青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

最高のトワイライト ~伊勢志摩の旅一日目~

2009年09月22日 14時09分18秒 | 日常

(画像:閑散)

では、ぼちぼちと志摩半島の旅をご報告して行く事に致しましょうか。
昨日の夜遅くに帰って来たんだけど、腰は痛いし渋滞長いしできつかったわあ。
最近関東甲信越のお手軽ドライブしてばっかだったから、衰えを感じてしまったよw
トップ画像は初日の伊勢湾フェリー、11:40発鳥羽行きの船内より。
高速1,000円の打撃ぶりが分かる閑散とした船内。
広場と勘違いしたガキ、はしくりまわりw

出発はAM5:00、神奈川県の某所から。
出掛ける前にJARTICのHPで渋滞情報をチェックしたのだが、
この時点で既に伊勢原バス停10km、駒門PA10kmの渋滞。
予想された事とはいえ気合入ってますなあw
高速1,000円時代の渋滞回避術は、本末転倒だが高速を使わないことw
即座に予定変更、小田原厚木~箱根新道~R1経由で沼津まで。
あ、ちなみにR1三島と沼津ICを結ぶ伊豆縦貫道と言うのが供用されておりまして、
凄くスムーズにアクセス出来た事を申し添えておきます。かなり使える道です。

定番の富士川SA下り線お立ち台。既に上下線ともかなりの車の量。
渋滞を抜けたと思いきや、静岡ICの手前から清水ICまで11km渋滞。
渋滞抜けたら、袋井IC先頭25km、浜松西IC先頭10km、三ケ日~豊川断続…
とハイウェイラジオの機械的な声が次々に渋滞情報を読み上げる。
さすがにこれでは限界かな、って事で袋井先頭の渋滞のケツに取り付いたところで白旗。
菊川ICで東名を捨て、取ったルートは静岡r37~79~385~38~249~409~69~R150~遠州灘大橋~R1~浜名BP。
浜名BPのほうがよっぽど高速道路らしい速度で運転出来たぞw
これで静岡県脱出。

 

R1潮見坂からR42へ入り、メロン畑以外はとりとめのないような景色を見ながら伊良湖岬へ。
伊良湖のフェリー乗り場到着は11:30。
家から6時間半だが、東名にしがみついてたらもっと遅かっただろうな。
「次の便がもう出ますんで、急いでキップ買って来て下さい!」
え、乗れるの。
シルバーウィーク初日の午前中だし、鳥羽に渡るには何便待つかなと戦々恐々だったんですけど(笑)。
見渡せばフェリー乗り場はガランとしており、なんか高速1,000円の影響をモロにかぶっちゃったみたいね。
確かに車1台+大人2名、往復割引でも15,000円では、値段的に話になんないよねえ…
船倉に積まれた車も、スペースの半分以下と淋しい数だ。

  

 フェリーのタラップが巻きあがり、定刻11:40に伊良湖港を出航。
左手に伊良湖岬の灯台を見て走り出したフェリーは、やがて伊勢湾の海原へ。
いやあ~、しかしいい天気だ。
客入りは悪くても、ここまで天気がいいと船の旅もいいもんじゃないですか!
伊勢湾に白波を立てて走るフェリーの旅は爽快であり、目に映る景色は蒼海である。
デッキで売店で買ったソフトクリームなんぞを食いつつ伊勢湾に浮かぶ島々を眺めていると、
岡崎とか豊田でネトネトした渋滞に捕まっている連中なんか、バッカじゃなかろかルンバでしかないなw
写真の島は神島。三島文学「潮騒」の舞台となった島でもあります。

約小一時間の船旅にて鳥羽港到着。
三重県に上陸致しましたが、まあ何回か来ている県なんで改めての感慨はw
車を出して瞬間、目の前の道路に並行して走る線路をビスタカーが通過。
志摩と名古屋、大阪、京都を結ぶ近鉄特急です。

ちょうどお昼時ではあるが、めぼしい店が見つからなかったのとさっさと走りたかったのもあって、
道路沿いの土産物屋で弁当を購入し早速志摩半島ドライブに突入する事に。
あ、そう言えば鳥羽の駅前にかっぱ寿司があったなw
せっかく鳥羽まで来てかっぱ寿司ってのもどうなのよとは思うけど(笑)。
志摩半島のドライブと言えば、定番パールロードを外すわけにも行くまい。
まずはベタな道でもしっかり走って、ご機嫌を伺う事と致しましょう。

  

あっけらかんとしたような碧い空と海に、ふわっと流したような雲。
その下の道は、適度にワインディングを繰り返しリアスの海へ続いている。
一回ハギーさんの和田金祭りの際に走った事ありますが、
改めて走っても、それはそれは気分の良い道だと思います。
そらヤマカー&トバの兄弟も歌ってまうわ。

