活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

東京・中央区の産業文化展をのぞく

2016-10-31 11:48:49 | 活版印刷のふるさと紀行

 すっかり秋めいてきた休日、勝どきのトリトンスクェアで開催されている産業文化展をのぞいてみました。今年で19回目と聞きました。晴海運河ぞいのプロムナードでピーターラビットの「花じゅうたん」が出迎えてくれました。クレーンを使った高所観覧車?で子どもたちがキャーキャーいいながら何枚もの花じゅうたんの景色をたのしんでいました。高所恐怖症の身では無理。

 さて、目的の『へそ展』会場トリトンスクェア グランドロビーに直行。中央区は日本一の産業・文化の中心、時代のマンナカにあって”シン”のある中央区と区長の弁、なるほど、うれしいのは協賛企業の大半が印刷・製本でうまっていたこと、2日目にはミズノ・プリンティングの水野雅生社長の講演もあること。

 ただ、残念なのは「印刷産業」はこうした場合もわかりやすい展示をして観客に簡単に見せることができないことです。わずかに製本コーナーで白紙を製本したノートが人気を集めておりました。私、日本のへそ、福井県出展のコーナーで「焼きサバ」を求めて帰ってきた次第、ごめんなさい。

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天の夕顔

2016-10-11 11:47:30 | 活版印刷のふるさと紀行

 夏からいっきに秋になったような体育の日、あちこちから聞こえる運動会のにぎゃかな音にひかれて散歩に出ました。このところかわいそうに叩かれ続けてすっかり色あせた感じの豊洲の町を選びました。

 築地市場の移転の問題から豊洲の町全体が有毒土壌の上に広がっているような印象で受け止められているのは残念です。高層ビルと緑の多い、若者と 子どもの声が響く元気であたらしい東京のイメージが横溢している町なのに。晴海通り沿いのレストランの前でふと見上げると夕顔が金網に巻き付いて意外にきれいでした。夕顔は夏の花でした。

 そこで、ふっと思い出したのが『天の夕顔』、戦前の中河与一の小説です。横光利一などと同時代の人ですが新感覚派でしたが、私にとってはすばらしい作品で何度も読みました。おそらく、もう、書店にはないでしょう。その中河与一の天の夕顔からもうひとつ、なんども読んだ作品を思い出しました。江馬 修の『受難者』です。こちらもページが擦り切れるほど読みました。

 どちらも、あえて、あらすじは紹介しません。はげしい恋愛小説です。

 

 

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伝統の未来って

2016-10-10 12:14:14 | 活版印刷のふるさと紀行

 会期が6日間と短いので気になっていた日本デザインコミッティの企画展「伝統の未来」の最終日にギンザ松屋に飛び込んで来ました。今年1月から順次開催されてきた小展の集大成という触れ込みです。

 「伝統の未来」というこの展覧会のタイトル、気になるのは私だけでしょうか。木工、金工、漆器、陶磁器、刃物、紙、染織、建築などの日本の伝統工芸を未来資源として再確認するというのが開催趣旨ならば、「日本の伝統工芸こそ未来資源」というようにわかりやすいタイトルにすべきではないでしょうか。

 会場ではアーカイブ展示物が人気を集めておりました。たとえば、角がすり減った木製の小物入れなど。まさか「カワユイー」とはいっていませんが、そんな表情でスマホをパチパチやっている若い女性の多いこと。私なんか、子どものころ田舎のおじいさんの家でよく見たもので、「懐かしい」感は大アリでしたが。

 酒のコーナーと旅館のブースはちょっと異質でした。もっとも日本酒のラベルがいっぱいのディスプレは気になりましたが。それと、わたくしにとっては身近な印刷の領域でこんな伝統工芸の展覧会ができたらなと思いました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、手仕事による伝統的な出品物には魅力的な作品がたくさんありました。とくに日頃、こういう機会でもないと接することの少ない金工、染織、紙などに目をとめました。伝統工芸、たとえば私にとって身近な印刷にあってもこういう領域での展覧会がほしい気がしました。

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