野球少年は夢を見る…MLB篇

Major League Series 2022

井口の電撃移籍と井川のマイナー降格…(26日)

2007-07-29 22:28:03 | New-York Yankees
 井口資仁(シカゴ・ホワイトソックス)のフィラデルフィア・フィリーズへの電撃トレード! そのニュースと合わせて報道されたのが、井川慶(ニューヨーク・ヤンキース)の2度目のマイナーリーグ(AAAスクラントン)降格……あまりにも対照的な二人。日本ではトレードにネガティヴなイメージがあるが、井口の場合、優勝争いを諦めていないフィラデルフィアから請われての移籍。

 井口本人は「シカゴに残りたかった」「シカゴ近郊に豪邸を購入する計画だった」らしいが、しかしオジー・ギーエン監督とは抜き差しならぬ関係になっていた(?)だけに、この放出は(個人的には)「想定内」だった。しかしフィラデルフィアのレギュラーのセカンド(2塁手)チェース・アトリーは骨折から1ヶ月で復帰するらしいから、その後が難しい。2~3ヶ月だけのフィラデルフィア滞在になるかもしれない。

 それにしても、井川……恐らく26日のカンザスシティー・ロイヤルズ戦が今シーズンの最後の登板になるだろう(?)。今後ヤンキースは逆転≪優勝≫に望みを懸け、若手のホープ、フィル・ヒューズを先発ローテーション(スターター)に抜擢して、最後の大勝負に出るだろうから、井川の出る幕無し。このままマイナーリーグでシーズンを終えることになるかもしれない。……寂しい話だが。選んだわけではない(ポスティング・システムで)選ばれたチームが悪かった。

 現在の井川に関しては完全に≪自信喪失≫……阪神タイガース時代から井川のピッチングはずっと見てきているが、ピッチングフォーム(メカニクス)が悪い。どう見ても(バランスが)おかしい。≪自信喪失≫に付随して、ヤンキースのコーチ陣が井川のフォームを弄くり回したから、完全にフォーム(メカニクス)が狂ってしまっている。これを「修正」しなければならない。

 頼りになるのは、ヤンキースのマイナーのピッチングコーチではなく、2002年(あるいは)2003年の≪絶好調≫時のVTR(DVD)を見ることだろう。腕の振り、足の上げ方、全てを<トップフォーム>に戻さなければならない。メジャー(=超一流)と勝負するのはそれから、だ。井川を日本でサポートする連中はHPのデザインを考案する暇があったら、編集したDVDを作って、井川の元に送り届けるべきだ。

井口、フィリーズでのデビュー戦で桑田から同点犠飛 (MAJOR.jp)

井川の援護は俺がやる! 松井の同点2ラン!(21日・ヤンキースタジアム)

2007-07-23 12:28:05 | New-York Yankees
 またしても<デーゲーム>。井川慶(ニューヨーク・ヤンキース)の後半戦2度目の先発(スターター)マウンド。相手は岩村明憲のいるタンパベイ・デヴィルレイズだったが、この試合は<ダブルヘッダー>第1試合だったため、岩村は休養。井川と「左」対「左」という理由でも休養させられたのだろうが、岩村に井川への苦手意識は無かっただろうから、無念だっただろう。一方、井川は岩村がいなかった分、ストレスが軽減したかもしれない。

 しかし初回2-OUTを取った後、3番B.J.アップトンに左中間スタンドに先制のホームランを浴び、ヤンキースタジアム(観衆54,412人)からは「Boo!」。【2回表】にも(1-OUTから)6番タイ・ウィギントンにレフトポール際に叩き込まれ、またしても盛大な「Boo!」。早くも「2対0」のリードを奪われ、先行き「不安」な井川、黒いサングラス。

【3回表】も1-OUT後、3番カール・クロフォードをボテボテのセカンドゴロに打ち取るが、俊足クロフォードが1塁を駆け抜けて「セーフ!」。初回にホームランを打たれた3番アップトンにはキレイに三遊間を抜かれて、4番カルロス・ペーニャを(「3-1」から)歩かせて、1-OUT満塁。大量失点のピンチだったが、5番デルモン・ヤングを苦し紛れに投げた(?)カーヴでセカンドライナーに打ち取り、ダブルプレー(併殺)!! 

