さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

増やして絞って/二度目の欠場/これは見られず?/ジムオーナーに

2024-05-18 06:01:40 | 海外ボクシング


世界ヘビー級タイトルマッチ、両選手、計量の様子です。

ウシクは増量し、フューリーは絞ってきた、という対比らしいです。
フューリーが前回、いかに適当な調整でリングに上がったかは、一目見て明らかでしたから、それと比べて締めてくるのは、まあ当たり前ですね。そうでなかったら問題でしょう。
ウシクの方は、さらにパワーアップ、ないしは耐久力の強化を図ったということでしょうね。





さて試合ですが、要は体格で劣るウシク、さらにその弱点たるボディを、フューリーがどういう攻撃ルートから攻めるか、というところでしょうか。
そしてウシクがそれをどういう手立てで防ぐ、或いは抑える、対抗するか、という。
まずはここに注目しています。

そして、その攻防の前後がどう展開するか...フューリーが体格を生かして圧し、接敵して攻められるか。
ウシクが速い右リード、左ストレートを当てたあと、どれだけ体力を温存して立ち回れるか、でしょうね。


本日23時から配信、メインは明日未明か早朝か。他にもいろいろあって、長丁場です。
残念ながら全部張り付いて見るというわけにはいかんでしょうが(絶対寝ますよね)、メインの頃には起きて、ライブで見ないと、PPV買う意味もないですから...ある意味、見るこちらも闘っている、という感じです(笑)。


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で、今日は国内でも東西で試合があるんですが、帝拳の矢代博斗、Xに欠場を報告、謝罪する投稿をしました。





U-NEXTで見るだけの身ですから、残念だなあ、と思うくらいですが、当然会場に、彼の試合をお目当てで行く方々に対しては、申し訳ないことでしょうね。
「今後のことは決めています」とは、心配なことですが、もし引退のつもりなら、周囲が止めて欲しいと思いますね。
これで終わるには惜しい才能、素材です。

それに、確かに二度目の欠場は重大なことではあれど、昨今のあれこれを思うに、欠場するならするで仕方ない、と思ったりもします。
逆に、明らかにそうすべきものを、無理から試合に出ている?と言われて仕方ない事例もありますし、それはそれで別の問題が生じていますのでね。


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関西では、辰吉寿以輝の試合があります。前日計量パスの模様。





このくらいの知名度がある選手にしては、最近では珍しく、映像配信の話が聞こえてこない試合でもあります。
ジム側も何らかの形で対応出来ないのかなあ、と思います。
以前は日テレの関西系列局、よみうりTVや、ネット配信の番組で映像が見られたのですが...。


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元WBOフライ級チャンピオン、木村翔がジム開設とのことです。





本人がセカンドキャリアという言葉を出しているように、ボクサーとしてはもう区切りを付けるということなんでしょうね。
写真を見ると、場所も良さそうだし、施設も同じく。指導者として、ジムオーナーとして、良いスタートが切れるんじゃないでしょうか。
地元熊谷にて、まずはボクシングの裾野を広げる活動から、でしょうが、いずれはプロ加盟して...というところでもありましょう。
今後に期待ですね。

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今回は従来どおり日曜早朝メイン ウシクvsフューリー戦迫る

2024-05-17 17:40:44 | 海外ボクシング



さて、アルファベット要らずの「世界」ヘビー級王者が決まる試合が迫って来ました。
オレクサンドル・ウシクvsタイソン・フューリー、両者会見の模様。こんな感じ。





毎度睨み合って、アホそうな取り巻きがはやし立て、ばかりじゃ芸が無いし、こういう感じも面白いんじゃないですか。
タイソン・フューリー、そりゃだらしないとか、すっぽ抜けとるなとか色々思う反面、いざ勝負と真剣になったら、賢いし冴える人ですからね。
対するオレクサンドル・ウシクもまた、少々のことでは動じないでしょうが。


さて前回のサウジ興行、こちらでは土曜早朝だったのを知らずに見損ねてしまいましたが、今回は従来どおり日曜早朝ですし、しっかりチェックしようと。
今夜遅くに計量があるらしいですが、ヘビー級ですから計量失格はなし。
無事試合に出るようだ、と確認出来たら、PPV買って見ようと...思っていたんですけども。






来る日が来たらクロ認定かもしれませんから、今のうちや、ってなものでしょうが。本当に恥を知らんのやなあ...。
こういうの見ると、なんか購入意欲が減退しますねえ。
ま、どちらかと言えばウシク応援、という心情で見ること自体は、この馬鹿がどうであろうと関係ないんですけど。


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言いたくないけど、言葉の安売り 佐々木尽、復帰戦でノイナイをKO

2024-05-16 22:15:09 | 関東ボクシング




ということで今日はLeminoの方のフェニックスバトル。
強打の佐々木尽、左肩の怪我が癒えて復帰初戦で、日本人とは4戦して2勝1敗1分のサウスポー、ジョー・ノイナイを5回に猛攻、一気に詰めて最後は右でKOしました。

