに3連打を浴び、「10対6」。ここで辛抱堪らず、ルー・ピネラ監督、登場。(何故か、ヤンキースタジアムからはブーイング、それともルー?)野茂は右手で腰の辺りをポンと叩き、悔しそう。若いキャッチャー・キャッシュに肩を叩かれ、慰められる。敵地だから、拍手はされない。3塁側ダッグアウト手前で、人相の悪そうなヤンキーファンに野次られるが、拍手で迎える黒人女性もいた。

 その後、この試合は急転、「11対7」でタンパベイがリードで迎えた【8回裏】ヤンキースが一挙「13点」を奪って、「11対20」。記録的、歴史的な大逆転劇を演じる。演じられたタンパベイ。ブルペン陣の「弱さ」は底が知れない。先発(スターター)野茂も役目を果せなかった。それにしても……タンパベイに投手力が加われば、優勝争いも夢ではない、と思えるのだが……

高津、1回3/1を無失点(14日・USセルラーフィールド)

2005-06-23 22:34:56 | Chicago White-Sox
 先発(スターター)のホセ・コントレラスが乱調で8失点で降板。高津臣吾(シカゴ・ホワイトソックス)は【8回表】2アウト2塁の場面で登板。この時点で「1対8」7点ビハインド。今シーズンここまで21試合に登板して、0勝2敗、防御率6.61。守護神(クローザー)の座をダスティン・ハーマンソンに譲っている。先頭の1番クレイグ・カウンセル(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)に初球、2球目、速球でストライクを取り、3球目のカーヴを打たせて、ライトフライ。難なくピンチを切り抜けた。

【9回裏】チャド・トレーシーに初球は高めに浮いて、2球目はファウル。3球目も速球でファウルを打たせるが、4球目の緩いカーヴをライト前へ! 3番ルイス・ゴンザレスには初球、緩いカーヴでストライク。ゴンゾーが首を振る。2球目のシュートは外れ、3球目でファウル。4球目を外に外して、「2-2」。5球目に「宝刀」シンカーを打たせて、サードゴロ。翻弄されたゴンゾー。

 4番トロイ・グラウスには初球、速いカーヴでストライク。2球目、今度は遅いカーヴを打たせて、レフトフライ。バッティングをさせない! 5番トニー・クラークには初球、遅いカーヴが外に大きく外れて、2球目も外に外れて、一呼吸を置く高津。3球目は速いカーヴでストライク。4球目は渾身の速球を打たせて、ファウル。5球目はカーヴが外に反れて、6球目は「宝刀」シンカー。これでクラークのバットがクルッと回って、空振り三振!

 完璧に“モップアップ”(敗戦処理)のマウンドだったが、地元USセルラーフィールドで「復活」を印象つけるピッチング。守護神ハーマンソンが不調に陥れば、いつでも高津が取って代れる、そういう状態に戻った。“ミスターゼロ”回帰の日は近い。

野茂、降板でBSは中継終了…されど!(21日・ニューヨーク)

2005-06-22 22:59:39 | Tampa-Bay Rays
「タンパベイ・デヴィルレイズ対ニューヨーク・ヤンキース【5回裏】ヤンキースの攻撃途中、「10対6」デヴィルレイズがリードしている状況です」のNHKのアナウンサー(内山俊哉)のコメントを最後にBSの中継は打ち切られた。ハイヴィジョンでは中継を続行していたらしいが……そんなものは知らない。その後、ヤンキースが猛反撃して、【8回裏】に一挙「13点」を挙げて、「20対11」記録的な大逆転劇。こんな試合、最後まで見たかった。松井秀喜も(2試合連続の)9号ソロ・ホームランを放ったらしいし。

 続いて、ハイヴィジョンで放送していた「オークランド・アスレティックス対シアトル・マリナーズ」でも、藪恵壹からイチローがヒットを放ったらしいし。中継したりしなかったり、そういう中途半端なことは止めてもらいたいものだ。今日は10時からNBAのバスケットボール(ファイナル)を中継したから、そんなクダラナいことになったのだろうが、1時間50分でMLB(野球の試合)が終わるわけがない。

 スカパー!は相変わらず、唯我独尊でこの日も同時間帯に「レッズ対カーディナルス」の「赤・赤」対決、誰が見るのか「ジャイアンツ対Dバックス」(シブすぎる!!)。「ヤンキース対Dレイズ」を中継して欲しかった。野茂英雄の「200勝」は終わったけれども、日本人投手の先発試合には臨機応変で対応してほしいものだ。ましてや相手はヤンキースで、松井秀喜で、スターター(先発が)ランディー・ジョンソン。最後まで見たかったな……それにしても、今日のジョンソンの≪乱調≫ぶりは……これは見たくなかった。