【4回裏】ヤンキースは1-OUT後、4番アレックス・ロドリゲスが歩き、「Kちゃん(井川)の援護は俺がやる!」5番・松井秀喜が初球を振り抜いて、ライトスタンドへ弾丸ライナー! (第15号)2ランホームランで「2対2」同点! 海を越えて「巨人」「阪神」連盟の結実!! 井川の存在が、日本のプロ野球で「本塁打王」だった自己を思い出させるのか? 

 同点にしてもらった【5回表】先頭のブレンデン・ハリスにセンターオーヴァーを浴び(2塁打)、1-OUT後、初回にホームランを打たれて、【3回表】にも三遊間を抜かれた「苦手」アップトンを敬遠(インテンショナル・ウォーク)で歩かせ、2-OUT後、5番ヤングを歩かせ、2-OUT満塁になって、バッターは【2回表】レフトポール際に叩き込まれたウィギントン。ここも試合を壊してしまう窮地だったが、「1-2」に追い込んで、最後は速球(91MPH)で詰まらせ、ライトフライに打ち取って、脱出。

 しかし信用のない井川は「2対2」同点のまま(またしても)【5回表】限りで降板……この後、【6回裏】ヤンキース打線が爆発して、一挙5点を挙げて「7対2」! もう1イニング踏ん張れば(投げさせてもらえれば)3勝目が転がり込んできたのだが……遠い3勝目。
 しかし6三振を奪ったことが評価され、またライヴァルだった若手のマット・デサルヴォが、ダブルヘッダーの第2試合で5回途中KOされた為、井川の先発ローテーション残留は担保されたようだ。ヤンキースが(マイナー組織で)手塩に掛けて育ててきた<プロスペクト>(若手有望株)との生き残り競争は続く……

松井秀、井川援護の15号2ラン 岩村は欠場 (MAJOR.jp)

松井、先制の14号HRで井川を援護!(16日・ヤンキースタジアム)

2007-07-18 13:43:10 | New-York Yankees
 井川慶(ニューヨーク・ヤンキース)の後半戦「初」登板は、久々のナイトゲーム。最近「苦手」(自称)のデーゲームが続いていたので、ここらで本領を発揮しておきたいところだ。初回に順調に打たせて取って2-OUTにして、安心させたが、3番ヴァーノン・ウェルズに外の速球(90MPH)をライト線に流し打たれ、4番「主砲」トロイ・グラウスを歩かせて、2-OUT_1,2塁。ビクビク(不安に)させたが、5番「大砲」フランク・トーマスをチェンジUpで翻弄し(空振り)外の速球(91MPH)を振らせて、三振! マウンド上でクルッと一回転して、躍動する井川! 

【2回表】先頭のライル・オーヴァーベイにレフト前(流し打ちの)ヒットを浴びるが、7番(アーロン・ヒル)8番(グレッグ・ゾーン)を連続三振! しかし安心させて、裏切るのが井川(パターン)。9番ロイス・クレイトンにセンター前ヒットを浴び、1番リード・ジョンソンを(ストレートの)四球で歩かせて、2-OUT満塁! 2番アレックス・リオスを何とかライトフライに打ち取るが、こういうピッチングを続けていては首脳陣からの信頼は得られない。

【2回裏】「Kちゃん(井川)の援護はオレがやる!」先頭の松井秀喜が右中間スタンドに(第14号)ソロホームランを打ち込んで、先制点! 1-OUT後、7番ロビンソン・カノもライトスタンドに高々と打ち上げて(第7号)「2対0」! 
 しかし【3回表】先頭のウェルズを歩かせて、4番「主砲」グラウスに「0-2」に追い込みながら、外の(低目の)速球(89MPH)をライトスタンドに運ばれ、「2対2」忽ち同点に追いつかれる……「あの球をホームランにするか……」マウンド上で呆然と打球の行方を見送る井川……これがMLB(メジャーリーグ)のレヴェルの高さ。