豊嶋亮太、そして小原佳太を立て続けにKOし、一気にウェルター級の「日本代表」に駆け上がったところでの負傷ブランクは、佐々木にとって辛いものでしたが、無事復帰して、左のパンチもぶんぶん振っていたし、結果も勝ちだし、まずは一安心。
そういう試合でした。そして、それ以外には、特に語るべきものがある、というところには届いていない、という試合でもありました。


正直言って、試合以外の部分で、見ていて収まりが悪いなあと思うことがたくさんありました。
ブランクの間に、つまり試合をしていない間に世界ランクが上がったり、4団体全部にランクインしていたり。
そして相手は日本で好戦績を残すフィリピン人ですが、あくまでフェザー、スーパーフェザーでのこと。
闘った相手は小原でも豊嶋でも坂井でもなく、阿部麗也、坂晃典、清水聡、尾川堅一なわけですから。

言えば、つつがなく復帰戦を勝利で飾ってほしい、というマッチメイクです。
ところがそれが、空位のOPBF王座決定戦を兼ねて、ダブルタイトルマッチになってしまっている。


そして、肝心の試合内容が、他に狙いをもって、というでもない、単に強打を「当て」にした強振で迫り、動きを止めて打ってこい、とやって、相手のパンチをインサイドから安易に打たれ、それを受けても攻め口変えず、また振り回して迫る...悪いですけど、攻防共に巧い拙い以前の問題。
やることなすこと、子供じみている、という印象。

ウェルター級だからどうという以前に、階級問わず、これで世界だ何だ、安易に言わないでほしい。世界という言葉も軽くなったものだ、と。
日々汗水垂らして己を鍛えて、ボクシングに打ち込んでいるはずの本人や周囲が、自らそれを軽くしてしまっている。自分でやってて、何とも思わないのか。
世界世界と、言葉の安売りが過ぎる。きついようですが、そんな印象でした。


昨今、ボクシング界にたびたび暗雲もたらす計量失格問題、その当事者のひとりであり、その挫折をきっかけに、キャリアを終えてしまっていたとて不思議の無い状況から、本人及び周辺の努力でここまで這い上がり、再び脚光を浴びている佐々木尽には、今後、世界への本格的な進出、挑戦があってほしいし、その過程をつぶさに見られるとしたら、それにまさる喜びはありません。

しかし今日の試合内容に、そのような、前向きな要素はほぼ無かったと思います。
良かったのは、パワーの差どおりに倒して勝った、という結果のみ。
深刻な怪我からの復帰初戦ですから、まずはそれで充分だ、とは言えるにせよ、世界どうというには中身に不足あり、というのが、率直な感想でした。




アンダーカードはKOが多く、21時前にはメインが終わりました。
セミは関西対決で、井上尚弥のスパーリングパートナーも経験しているというミツキジムの津川龍也が、森岡ジムの森田翔大を2回TKO。
ジャブで叩いて右で追撃、ボディブローで早々に倒すという、圧倒的な強さで、中学生の頃の雪辱を期したという森田を寄せ付けませんでした。

試合後は大橋会長に、タイトルマッチをお願いします、みたいなことを言っていましたが、だとするとOPBF王者中嶋一輝との試合が組まれたりするんでしょうかね?
これもまあ、厳密に言うと関西対決なんですが。
WBOアジアパシフィックの方はTJドヘニーで、こちらは井上尚弥戦も取り沙汰されているらしく、ちょっと無理そうですけど。
日本は下町俊貴ですが、関西同士で...まあ、組みやすいのかもしれませんが。

個人的には関西ナショナリズム全開で(笑)是非、東の上位陣とやってほしいですね。
石井渡士也、池側純など、強い選手がいますしね。村田昴もいますが...いますが...。



中垣龍汰朗は判定勝ちで連敗脱出。
相手はタイ人だったので、遂にコロッとと行くようなのと組んだか、いっぺんくらいそういうのがあってもええんやで、と思っていましたが、ラドチャードという選手が全然そういうのと違い、フォームもしっかり、パンチもけっこう切れ、闘志もあって、中垣のパンチでは倒れてくれなさそう。
判定はクリアに中垣でしたが、変にというとなんですが、きちっと引き締まった試合内容でした。

その前の試合は、えらく体格差のあるタイ人が出ていましたが。
中島海二、スケールの大きな中量級の逸材だと思いますが、今日の試合は、あまり実のあるものではなかったですね。



で、井上尚弥御大の幼馴染み、元Jリーガー(でしたよね)という山口聖矢は、空手の経験アリという鈴木将斗に、初回左フックから追撃され、ダウンするも、2回以降右クロスで反撃、2-1の判定勝ち。
リングサイドで見守る御大も安堵の様子でありました。

判定については、初回10-8鈴木、2回山口、3回が微妙で4回山口、という感じか。山口の挽回、という見方はある、と思います。
しかしそれ以前に問題あり、ではないかと。この試合、初回にストップすべきじゃないんですかと。

山口がダウンし、再開したあと、鈴木の右が頭部にクリーンヒットした場面。さらにその後、鈴木が連打で打ち込んだ場面。
いずれも山口の身体が大きくのけぞり、よろめき、なおも打たれているけど止めなかった。
いつもの、普通の4回戦なら、止めているでしょう。でもそうしなかった。何故?