藪、1回無失点後の“悪夢”(16日・マカフィーコロシアム)

2005-06-21 14:12:02 | Oakland Atheletics
【8回裏】「6対9」3点リードされた局面で、藪恵壹(オークランド・アスレティックス)5番手で登板。先頭の3番(いきなり強打者)カルロス・ベルトランに初球カーヴが曲がりすぎて、ボール。2球目のアウトサイドのファストボールで詰まらせて、サードへのファウルフライ。

 途中から4番に入っているクリス・ウッドウォードには、初球アウトサイドのファストボールで手堅くストライク。2球目はカーヴが曲がりすぎ。3球目のアウトサイドのファストボールでファウルを打たせて、4球目はフォーク(スプリット)がワンバウンド。5球目のフォークも見送られ、「3-2」。6球目のアウトサイドのファストボールで(これも)詰まらせて、キャッチャーへのファウルフライ。

 5番「大物」マイク・ピアッツアにも、初球のファストボールを打たせて、サードゴロ。(スピードガンの表示はなかったが)この日は球が走っていた。1イニングスをピシャリと抑えて、【9回表】の味方の反撃に望みを託した。しかし、その【9回裏】に同じ日本人選手に“悪夢”が待ち受けていた……

【9回裏】ニューヨーク・メッツのクローザー、ブランデン・ルーパーが、先頭のジェイソン・ケンドールを歩かせて、ノーアウト1塁。2番マーク・コッツエイはレフトフライに打ち取ったが、3番ボビー・クロスビーがサードゴロ。「5-4-3」でゲッツー(ダブルプレー)が成立して、マウンドを降りたルーパーは歯を剥き出して、笑顔。しかし、その直後の映像で、松井稼頭央が倒れて動けない! 1塁ランナー・ケンドールに削られた、らしい。

 VTRで見れば、完全にケンドールの左足が、松井の左膝目がけて、飛んでいる。そして、右手で2塁ベースをタッチに行っている。この異常さ。しかし、これがメジャーリーグでは普通、当たり前のプレー。ダブルプレーを阻止する為のランナーに許された行為。この文化が日本には全くなかったから、メジャーリーグに行った日本人プレーヤーは、そのギャップに戸惑う。特に内野手。特にセカンドベースマンは……井口資仁(シカゴ・ホワイトソックス)もかなり削られて、欠場を繰り返している。

 松井は翌日からシアトル・マリナーズ戦を控えていたが、出場は初戦の1イニングの出場に留まり、20日からDL(故障者リスト)入りが確定した。松井は「無念」だろう。せっかく「ライヴァル」ミゲル・カイロのDL入りで、スタメンのチャンスが巡ってきたのに、自らもDL入りで、チャンスを手離してしまった。悉く、故障続きのメジャーリーグ生活。日本を離れた、この選択は失敗だったのか? 松井の苦悩は深まるばかり……。

 試合を壊すクローザーとして名高いルーパーだったが、今日は試合を壊さなかったが、僚友の膝を壊す羽目になった。そういえば、【8回表】のマウンドから、かつてのシンシナティ・レッズのクローザー、ダニー・グレイヴスがメッツ移籍後、初登板を果したが、シングル、連続ダブル(2塁打)、シングルで、計3失点。滅多打ちを食らった。やはり、メッツでも苦しい。ニューヨークのファン相手に、例のポーズを取らなければいいのだが……。

野茂「200勝」の勲章(15日・トロピカーナフィールド)

2005-06-17 23:02:14 | Tampa-Bay Rays
 ミルウォーキー・ブリュワーズの1番ブラディー・クラークにリードオフ(先頭打者)ホームランを食らって、野茂英雄(タンパベイ・デヴィルレイズ)。日米通算「200勝」達成に早くも暗雲が垂れ込める。此処は「HOME」トロピカーナ・フィールド。「HOME」との相性は「いい」。メジャーリーグ「1000本安打」を前日に達成した、イチロー(シアトル・マリナーズ)も「HOME」セーフコ・フィールドに帰ってきた第1打席で、ライトフェンス直撃のシングルヒット! イチローに続けるか、野茂?