 しかしヤンキースもメジャーの一流(名門)のチーム。【3回裏】(1-OUT後)2番デレック・ジーターがレフト前ヒットで出塁して(2-OUT後)4番アレックス・ロドリゲスが初球を打って、レフトスタンドへ高々と舞い上がる(第32号)2ランホームランを放って、「4対2」勝ち越し! 井川に勝利投手の権利が付与される。

 しかし井川のピッチングは相変わらず……【4回表】先頭のゾーンに三遊間を破られる。9番(クレイトン)はセンターライナー。1番(ジョンソン)はチェンジUpで空振り三振に斬って取るが、2番リオスに四球を与え、2-OUT_1,2塁。苛立つピッチングコーチ(ロン・ギドリー)がマウンドへ……
 更に3番ウェルズの打席でボークを犯し、2-OUT_2,3塁。そしてウェルズにセンターへ大飛球を飛ばされるが、センター(メルキー・カブレラ)がフェンス手前でキャッチして、窮地脱出……その瞬間、井川は首を捻り、唇を噛み締めながらマウンドを降りる。憧れのマウンド(舞台)で≪苦悩≫する井川……

【5回表】先頭の「主砲」グラウスに2打席連続のホームランを今度はレフトスタンドへ! 今度は(明らかな)失投、会心の一撃を叩き込まれ、「4対3」1点差に詰め寄られる。1-OUT後、6番オーヴァーベイにセンター前に運ばれ、ここで苛立つ男(ギドリー)マウンドへ。
 現役時代は同じ左腕だっただけに、余計に井川に苛立つのだろう(?)。ダッグアウトのジョー・トーリ監督が、隣に座るロジャー・クレメンスと話し込んでいるのも苛立つ要因か? まるで(本物の)ピッチングコーチみたいな“ロケット”。

 井川はギドリーの≪檄≫が効いたのか、連続三振に打ち取って、勝利投手の権利を残したまま降板……しかし2番手ピッチャーのスコット“グラヴ燃やし男”プロクターが首尾よく【6回表】に同点に追いつかれて、「4対4」。【6回裏】日本の阪神タイガースが獲得を狙っていた(らしい)8番アンディー・フィリップスの2点タイムリーで「6対4」勝ち越したヤンキース。勝利に貢献したことになるのか、井川? 

14th HR~“絶好調”とは言わない松井秀、井川を援護 (MAJOR.jp)

イチローの選択(13日・シアトル)

2007-07-15 22:20:10 | All-Star Game
 イチロー(シアトル・マリナーズ)がそう言うように、イチローには(シアトル以外の)どのユニフォームが似合うのか? 我々ファンも今シーズン最初から、そんな<シュミレーション>を続けてきたのだが、13日(日本時間14日)「結論」は出された。

 ボストン・レッドソックスの赤いユニフォームが意外に似合うんじゃないか? とか。ニューヨーク・ヤンキースのあの<ピンストライプ>が似合うのでは? そういえば背番号「51」は空いている(バーニー・ウィリアムス……)し。それが暗号(記号)じみていて、イチローの運命を≪暗示≫しているのかもしれない? とも思えた。いずれにしても、ボストンかニューヨークか(シアトル残留を選ばないなら)いずれか、だと思っていたが……

 それにしても、イチローの言語センスは抜群、だ。アメリカ・シアトル(セーフコ・フィールド)の記者会見場で≪まさか≫「弥生時代」(平安時代も)という言葉を聞くとは、日本から派遣されてきた記者達は思いもしなかっただろう。
 11日の≪MVP≫を受賞した<オールスターゲーム2007>の記者会見でも、【4回裏】のプリンス・フィルダー(ミルウォーキー・ブリュワーズ)の放った打球(センターライナー)を称して、「ちょっと岩鬼(明訓高校)っぽかった」。『キャプテン』のイガラシ君が好きらしいし。世代的な共感も感じる……この男には!  