結局、こういうところがなぁ...と、まあいつもどおりの、苦い思いが心中に広がりました。
試合自体は4回戦としてはかなりの好ファイト、といえる試合だったのに、こういうのは嫌なものです。ホンマにもう...。

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色々と目論見あれど、思うように行かないもので

2024-05-15 19:08:05 | 関東ボクシング




さて、AmazonPrimeVideoは先日のドーム決戦配信で、相当な視聴者数を得たことでしょうが、その勢いに乗って?か、単なる通常運転なのかはともかくも、次の配信試合の話が出ています。





WBCバンタム級チャンピオン中谷潤人の防衛戦は、指名試合となり、1位ビンセント・アストロラビオとの対戦。
これは話に出ていたとおりですが、日時が記事の中にさらりと書いてありまして、7月20日、有明アリーナとのこと。
この会場、抑えやすいのか、それとも早めにまとめて抑えてあるのか知りませんが、よく使われますねー。


で、ここに那須川天心の試合が入るかも。WBOアジアパシフィックのランキングが1位になった、という記事も出ていましたが、まあAPタイトルマッチになったとて、ならなかったとて、要は相手次第ですね。

あと、WBOフライ級の空位決定戦がここに入るかも、とは容易に想像がつきます。
加納陸vsアンソニー・オラスクアガ戦ですね。
ルディ・エルナンデス、当日は大忙しでありましょう。


そして、フライ級戦線の話になるのですが、WBAはユーリ阿久井政悟が、3位の桑原拓相手に防衛したばかり。
ちなみにWBA、1位が空位で2位が京口紘人になっていましたので、上位陣が入れ替わる可能性あり、ですね。

WBCは、色々と危うい感じのJCマルチネス。日本のボクシング界、これには触らんとこ、という感じでしょうか。

で、WBOは空位を決めるとして、残るIBFにも動きがあった模様です。





なんかもう、大々的に出てます。

IBFフライ級王座決定戦、デーブ・アポリナリオvsアンヘル・アヤラの入札は、ザンファー・ボクシングが落札。
25万5000ドル也。
大橋プロモーションの21万5000ドルを上回った。

大橋プロモーションと契約のあるサウスポーのフィリピン人アポリナリオ、日本でも二試合やっていますが、当初はWBAの上位だったので、阿久井がダラキアン攻略なれば、その次の挑戦者候補なのかと思っていました。
しかし阿久井に遠慮した?のか、IBFへ舵を切ったところ、入札で勝てませんでした。


先日、韓国で意外な判定負けを喫した京口紘人は、アポリナリオvsアヤラ戦の勝者に挑戦する交渉が進んでいたようです。
パラス戦前、京口と伊藤雅雪プロモーターとの対談動画で、そのような話が出ていました。
当然、アポリナリオが王者となれば、大橋ジムとの交渉もスムースに行くだろう、という見通しだったのでしょうね。

今回、大橋ジムが入札に勝っていれば、井上尚弥や拓真、武居由樹らの防衛戦...を待たずして、7月20日の有明で、アポリナリオvsアヤラ戦が行われていたのかもしれません。
そして、パラスに勝った京口が、その次の試合で、天下晴れて挑戦する、と。

しかし、京口は試合に負けてしまったし、入札でも負けた。
物事、なかなか思うようにはいかないものです。ましてボクシングともなれば、なおのこと。



こんなことなら、少し前にちょっと書いたように、いっそドームで阿久井に京口が挑むカードを組んでおけばみんな幸せ、丸く収まって、ややこしいことにならんで済んだやおまへんか、と...変に出し惜しみするから、思わぬ形で躓いたり、足元掬われたりするんや、と...。
まあ、繰り言です。わかって書いてます、ハイ。

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枠が減らされかねない 負傷ドローは不運だが

2024-05-14 20:39:49 | 関東ボクシング

そういうとことで、駿河男児ジムのFODプレミアム、フェニックスバトル枠の配信試合ですが、つい先ほど終わりました。
メイン終了は20時前だったでしょうか。


元日本Sバンタム級王者、ゾンビの異名を持つ36歳、田村亮一に、新鋭の森朝登が挑んだカードは、初回負傷ドロー。
バッティング一発で森の額が切れ、傷がかなり深かった模様。骨が見えていたとか?