【2回表】も先頭の5番ビル・ホールをショートゴロに打ち取ったものの、ショート・ストップ、名手フリオ・ルーゴが後逸(記録は内野安打)。6番「元阪神タイガースの主砲」セシル・フィルダー氏の息子、プリンス・フィルダーと初対決。高めに浮いたスプリッター(78MPH)を叩かれ、ライト線を切り裂くダブル(2塁打)! これが実はフィルダー息子のメジャーリーグ初ヒット。野茂はまたしても、大物にメジャー初ヒットを献上した。しかも日本野球と縁の深い選手に……。

 この後、内野ゴロの間に1点を追加され、「0対2」。【2回裏】8番初めてコンビを組む(若い)キャッチャー、ケヴィン・キャッシュのソロ・ホームランで「1対2」に迫り、【3回表】は1番クラークをセンターフライ。2番リッキー・ウィークスをスプリッター(81MPH)で空振り三振に取り、3番ライル・オーヴァーベイをピッチャーゴロに打ち取り、3アウト。【4回表】も4番カルロス・リーを(ボテボテの)サードゴロ。5番のホールを(今度も)ショートゴロ。ショートストップ、ルーゴが今度は強いゴロを捌いて、2アウト。6番フィルダーの息子も、84MPHの速球(?)で詰まらせて、ファースト・ファウル・フライに打ち取る。

【4回裏】9番アレックス・ゴンザレスのライト線を破る、タイムリー・ダブル(2塁打)で「2対2」同点に追いつき、1塁側ダッグアウトで右肩にグラウンドコートをかけた野茂も、思わず立ち上がって……そのまま座った。【5回裏】にも2アウト2塁で、5番トラヴィス・リーのセカンドゴロを、相手セカンドのウィークスがエラーして、「3対2」1点勝ち越し。この時点で野茂に「勝利投手」の権利が発生した。

 そして試練の【6回表】のマウンド。先頭の1番クラークが(小癪な)ドラッグバントを決めて、ノーアウト1塁。2番【5回表】にエラーした「張本人」ウィークスに、ストレートの四球で歩かせて、ノーアウト1,2塁。3番のオーヴァーベイにも「0-1」にした2球目。渾身のファストボール(87MPH)を叩かれ、強烈なライナー! しかしセカンド正面に飛び、1塁ランナーが戻れず、ダブルプレー! しかし4番リーもストレートの四球で歩かせて、ここでルー・ピネラ監督、登場。観衆(8,801人)からはブーイング。しかし一言だけ告げて、ダッグアウトに消えた老将。野茂はその信頼に応え、5番ホールをセンターフライに打ち取り、危機を脱出。

【7回表】は先頭のフィルダーの息子を「87MPH」で詰まらせて、サード・ファウルフライ。7番ダミアン・ミラーもファースト・ファウルフライ。8番クリス・マグルーダーもレフトフライに打ち取って、難なく、7イニングスを投げ終えた。まだ球数「83」。完投ペースだったが、この回で降板。ブルペンに信頼が出来ないだけに、「不安」だったが……【7回裏】に味方が2点を追加して、「5対2」。【9回表】を守護神ダニス・バイエスが案の定、1点を失ったものの、そのまま逃げ切って、「5対3」。野茂に「200勝」の勲章が授けられた。

 試合後、地元タンパの熱烈な観客の声援に迎えられ、頭を掻きながら、ダッグアウトから出てきた「HERO」。日本のNHK主催のインタヴューに応えていた野茂。インタヴューアーは興奮して「秘訣は?」等と訊いてきたが、野茂は至ってクール(冷静)。最後に右手を挙げて、最後まで残ってくれた観客の声援に応えていた野茂。今日はこの人たちの為に戦った。そして、チームメイトと共に戦った。それが、野茂英雄。それが「200勝」達成の秘訣、だ。

大家、移籍「即」完封!(14日・トロピカーナ・フィールド)

2005-06-16 21:48:09 | Milwaukee Brewers
 大家友和のミルウォーキー・ブリュワーズ移籍初登板が、メジャーリーグ初完封試合になった昨日(14日)。しかし昨日(日本時間15日)は全国的に雨で、スカパー!で午前中Liveで放送され、22時からもリピート(再放送)があったが、ほとんど「視聴不能」。梅雨時とはいえ、恨めしい雨だった。大家の一世一代の雄姿を観ることが(ほとんど)出来なかった。ただ、再放送の0時過ぎから映像も回復し、【9回裏】最後のシーンは辛うじて見ることが出来た。ダッグアウトから飛び出した「エース」ベン・シーツが真っ先にマウンド上の大家に駆け寄り、熱烈に祝福していた。合流して間もないのに、すっかりチームに溶け込んでいる様子だった。

 背番号も当初の「50番」から「55番」に変わっていた。(往年の名投手)オーレル・ハーシュハイザー(現テキサス・レンジャーズ=ピッチングコーチ)と同じ番号だから「いい」と思う。シーズン途中の移籍だから仕方がない。忌まわしき(?)ワシントン・ナショナルズ時代の「34番」は永久欠番だし、モントリオール・エクスポズ時代の「24番」は若手のクリス・マグルーダー(外野手)が着けている。来シーズン以降も、このまま「55番」が定着するかもしれない。