イチローの輝かしい契約延長、忘れらない夏の予感 (MAJOR.JP)

井川、5失点KO!×松井4番で決勝HR!(5日・ヤンキースタジアム)

2007-07-06 22:17:05 | New-York Yankees
 先頭のジェイソン・バートレット(ミネソタ・ツインズ)に「3-2」から四球(ウォーク)。これが復帰3戦目、井川慶(ニューヨーク・ヤンキース)の立ち上がり、だ。お馴染みの光景、と言っていい。ここからどうするか? 2番に入った(2006年の首位打者)ジョー・マウアーには「0-2」と追い込むが、ここで(やおら)サングラスを外して、汗で曇ったのだろう、レンズを拭く井川(今日はデーゲーム)。ニューヨークに行っても、マイペースな井川。

 一旦「間」を置いて、投じた3球目はワンバウンド! そして4球目の速球が甘く(真ん中に)入って、これを痛打され、センター前ヒット! 3番マイケル・カダイヤーには2球目のチェンジUpを狙われ、レフト前ヒット! これで1点が入って、簡単に先制点を許す井川。
 4番(2006年MVP)ジャステイン・モウノウーには「3-2」から決めに行った(低目の)チェンジUpを巧くバット・コントロールで拾われ、左中間にタイムリーヒット! これで2点目が入って、初回に「0対2」! どうなる井川……≪最悪≫の立ち上がり。

 しかし【2回裏】ヤンキースは2-OUTから、7番ロビンソン・カノがライトスタンドに放り込み、8番アンディー・フィリップス、9番ミゲル・カイロの連続ダブル(2塁打)で「2対2」の同点!! 更に1番ジョニー・デーモンが歩いた後、2番「伏兵」メルキー・カブレラがライトスタンドに放り込んで、「5対3」勝ち越し! これで井川に勝利投手の権利が発生、したのだが……

【4回表】先頭の(元シアトル・マリナーズ)ジェフ・シリーロがセンターオーヴァー! (シアトル時代には、こんなバッティング、見たことない)7番ルー・フォードはセンターライナー! センターのデーモンが飛び込んでスーパーキャッチ! 救われた井川……
 8番ルイス・ゴンザレスもショートライナー! それにしても、続けて“いい当たり”をされる。こんなピッチングで大丈夫なのか、と思った矢先、9番ニック・プントに「3-1」から四球(ウォーク)。この試合3つ目。そして、1番バートレットに“引導”を渡される……「0-2」追い込みながら、3球目のスライダーを叩かれ、レフトフェンスに達するダブル(2塁打)!! これで「5対4」1点差に詰め寄られる。
 更に2番「首位打者」に≪見事に≫センター前に弾き返され、「5対5」遂に同点に追いつかれる……これで井川の勝利投手の権利は消滅し、【5回表】まで投げて降板。そんな井川を救った……訳でもないが、【8回裏】この日「4番」に入った松井秀喜が勝ち越しの2ランホームラン(第10号)を放って、「7対6」でヤンキースの勝利! 

松井秀が2試合連発、10号決勝2ラン! 井川は5失点 (MAJOR.jp)

オールスターゲーム出場選手発表!(1日)

2007-07-05 13:45:10 | All-Star Game
【アメリカン・リーグ】予想オーダー
1番センター イチロー(シアトル・マリナーズ)
2番ショート デレック・ジーター(ニューヨーク・ヤンキース)
3番ファースト デヴィット・オルティース(ボストン・レッドソックス)
4番サード アレックス・ロドリゲス(ニューヨーク・ヤンキース)
5番ライト ヴラジミール・ゲレーロ(ロサンジェルス・エンジェルス)
6番レフト マグリオ・オルドニェス(デトロイト・タイガース)
7番キャッチャー イヴァン・ロドリゲス(デトロイト・タイガース)
8番セカンド プラシド・ポランコ(デトロイト・タイガース)
※9番ピッチャー C.C.サバシア(クリーヴランド・インディアンス)

 クローザーのJ.J.プッツ(シアトル・マリナーズ)が初出場! 1勝23セーヴ(防御率)0.92の堂々たる成績だ。“相棒”の城島健司が(一緒に)出場できないのが残念だが……シアトルといば、昨シーズンまで先発ローテの一角だったギル・メッシュ(カンサスシティー・ロイヤルズ)が(これも)初出場! こちらは5勝6敗(防御率)3.28の物足りない数字だが、≪弱小≫KC故に選出。