こればかりは仕方ない、誰がどうというのでもない不運としか言えないのですが、そこまでの流れがどうにもこうにもだったので、全体としてイメージがよろしくない興行となってしまいました。


セミは和氣慎吾が、タイのプラティップを2回に三度倒してKO勝ち。
小柄なプラティップ、初回から強振を見せたが、技量の差は歴然でした。

そしてセミセミは、昨日触れた、両者仲良く体重超過という珍しい一戦。
木村蓮太朗、当日午前10時に双方合意の体重をパスして試合に臨み、左ボディ一発で初回KO勝ち。
試合後は反省の弁を述べていたようですが、もう聞くのも辛いというか。
フジのアナウンサーも言葉選びに難儀してはりました。余計な面倒かけんなよ、と...。



先月のFODプレミアム配信は、いわゆる三迫枠、ダイヤモンドグローブの興行で、藤田炎村vs李健太、仲里周磨vs三代大訓再戦の二本立てで華やかでした。
しかし以前から言われるとおり、FODプレミアムにおける大橋枠、フェニックスバトルの方はどうにもこうにも。
今回も、元々カードが弱い上に、体重超過の一件が加わり...そりゃ、人知れずやって終わる普通の興行ならまだしも、有料で配信するにはあまりにも、としか言えないものになってしまいました。


個人的なことを言えば私、ダイヤモンドグローブとフェニックスバトルを見るためだけに、視聴料を支払っているわけで、いわば実質、PPV買っているようなものです。
毎月、試合前にならないとログインもしないものですから、いちいちIDやらパスワードやら入力している有様で。
まあ、それはお前の勝手やろう、他にも見るもの探して見たらええがな、と言われればそうなのかもしれませんが...。


しかしホントに、今日のだけは色々と「不合格」じゃないかなあ、と思います。
近々、FODプレミアムのボクシングは、三迫枠だけ残して、隔月になっても何の不思議もないですね。
別にそれでも構わない、のかもしれませんが、せっかくの枠があるのだから、何とか活用していってほしいなあ、と...貧乏性かもしれませんが、そう思います、ハイ。



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もはや年中行事ですが、両者揃ってとは...

2024-05-13 17:25:00 | 関東ボクシング


さて東京ドーム決戦も、韓国での試合も終わり、それぞれにいろいろとありましたが、週が明けてもライブ配信が続くというのが、昔とだいぶ違うところです。


で、明日はFODプレミアム、木曜はLeminoと続きます。
それにつけても大橋ジムのフェニックスバトル、以前はFODプレミアム隔月、Leminoも隔月だったものが、今やLeminoも毎月になり、ときに月二回のときもあり、韓国でも年に数回...大橋会長倒れやせんかと心配になります。
今回は静岡の駿河男児ジム主催の形をとる、お馴染みの興行ですが...またしても、な事態が起こった模様。





そりゃ、計量失格はよろしくありませんが、両者揃ってというのは、さらによろしくありません。
本人も反省の弁を述べていますが、やっぱり水抜き減量法というのは、どこか博打というか、失敗したら取り返しがつかんものらしいですね。

もはや年中行事というべき勢いです。
最近では大きな試合なんかだと、前日計量のニュースが心配で仕方なかったりします。
以前、ほいほい東京や名古屋へ、遠足観戦に行っていた頃は、こういう心配はあまりしていなかったものですが、最近こういうことが激増していますので。
実際、そういうのに出くわしたこともありますし。

以前も書きましたが、コミッションの管理や処分どうだけではなく、協会、つまり業界の側にも、自発的な取り組みが必要だと思いますね。
暇割いて身銭切って、会場に足を運ぶ観客が一番損をするわけですから、それは商売としてどうなんや、という話になりますので。


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忘れた頃に下を打つ ロマチェンコ健在、豪州で王座復帰

2024-05-12 18:35:01 | 海外ボクシング




そういうことで今日はWOWOWオンデマンド観賞。
心なしかいつもより画質が落ちたような印象でしたが、月曜のTV放送はいかに、というのはおいといて。
一時は統一世界ライト級王者だった豪州のヒーロー、ジョージ・カンボソスの地元に乗り込んだワシル・ロマチェンコが11回TKO勝ち、IBFライト級王座を獲得しました。


祖国ウクライナが戦禍に見舞われはや二年を超え、その苦衷たるや察してあまりあるロマチェンコ、一時トレーニングを離れていたとか聞きますし、年齢のことも考えて、そろそろ目に見えての衰えがあるのやも...と思っていましたが、余計な心配だったようです。

ちゃんと打った後も足が動いているし、解説のジョー小泉、西岡利晃両氏(西岡が少年時代からの昔馴染みですね、お二方)が言うとおり、強く打ち込まぬ代わりに丁寧に外す、以前から変わらぬ型で、着実にポイントをリードしていく。
逐一速いし、敏捷で、少しでも隙を見せるとパンチを差し込み、また外す。
対戦相手が、疲れやダメージやという前に、気疲れしていくようなボクシングですが、カンボソスは集中を切らさず食い下がっていて、さすがと思わせる。

しかし8回くらいから徐々に立ち後れが目につき始め、右瞼のカットもあってやはり苦しい。
ポイントは6回に取ったかと思ったが、後続の回をしっかり抑えられ、判定では勝ち目無し。

ロマチェンコは終盤に向けて、バックステップ前提の打ち方から、より近くから打ち込む打ち方へと、徐々にシフトしていく。
11回、左ストレートがクリーンヒット、もつれてカンボソス倒れる。これはスリップ判定だったが、ダメージありそう。

