活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

クリスマスと日本の切手

2015-12-21 16:11:05 | 活版印刷のふるさと紀行

 クリスマスが目前です。年ごとに町中の照明が色鮮やかになってくるようです。この季節、海外の知己から舞い込むクリスマスカードも楽しみの一つです。

 きょう、ニューヨークから届いた封筒に貼られていたのは円型でクリスマスリースをあしらった切手でまわりにFOREVER 2015 GLOBAL USAなどの文字を読み取れる落ち着いた品のいいデザインです。

 最近、日本でも頻々と記念切手が出ているようですがクリスマスの切手はあるのでしょうか。それに、円形の切手もあまり見かけません。文化人だとか名所旧跡や草花やわりにオーソドックスな題材が選ばれているようでいま、私の手元にある82円切手は日本の城がテーマです。

 公募コンペになってもいいから、もっと新しい発想の絵柄で、ときには四角でない切手が登場するのも悪くない気がします。

 記念切手でイギリスやフランスの印刷会社で印刷しているのがあるように聞きましたが、最近、日本の民間印刷会社への発注例は耳にしていません。デザイン・印刷込みでコンペにするのもおもしろいのではないでしょうか。




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知らなかった平和展示資料館

2015-12-17 07:58:20 | 活版印刷のふるさと紀行

 忘年会のシーズンです。今日の会場は新宿住友ビルの48階の京料理店、朝日カルチュアセンターがあるから馴染みのビルなのに48階ははじめて。そこで発見したのが「平和祈念展示資料館」でした。いやに生真面目な館名だなと思いましたが、総務省委託とあったから納得。

 コーナーが3つありました。兵士コーナー、戦後強制抑留コーナー、海外からの引き揚げコーナーで日本人の戦争体験の労苦を写真や絵画、実物資料を通じて知ってもらおうというのがねらいのようです。ビデオもあります。

 時間がないので駆け足見学でしたが、戦後闇市派のひとりとしては興味深く、「やっぱり戦争は」の思いを強くしました。それにしても初めて目にした『臨時召集令状』のお粗末な印刷ぶりにには驚きました。赤紙だから赤い。しかし、なんとお粗末な赤色、こんなみじめな紙質、印刷の紙切れ1枚で軍隊にかりだされ、あげくに戦死ではと。

 さらに戦後、旧ソ連のシベリアやモンゴルなどで強制労働に従事させられた兵士たちの生活用品展示、一般民で海外から引き揚げてこられた人々の労苦の証拠品、とくに引き揚げ船内のジオラマには心打たれました。

 同じ日、朝刊には2015年を表す㈠字として清水寺で大書された文字が「安」だとありました。安倍政権、安保関連法案の安、テロや杭偽装などが醸し出した不安の安だとか。

 私は知りませんでしたが、多くの人に東京都庁のとなり、住友ビルで展示を見て平和を祈ってほしいものです。入館無料で9時半から5時半です。

 

 

 

 

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織田有楽斎の茶室「如庵」のこと

2015-12-02 11:25:35 | 活版印刷のふるさと紀行

  犬山で紅葉盛りの「有楽苑」を訪ねました。織田信長の実弟、織田長益(1547~1621)は晩年、京都建仁寺の正伝院の境内に「如庵」(じょあん)を建て、有楽斎如庵の名のもと、千利久七哲の一人として活動しました。いまは国宝の茶室として「如庵」がこの有楽苑に保存されているのです。重要文化財の旧正伝院書院や大阪・天満にあったという有楽斎の復元茶室「元庵」も見学しました。

 茶道のことも信長と十三歳違った有楽斎の生涯についてもよく知らないのでむしろ苑内の紅葉の美しさに目を奪われたというのが正直なところですが、利久を頂点とした「茶の湯」と信長、秀吉、家康との因縁についてはもっと知りたいことがたくさんあります。

 たまたま、前日、岐阜公園の菊人形展で信長の茶室を題材にした大がかりな展示を見たばっかりでした。

                


 信長の茶器をめぐってのエピソードのかずかずや秀吉の狂気に近い利久との確執は極端にいえば日本の歴史を左右するほどの事件含みでした。以前、秋山 駿さんが「信長が本当に茶の湯に打ち込んでいたかは疑問だ」と著書に書いておられたと思いますが、弟の有楽斎が武士を捨て茶道に打ち込んだのはなぜだったのでしょうか。彼が家康からもらった数寄屋橋御門近くの土地が有楽町の起こりで、あのあたりに彼の屋敷があったからだというのは果たして本当でしょうか。

  




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