【ナショナル・リーグ】予想オーダー
1番ショート ホゼ・レイエス(ニューヨーク・メッツ)
2番センター カルロス・ベルトラン(ニューヨーク・メッツ)
3番ライト ケン・グリフィーJR.(シンシナティ・レッズ)
4番レフト バリー・ボンズ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)
5番ファースト プリンス・フィルダー(ミルウォーキー・ブリュワーズ)
6番サード デヴィット・ライト(ニューヨーク・メッツ)
7番セカンド チェース・アットリー(フィラデルフィア・フィリーズ)
8番キャッチャー ラッセル・マーティン(ロサンジェルス・ドジャース)
※9番ピッチャー ジェイク・ピーヴィ(サンディエゴ・パドレス)

 クローザーでは、斎藤隆(ロサンジェルス・ドジャース)が嬉しい初選出! 早いイニングでの登板であれば、イチローとの初対決が実現する。ファン投票ではファーストのフィルダーが初選出された。これも嬉しい……元阪神タイガース、セシル・フィルダーの息子=プリンス。このオールスターゲーム選出を切っ掛けに、親子の和解は実現するか!? 

メンバー - MLBオールスター特集 : nikkansports.com

岡島に清き1票を!(4日・フェンウェイパーク)

2007-07-04 21:39:36 | All-Star Game
 MLBオールスターゲーム最終「32番目」の候補になった岡島秀樹(ボストン・レッドソックス)。ボストン市民と(海を隔てた)日本人との≪結託≫(友誼)で現在(中間発表)で1位。しかし油断はできない……相手はデトロイト・タイガースの9勝1敗(防御率3.58)ジェレミー・ボンダーマン。こんな数字でも、オールスターに無条件で出られないなんて……さすがはメジャー。
 MLBの純粋なファンとしては「9勝1敗」の投手に出てもらいたいが、しかし日本人として(そして)個人的にも同じ京都人として、岡島には≪夢≫のマウンドに立ってもらいたい。……彼に清き1票を! (MAJOR.JP|MLB|オールスター特集)

 そういえば、バリー・ボンズ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)は最終中間発表では外野手部門の「4位」で落選圏内……サンフランシスコのAT&Tパークで開催される「地元開催」だけに、何としても本人も出場したかっただろうし、多くのMLBファンもそう望んでいたハズなのだが……その認識は甘かったようだ。ステロイド使用に対するMLBファンの目は冷たく、ボンズの≪花道≫すら阻止しようとした。(本日、751号!!)

 落選といえば、松坂大輔(ボストン・レッドソックス)。今日(現地3日)岩村明憲のタンパベイ・デヴィルレイズ戦を8イニングス「零封」で制して、10勝目(5敗)。もう少し早くに「10勝」の大台に到達していれば、違った結果になったかもしれないが、しかし松坂にはチーム内に二人の≪ライヴァル≫がいた。

 一人は、ジュシュ・ベケットで既に11勝(2敗)を挙げている“剛の者”で彼が最大の障壁になった。そしてもう一人が(同じ日本人の)岡島。本来なら「32番目の男」に松坂がノミネートされてもおかしくないのだが、岡島の存在が遮った。
 二人のライヴァル関係は、この後も続いて、≪新人王≫(ルーキー・オブ・ザ・イヤー)を争うことになる。果たして、松坂はこの悔しさを胸に、岡島を蹴散らして、≪新人王≫こそは我が手に掴めることができるか? 