と、直後にロマチェンコの左ボディアッパー。
誰もが一瞬、それを忘れている時に、ロマチェンコだけが下への攻撃を狙っていた。
これまた以前よく見たパターン、そのまんま。カンボソス、ダメージ受けて座り込むようにダウン。
立ったがまたボディへ追撃、容赦なし。レフェリーストップ、僅かに遅れてタオルが飛び、ロマチェンコのTKO勝ちとなりました。


ロマチェンコ、最近のいくつかの試合では、以前よりも苦しむ印象がありましたが、今回は以前の姿に戻ったというか、こちらが思い描くロマチェンコの姿をほぼ再現するような試合ぶりでした。

それにしても、フィニッシュの上下の打ち分けは、やっぱりこの人、思想が違うというか。
普通は下打って止めて弱らせて、上打って効かせて仕留める、というものでしょうに、この人は上へのヒットを(軽打中心ながら)前段に使い、それが効いたら、下で仕留める。
普通は上(顔、頭)には簡単に当てられないから、下から攻めようとなるのですが、この人は上へのヒットが軽いながらも取れるから、こういう順番でも成り立つわけです。
しかもそれを、みんなが忘れた頃、試合終盤になって突然やるんですから...以前から、やはり並外れているなあ、怖いお人やなあ、と何度思ったかしれませんが、久々にそんな姿をしっかりと見られた試合でした。

今後については、引き続きトップランクのリングで闘うのでしょうから、話としても限られては来るんでしょうが...しかし昨今は、そういう話を力づくで吹き飛ばすような話もいろいろあったりしますんで、ひょっとしたら会社の違いを乗り越えてのジャーボンテイ・デービス戦、なんてことも...あったりしませんかね。
出来れば、その技巧健在のうちに、と。そう願わずにはいられません。




アンダーでは、セミファイナルの女子のタイトルマッチで、試合後の判定コールが間違いだったとして、勝敗が逆転するという、滅多にないトラブルが起こる。
あまりにもと言えばあまりにも。酷い話です。エキサイトマッチでは以前、アイク・クォーティーか誰かの試合で一度、ややこしいことが起こったような記憶あり、ですが。
しかし、昨日の韓国の試合もそうだったんじゃなかろうか、といまだに思ってしまいます。まあ、それはそれとして...。


アンドリュー・マロニーとペドロ・ゲバラの試合は、僅差で割れてゲバラの勝利。
試合が進むに連れてゲバラの手数、ヒットがなだらかに増えていき、小差ながらゲバラがラウンドを取っていくという印象どおりの判定でした。

ゲバラ、WBC暫定王座獲得ですが、日本勢との絡みも今後あるのでしょうか。
或いはジェシー・ロドリゲスが、ファン・エストラーダを下したら、その先に新旧対決があるのか。
何しろ息の長い選手です。爆発力や切れには欠けるが、自分の型を持っていて、技術レベルは安定して高いが故、でしょうね。



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今日は色々驚き 京口紘人まさかの判定負け 比国でも驚愕の一戦あり

2024-05-11 21:24:51 | 海外ボクシング



えー、今日はのんびりU-NEXTを見ておったんですが、勝負の世界とはなかなか見る者が勝手に思うとおりにはならんものだ、とわかってはいても、久々に我が目を疑うというか、理解出来ない判定に出くわしました。


京口紘人vsビンス・パラスの再戦。
パラスは積極果敢、されど一本調子、振りの大きいパンチを、力入れて打つがミス多発、という闘いぶりに終始。
京口は防御の足が動き、膝も柔らかく使えていて、パラスのパンチをほとんどまともにもらわず。

攻撃では右クロスの強打を決めることこそ出来ませんでしたが、3回当たりから左ボディブローの効果が見え始める。
パラスは打てば打つほどフォームが乱れ、ボディのダメージを堪えながら攻めるが、ほとんどヒットが取れない。

それでも終盤もパワフルなパンチを振るって、京口に迫った闘志は立派。
しかしポイントは京口が少し見た?6回以外に、パラスに振れる回はなかったように思いました。


しかし判定はパラスを支持。しかも、割れてもいない。
判定結果を聞いて、これだけ驚いたのは久し振りです。
それこそ、師範代が弟子に稽古を付けているような内容に見えたのですが。

大真面目に、これは集計ミスか何かじゃないのか、赤と青のコーナー、間違えてへんか、と思うほど。
しかし今のところ、どうやらジャッジ三者が、本当にそういう採点をしたことは事実のようです。


正直、ちょっと信じられないです。
60年代の日本や韓国から、タイムマシンに審判三人乗せて連れてきたのか、という感じです。いや、それでもこれはどうか...。
少なくともこの内容をホールでやってたら、普通にフルマークになっていたことでしょうね。


京口陣営、または伊藤雅雪率いるトレジャープロモーションは、IBFタイトルに照準を定めていたようです。
普通に負けていたなら、これで世界路線にブレーキ、という話になるでしょう。
しかし今回のこの内容は、そういう普通の話とは違う、と思います。

