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熱血塾教師35年+教育コメンテーターのオールマイティー井澤が 「受験」、「子育て」の成功法を公開!

「なぜ女性宮家を創ってはいけないのですか?」(No.842)

2019年07月07日 21時14分33秒 | 社会
「なぜ女性宮家を創ってはいけないのですか?○○様がお可哀想じゃないですか?」
というご質問を頂きました。

たかが塾屋に過ぎない私がしたり顔でお答えするのも筋違いと思いますが、せっかくのご質問ですので長くなりますが、出来るだけわかりやすく説明させていただきます。

神武天皇の時代から現在まで千数百年間、皇族の女子は民間(一般)の方と結婚すると皇族から離れます。(皇籍離脱)
だから、結婚されて男の子ができてもその子供は皇族の子供ではないので皇位継承権はなく、民間の子です。それに現在の皇室典範に「皇位継承権をもつのは男系男子に限る」とはっきり規定されています。
 我が国の天皇家は神武天皇の時代から現在まで千数百年間ずっと途切れることなく「男系」で継承されています。

これでは、「女系天皇を創りたい人々」にとって不都合です。

そこで、現在の宮家だけでは皇族としての公務が多すぎて大変であり、皇族の皆様が疲れきってしまい、お気の毒であるというようなことを理由として、彼らはまず一般国民の抵抗が少なさそうな「女性宮家」を創ろうとしています。一般の方と結婚しても皇籍から離脱させず、皇族として公務を担当できるとするものです。

 そして、第2段階では、皇位継承権を持つ皇族の方が少なく(現在は秋篠宮皇嗣殿下とその御長男の悠仁親王のお二人だけ)、皇位継承が安定しないことを理由に皇室典範を改正し、女性宮家に生まれた子供にも皇位継承権を持たせようとします。女性宮家に生まれた子供が天皇に即位するとその天皇は男子であっても史上初の「女系天皇」になります。
これらは、一般人がさ~っと聞くと良さそうな提案に聞こえます。


 
*「女性天皇」は天皇に即位した女性のこと。(男系の女性天皇は歴史上にも何人かいらっしゃいます。推古天皇や持統天皇が高名です。)女性天皇が皇族以外の一般の方と結婚され、お子様が生まれ、そのお子様が天皇に即位するとそのお子様が男子であっても「女系天皇」となり、その女系天皇以降、天皇家は女性天皇が結婚した相手の男性の家系の一部となってしまいます。



しかし、これは大変危険です。
 現在は皇族の女子と交際し結婚しても結婚した男性は皇族には入れないし、その子供も皇位継承権を持ちません。皇族女子のほうが一般人になるからです。
もし、女性宮家を創設し、その子供に皇位継承権を持たせたら、どんな人でも皇族の女子と結婚しさえすれば、自分の子供を天皇にすることができるようになります。今後道鏡のようなとんでもない者まで出てくるかもしれません。なかには息子に皇族の女子を誘惑させ、結婚するよう仕向け、自分の孫を天皇にするようなことまでも企む人も出てくるかもしれません。

 加えて女系天皇を認めるということは天皇家の家系が民間の家系の一部となる(民間の風下に置かれる)ということを意味します。

 たとえば、曾祖父の代より前の出自が不明な喪黒三郎(仮名)という人が皇族の女子(内親王)と恋愛し、結婚し、女性宮家を創設し、男子のお子さまが生まれ、女系でも皇位継承権を持たせたとします。
 
 その後、この喪黒三郎さんの息子が天皇に即位したら、それ以降は日本の天皇家はえたいのしれない出自の喪黒家の一部となってしまいます。喪黒家からみれば跡取り息子が皇族(内親王)を嫁にもらい、それ以降は女性宮家(皇族)として暮らすのです。そのうえ、生まれてくる子は喪黒家の跡取りでもあります。
 
 つまり、それ以降は皇族が出自が不明な喪黒家の子孫となってしまうのです。国民から敬愛され、諸外国からも尊敬されている日本の天皇陛下がえたいの知れない喪黒家の子孫となって良いのでしょうか?それこそ「将来的には皇族を無くしたいと思っている人々」の思うつぼです。

  日本の皇族が敬愛され、尊敬されているのは皇族の皆様が素晴らしい人格者であることはもちろん、神武天皇の時代から千数百年もの間脈々と男系で継承されてきたという世界でもまれにみる尊い出自であるからです。だからこそ先人達は大変な努力をされ男系を維持してきたのです。

  あの藤原氏でさえ「自分の娘を天皇と結婚させ、その子供を天皇に即位させ、自分は時の天皇の祖父として権力を振りかざした。」だけです。息子を皇族の娘(内親王)と結婚させ、息子を天皇にはしませんでした。(皇位簒奪はしなかった。)あの悪名高い藤原氏も男系で皇位を継承し続ける尊さと重要性を理解していて、男系を尊重したからです。

  未来の日本にとってこれほど重要なことなのに、「女性天皇」を「女系天皇」と意図的に混同させ、
「日本にはかつて推古天皇のように素晴らしい女性天皇が何人もいらっしゃった。だから○○様に女性宮家として皇位継承権者の一人となっていただき、将来女性天皇としてご活躍していただきましょう。そして、そのお子さまにも天皇陛下としてご活躍していただきましょう。」などとさらっ~と主張されています。

  これって、本当によろしいのでしょうか?千数百年の男系で継承してきた伝統を一瞬で壊すだけでなく、あまりにリスクが高すぎます。

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