 しかし、二人のこの競争が、Rソックスを更に高処(たかみ)へと押し上げる。これを羨ましく見ているのが、ニューヨーク・ヤンキース。岡島は兎も角、松坂は獲得したかった。獲得する予定だったのに……この誤算≪狂い≫が原因でジョー・トーリ監督やブライアン・キャッシュマンGMのクビが飛ぶかもしれない……その瀬戸際。運命を左右する日本人達。

 そういえば、1998年のオフ、当時のアナハイム・エンジェルス入りが内定していた日本人が身を翻して、日本のプロ野球のドラフトに掛かり、関係者が臍をかんだ事態があった。その関係者=テリー・コリンズ監督は、翌年(1999年)の成績不振の責任を取らされ、解任。もし、その日本人がエンジェルスに来ていれば……今頃『ORIX』(バファローズ)のユニフォームを着ていることはなかっただろう。

 ヤンキースは(巻き返しを図りたいなら)この日本人を獲得する為に≪血道≫を上げるべきだろう。松坂の代わりになるピッチャーは≪彼≫以外にいない。残念ながら(不服ながら)井川慶では、その役は≪荷≫が重すぎた。
 松坂に唯一対抗できる男……今シーズンは渋々ながら、ストッパー転向を受け入れて、投票用紙に名前が載っていないのに(日本の)オールスターに選ばれた男、上原浩治(読売ジャイアンツ)。

岡島のオールスター出場決定に首脳陣も納得の表情 (MAJOR.jp)

井川、3発喰らって、4失点でKO!(1日・ヤンキースタジアム)

2007-07-02 13:47:03 | New-York Yankees
 井川慶(ニューヨーク・ヤンキース)復帰2戦目の先発試合は、地元ヤンキースタジアムでのオークランド・アスレティックス戦のデーゲーム。当然(いつものように)サングラスを着用して、マウンドへ。
 そういえば、ヤンキースは長期ロード(19日~28日)で3連敗と4連敗を喫し、1勝7敗。前日(30日)ようやく地元に帰ってきた初戦に勝利(「2対1」)して、今日(1日)が2戦目。ヤンキースにとって重要な試合。

 初回先頭のシャノン・スチュワートをレフトフライ。2番(マーク・エリス)をセカンドフライ。3番(ニック・スウィッシャー)をサードゴロ。真っ直ぐとチェンジUp、スライダーのコンヴィネーションが冴え渡り、井川本来の打たせて取るピッチングで≪快調≫に見えたのだが……

【2回表】4番(ジャック・カスト)をショートゴロ。5番≪天敵≫エリック・チャヴェスをスライダーで空振り三振! チャヴェスには前回(4月13日)打たれているから「思い入れ」があるのだろう。(その瞬間)小さなガッツポーズを作って見せた。6番ダン・ジョンソンには早めに「0-2」に追い込み、最後は高めの速球(147km)で空振り三振! 連続三振!! ≪快調≫に見えたのだが……

【3回表】先頭の(ボビー・クロスヴィー)は初球を打って、キャッチャーへのファウルフライ。8番(マーク・コッツエイ)は早々に「0-2」に追い込んで、センターフライ、かと思いきや、センター(メルキー・カブレラ)が手を拡げたのに、レフト松井秀喜が横捕りして2-OUT。井川の快調なピッチングに呼応して、思わず近くに飛んできたフライを取りたくなった(?)松井。
 しかし、その直後、9番ジェイソン・ケンドールに「2-1」から甘く入った速球(143km)をレフトのポールに直撃されて、1失点……(これが初ヒット)1番スチュワートにも「3-1」からの(やはり)速球(143km)をレフトスタンドに豪快に運ばれて、「2対0」……

【4回表】【5回表】は「0」に抑え、【6回表】も2-OUT。5番≪天敵≫チャヴェスには打ち取るのに苦労して、「3-2」になって、ラストボールは外角低めに速球(150km)が決まったが判定は「ボール」。際どい判定だ。チャヴェスを歩かせて、6番ジョンソンには「0-2」に追い込んで、3球勝負で今度も外角低めに速球(145km)を投げ込んだが、判定は「ボール」。
 これは更に際どい判定、だ。その直後だった……チェンジUpをフルスイングされ、ライトスタンド3階席に飛び込む≪特大≫の2ランホームランを浴びて、「0対4」……球審の判定次第では6イニングス2失点の<クオリティー・スタート>でマウンドを降りられた筈なのだが……

MLB=井川が4失点で2敗目、松井秀は無安打 (MAJOR.jp)