まずはIBFにこの試合の映像を送り、ランキングを落とさないように要望すべきです。
その先に、やれ再戦だなんだという話になる...のは、やはり普通の場合であって、これだけクリアに差を付けている相手と、なんでそんなことせなならんのか、と。
もし、次の試合で当初の「路線」どおり、IBFのタイトルマッチに出られるとしたら、それでも構わないのではないか、と思うくらいです。
なかなかそうもいかんのかもしれませんが...。


とにかく、このおかしな結果を受けて、陣営がどう動くかが気になるところです。
思わぬところで大変な「仕事」が生じた形になりましたが、京口陣営や伊藤プロモーターの「健闘」に期待...せねばならなくなりましたね。


===================


で、こちらはネットで結果見て、これまた驚き...驚天動地、と言って大袈裟ではない番狂わせが、比国で起こりました。





あのマーロン・タパレスが再起戦を初回KOで飾ったのと同じリングで、WBOバンタム級新王者、武居由樹にいずれ挑むであろう、1位レイマート・ガバリョが、まさかの...。
しかも対戦相手が...。

今回の、ガバリョのカードを知ったとき、酷い試合組むものやなあ、誰がこういうこと考えるんやろうと、失礼ながら思ったものです。
健文トーレス、最近の試合映像では、色々と「もう無理」と思うほど打たれ脆く見えたもので。

しかし結果は...今更ですが、本当にボクシングは怖いです。
常日頃、わかったような調子であれこれつべこれなんやかやと書き連ねておいてナニですが、これほどわからんものはない、というしかありません。

そして、健文トーレスには脱帽です。
京橋のIMPホールで三谷将之と闘ったのを見たのが最後ですが、いやはや...ここで、この相手に勝ちますかね...。



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ジャブでもっと「ええ格好」をしてほしかった 石田匠、ダウン奪うも井上拓真に敗れる

2024-05-10 06:02:01 | 関東ボクシング


そういうことで東京ドーム決戦、もうひとつの日本人対決は、井上拓真が石田匠に判定勝ちでした。


ジャブでも効かせる、倒せるというのは、そのボクサーが持つ、ある種の才能の証です。
東京ドームの大観衆は、その眼前で、確かに石田匠が特別なボクサーであることを、まざまざと見ました。
スナップで打つジャブ、その拳の芯が、相手の身体の軸を瞬間的に捉えたからこそ、本来のパンチ力以上の効果が生まれ、ダウンシーンが起こる。
しかもそれが、あの井上拓真に起こったのですから。


正直、試合内容にも、もっと言えば関西依怙贔屓心情による石田匠の勝利にも、過度な期待はせずに見ていたので、初回早々に、余りにも予想外の場面を見て、驚くとともに、一瞬心が沸き立ちました。

しかし、そこに至る過程も、その後の展開もそうでしたが、石田はジャブを打つ前後に動いて外すことをせず、むしろ自ら身体をかがめて近寄り、さらに打っていく構えで闘っていました。
当然井上拓真は右アッパー、左フックなどを繰り出し反撃。3回が終わるとポイントはイーブンに戻っている。
この回終わりのスロー映像をバックスクリーンで見ると、もう石田は鼻血を出していました。

中盤も井上が有効打で上回っていく。石田も右ストレートが当たる場面はありましたが、距離は中間から接近する繰り返しで、ガードの締めも甘く、距離で防御するタイプの石田にとり、どうしても打たれる頻度が高い展開。
さりとてジャブから右ストレート、さらなる追撃が、井上拓真を突き放し、打ち込むだけの質量を持つかというと、そうではない。

桑原拓にも通じる部分ですが、見ていて、いったい彼はどういう勝算をもって、この試合を闘っているのだろうか、と不思議に思いました。
自信の特性を半ば無視している。長いジャブを駆使し、初回にダウンを奪ってもいるのだから、その嫌な感覚を、井上拓真に上塗りしていくような闘い方をするべきなのに、むしろ簡単に挽回の機会を与えている。

ジャブを鋭く繰り出し、当たらずとも見せて、遠目に立って反撃の回数に制限をかける。
来たらクリンチして、右クロスを強振するのは時々でいい。
初回ダウンで2点を「先制」したのだから、なおさらそれを元手に、序盤の内はペースを掴むことに専念するべきだった、と見ました。

さすれば井上拓真といえども多少は焦り、また綻びも見えてくるかも知れず。
もちろん色んな面で優秀なボクサーではありますが、兄ほどの爆発力を持つ攻撃マシーンではないのも、また事実ですので。


しかし実際の試合はというと、ジャブの応酬のあと、自分から寄っていくのは長身の石田の方。
短躯の拓真の方が右アッパーで迎え撃つ。「逆や」と何度思ったか知れません。
そしてパンチの交換になれば、小回りが効き多彩な拓真の方が、長身で構えを締め切れない石田より当然有利。
中盤、終盤と拓真が打ち勝つラウンドが続き、石田も意地を見せて打ち合いましたが、判定は拓真の勝利となりました。