 

パールロード中間点にかかる的矢湾大橋を望む。
ハギーさんの「ヘキサの旅」でも同じ構図が使われていましたな…(笑)。
的矢湾と伊雑ノ浦を隔てる穏やかな入江が、午後の強い日差しを浴びて静かに銀波に輝く。
養殖の筏を見に来たらしい小舟がスイと横切ると、航跡が静寂を破る。
この橋の向こうは志摩スペイン村ですが、こんなチンケなテーマパークが必要なんですかねw
そう思うほど、見ているだけで引き込まれる自然の風景なのですが。

  

パールロードを走り切り、お次は的矢湾の入口にそびえ立つ安乗(あのり)崎灯台へ。
この灯台は四角い形をしているのが特徴のようですが、確かにあんまり見ないですね。
なんかジェラートをヘラで盛り付けるカップみたいな形だなw
あ、この灯台に行く途中に「←渡鹿野(わたかの)島渡船」とか書いてあってかなりご興味だったのですが、
興味本位で、しかもヨメ連れで行ける場所ではないので割愛w
どんな島なの?と聞かれたのでコンコンと説明したら、何でそんな事を知っているのかと問い詰め(ry

別に意識してないんですけど、私め今まで結構な数の灯台に登っているのではないでしょうか。
端っこ好き→半島へ行く→さらに端っこ好き→灯台って事なのでしょうw
これが山の方に行くとダムになるのだが(笑)。
トウダイのくせに、大して頭が良くなくても行けるのがいいところ。
受付のおばちゃんの手書きメッセージがイケてます(笑)

 

ジェラート灯台登ってみれば、目の前に広がる荒れるがままの海w
大迫力で砕け散る波の高さは、3~4mはあったでしょうか。
この日は台風の接近のせいで、午後から外海は大荒れ。
東名の清水から富士の間も由比付近の高波で通行止になったらしいからな。
ところで、「最高の気分」とは何ぞや。
正直自分には、風が強すぎて怖いだけなんですけど(笑)。
例えばサーフィンとかやる人はこの波を見て興奮してしまい、最高の気分になれるのかもしれませんw
自称プロサーファーも別なモノで最高の気分になってたそうですけど。知らんがな。
入江の穏やかさと、安乗崎の荒波。同じ海でも違う顔だねえ。
繋がってるんだけどねえ。

さて、そろそろ日も西に傾き始めました。
本日のメインエベントを見に行く事としましょうか。
向かったのは、英虞湾に対して西側に突き出た登茂(とも)山の展望台。

複雑に入り組んだ英虞湾を正面に臨み西側に開けたこの展望台は、
「ここで夕日を見て下さい」と言わんばかりの条件を兼ね備えております。
志摩半島の風景に数あれど、「登茂山の落日」は見てみたかったんだよねえ。

写真撮りの端くれとして、ちょっと本気の撮りモード。
到着した時分ではまだ日が高かったのだが、それでも多くのアマチュアカメラマンが集結していた。
隣に陣取っていたおっちゃんは関西弁の気のいいおっちゃんで、日本中の風景写真を撮りまくっているそうな。
まあ、私が見る限り機材だけで200万は軽く行ってましたねえ…
道楽の道は果てしない。

おっちゃんの20分の1程度の機材でも、素材が良ければ勝負になるw
昼は銀波、夕は金波。
真珠筏浮かぶ英虞湾を残照が照らす。
さざ波に余すところなく光が回り、幻想的な輝きだ。

太陽は徐々に角度を落とし、赤みを増して行く。
照り返す海が、太陽に染まる。
思わず中森明菜の「トワイライト-夕暮れ便り」を歌ってしまいそうになるぜ。

大小無数の島が浮かぶ英虞湾。
島々と、今日最後の光が絡み合って複雑な陰影を結ぶ。
この時期の夕暮れは賢島の先、合歓の郷と言うリゾート地の向こうに沈む。
空気は乾き澄み渡り、海を照らす角度といい一番の時期なんだとか。

雲の端に僅か夕日がかかり、欠けたと思えばその足は速く…

濃いオレンジの光を残しながら、線香花火のように消えて行きます。

夕日沈み、英虞湾のトワイライトタイム。
これから空は焼け、海が紅に染まるそうだ。
宿の都合があるので戻るのは本当に惜しいのだが、
天気にも恵まれ、最高の夕日を楽しめた事に感謝するとしましょう。
ヨメさんも相当満喫していたようなので、それが何よりだ。
紅に染まるリアスの島々に旅の無事を祈りつつ、初日は終了。
初日からかな~り充実していたな。

紅に 燃ゆる落日 ともに見て
明日は晴れるか 伊勢志摩の旅

続く。

コメント
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