井上拓真は、昨今の常識で言えば短い間隔の、調整も難しかったかもしれない試合で、初回に、それもジャブでダウンを喫するという、思えばなかなかの試練を、終わって見れば無かったことのようにして勝ちました。
この辺はやはり、大したものだと思います。どんな状況でも、自分の力をしっかり出し切れるというか。
もっとも、相手の出方に助けられた面もあったでしょうが。


石田匠は、終わって見れば大敗に近い負け方でした。
初回に見せた、一級品のジャバー、その面目躍如と言えるダウンシーンは見事でしたが、それ以外は自分の特性を生かせないボクサータイプ、という意味で、晩年の井岡弘樹にも似た、見ていて辛い闘いぶりでもありました。

しかし、せっかくの初回だったのだから、もっと自分の最大の武器であるジャブで「ええ格好」をしたらええのに、と思わずにはいられませんでした。
あのジャブをもっと前面に、試合全般に押し立てて闘うことを、本人が由としていない?ように見えたりもしました。
むしろ前に出て攻めよう、打ち勝とう、という風な試合ぶり。しかしそれは、彼本来のスタイルとまったく合致していない。
まるで、世界戦だから、ドームという大舞台だから、打ち合って勝つ試合をしないといけない、という感じにさえ見えました。

挑戦者の立場で、そんなことまで考える必要は全然無いはずなのに。
むしろそんな「余計」を押しつけられて苦しむのは、井上拓真の方だったはずなのに。


石田匠は、年齢的なものも含め、背筋を伸ばして遠目からジャブを伸ばし、フットワークでリングを舞い、距離で防御をして捌く試合運びが出来るコンディションではなくなっている。
言ってしまえば、ただそれだけのことなのかもしれません。
かつて戸部洋平を破ったときのような、石田匠のグッドジャバーぶりと、それを生かして勝利に繋げる闘いが出来ていた頃を見知る目には、残念な試合でした。


まあ、初回を取り除けば、こういう感じになるのだろうな、と想像していたのと、ほぼ違わない試合でもあったのですが。
そういう面では、この日の井上兄弟はよく似た試合をしたのだ、とも言えましょうか、ね。



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この日の第一試合に出た、リザーバーのTJドヘニーは、フィリピンのブリル・バヨゴスという選手を4回TKOしました。

この日の興行は、16時第一試合開始とのことでした。
Amazonの配信スタートはいつも、冒頭からVTR流してトークして、時間があるから、すぐ始まるわけでもなし、と思っていたんですが、これが勘違い。
Amazonの配信は17時からだということを、うっかり忘れていました。

ということで、16時過ぎ。初めて中に入る東京ドーム、さすがに広く、席までけっこう歩く。
で、その広い通路でモニターを見上げると、もうドヘニーさんが闘っていました。あらま、と。
どうやらパワフルなボディ攻撃などで優勢の模様。
席について程なく、ドヘニーがダウンを奪う。
しかし次の回、バヨゴスに反撃されて、ちょっともらった?しかしまた倒して、TKOとなりました。


全試合が終わって、水道橋駅への途中、ファン数名と笑顔で写真を撮っているドヘニーさんを目撃しました。
改めて、今日のメインで、挑戦者がややこしいことをすることがなかったのは、この人の貢献あらばこそ、でした。心中密かに感謝した次第です。



そういうことで東京ドーム、当然ながら外から眺めたことは数知れずありましたが、今回初めて中に入りました。
当然ボクシングも初めて。少し触れましたが、覚悟していたよりも見やすく、近く感じ、席の位置も良くて、視界が広かったですね。
ときに双眼鏡を駆使して、思っていたよりもずっと、子細に試合の様子を見ることが出来ました。
後に当然、Amazonの配信映像も見ましたが、割と見たとおりのことが起こっていたなあ、というところです。

ただ、まあお前に関係ないやろうと言われればそうですが、野球場としてはやっぱり狭いんでしょうね。
甲子園球場などと比べて、左中間と右中間の膨らみがほぼ皆無、ポールからセンターまでほぼ直線というのは、野球場としては歪としか。
また、こけら落としのタイソン戦が88年でしたから、もう老朽化がどうと言われる時期でもあり、実際読売ジャイアンツの移転(一時的?)という話も持ち上がっているんだとか。

しかし、ここでタイソンが二度闘い、二度目は負けたのかとか、辰吉丈一郎がデビュー二戦目を闘ったのか、高橋ナオトは要らざる試合を闘って負けたのだなあ、吉野弘幸はここで初めて日本チャンピオンになったのだった、天才坂本孝雄を倒して...そうだ、浜田剛史の再起戦は、結局幻に終わったんだった...等々、色々と感慨深くもあり。

遅かりしとはいえ、この会場でボクシングを見られて、良い思い出ができました。
果たして、次の機会があるものかどうかは...ちょっと難しいでしょうが、かなうことならば、という気持ちでもあります。






※写真提供はいつもどおり「ミラーレス機とタブレットと」管理人さんです。
いつもありがとうございます。



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意地に殉じた?挑戦者を、冷静に退ける ユーリ阿久井政悟、桑原拓に今度は判定勝ち

2024-05-09 12:30:26 | 関東ボクシング



そういうことで東京ドーム決戦、4大世界戦の残り二試合は、いずれも日本人対決でした。
まずは最初の試合から感想。


WBAフライ級タイトルマッチ、岡山の星ユーリ阿久井政悟が、かつて破った同世代のスピードスター桑原拓と再戦。
パワーアップを自らに課し、さらにスピードも生かすスケールアップの途上にあると喧伝された桑原は、確かにある面においては、前回よりも成長した姿を見せたように思いました。

初回から速いコンビネーションが遠目にも映えて見える。左フックが飛び、ワンツーふたつ、ボディ攻撃も出る。
従来どおり速く、威力も前回よりあるような。

しかし阿久井の前進を食い止める効果が見えない。両ガードを掲げた阿久井がプレスかけて打っていく。
こちらは追いながらバランス乱れず、打ちたいパンチを無理なく打てている。しかもスピード自体、桑原と差が無い。

2回にはもう、右で桑原がのけぞっている。肩越しに右クロスが飛ぶ。
4回、阿久井の左ボディが決まる。ラスト、打ち負けている桑原、右クロス決める。


中盤以降も、桑原の速いパンチが変わらず出るが、ほとんどが阿久井のブロックに撥ねられている。
阿久井はインサイドから、的確な強打のヒットを重ねて行く。


6回、桑原は左右のボディフック連打から、上に返してヒットを取る。
しかしアウトサイドからのパンチは、桑原の闘志を伝えるものではあるが、大半が有効打ではない。
7回、アッパーを外された桑原が、阿久井の右ショートから追撃される。
8回、阿久井の右が飛ぶ。桑原、頼みの足が止まり加減になってくる。
9回、桑原身体を大きく回して右、左。しかし疲れているときに身体を大きく動かして打つ、要は無理をしている。

10回も阿久井の右で桑原が後退。11回、桑原連打で意地を見せるが、それ自体が...後述しますが。
最終回、展開変わらず。阿久井のヒットで桑原、クリンチに出ざるを得ない。

判定は3-0で桑原。10対2か9対3というところだったようです。


桑原拓は雪辱を期す闘志に満ちて、それを果敢な連打攻撃で表現していたように思います。
しかし、同時に最初からトップスピードを出し、打つパンチの数が増えているにも関わらず、阿久井を食い止められない。
結局、喧伝されたパワーアップとは、阿久井を打ち込んでさらに攻め込むには足りず、打っては動いて外す、言えば従来のスタイルにならざるを得ない程度のものでしかありませんでした。

ならば距離を取り、リズムで動いてヒット・アンド・ランに徹し、パンチの数を無闇に出すので無く、パワーアップしたパンチや身体の力は要所で生かす、という闘い方をすべきなのではないか。
試合を見ながら、勝つためにどう闘うべきか、というより、自分の思い描いたパワーアップ後のボクシングをやりたい、見せたい、というエゴが勝っているなあ、という印象がぬぐえませんでした。
打っていっても防がれているし、その前後を捉えられ、打たれている展開で、その現実を直視せずに意地を張っている、というのか。
結局その展開は最後まで変わらず、正直に頑張って、やったことのぶんだけ疲れて、終盤さらに打ち込まれ、連打で意地は見せたものの、クリアに負けました。

終盤に来て、身体ごと振り回すようなパンチを打ち、半ば捨て身で連打攻撃を仕掛ける姿を見て、それは心情的には称えたい面もあるにせよ...世界タイトルを獲るために戦うコンテンダーとしては、不足している、と共に、間違っている部分がある、と思った次第です。



阿久井政悟は、王者としての風格さらに増し、という風でした。
攻防共に安定していたし、地方ジムにあって世界タイトル奪取ともなれば、色々とお祝いの場も数多かっただろうし、その辺だけがちょっと心配、という声も聞きましたが、蓋を開けたら隙も緩みもほぼ見えない。
要らん心配、邪推やったなあ、というところでした。
ただ、対戦相手の、持てる力をより有効に生かす組み立てを考えない闘い方により、攻防それ自体はともかく、試合展開には難しいことは特になかった、という意味では、初防衛戦としては容易い部類の試合だった、とも言えましょう。
次は上位との対戦になるでしょうし、王者としての闘いはこれからが本番ですね。


しかし岡山から初の世界王者だけでも悲願達成、なのに、初防衛戦が東京ドームとは、本当に夢のような話だったことでしょうね。
その舞台でも、いつもどおりに冷静に、淡々と闘っていた阿久井、大したものだなあと感心しました。
この選手、ひょっとしたらこちらが思っていた以上に、これからさらに大を成す王者になるのかもしれませんね。
まあ、そうなってくれたらいいなあ、という願望がだいぶ入ってますけども。
今後は相手次第で闘い方の幅、というあたりが色々、問われるのかもしれませんが。


コメント (4)
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