青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

神道滅却すれば人混みもまた涼し ~伊勢志摩の旅三日目~

2009年09月25日 23時26分14秒 | 日常

(画像:プラントタイヨオー)

二日間に亘ってお送りした三重のいいとこキレイどこ。
打って変って、今日の朝日は工業地帯の片隅から。
モグタンここはどこ?四日市市は塩浜駅前の路地だよ!ってなもんでして。
何でそんなとこから撮ってんだって感じも致しますが…
化学プラントの工場の向こうから昇る太陽。
まあ、これも三重って事で。
ほんのりと工場のケミカル臭が漂う朝です。

塩浜駅に隣接するヤード。
工業地帯の石油コンビナートから、ガソリン燃料を運搬するタンク車が並んでいる。
通称「タキ車」と呼ばれる緑色の貨車。
トラック輸送に押される鉄道貨物事業も、ガソリンなどの大量輸送には未だ優位性を発揮しております。
特にコンビナートから離れた長野県や群馬県には、大事な生命線なんですよね。
四日市のコンビナートでガソリンを満載した貨車はここ塩浜駅に集められ、
長野県の南松本駅まで運ばれて行きます。
平日は何本もの陸のタンカーが燃料を運んでいるのですね。
牽引するは、国鉄が誇るディーゼル機関車DD51。
一台くらいいるかな?と思ったのだが、いませんでしたねえ。

あさめし。
ホテルのレストランでバイキングでした。
伊勢うどんとうなぎのまむし丼。
ふやふやのコシのないうどんにドロッとした甘いたまり醤油。
うどんという食い物のキモである「コシ」と言う概念を全く無視した食い物だ(笑)。
讃岐の人が食ったら茶碗ひっくり返して三重県人を公開説教しかねないと思うw
まむし丼は、うなぎのかば焼きを切り込んでご飯に混ぜたもの。
名古屋の「ひつまぶし」に近い、関西ではよく見られる食い方です。

最終日のドライブのスタートは青山高原。
「久居榊原風力発電施設」と言う大規模風車群が、高原の上に建つ。
帰りも鳥羽から伊良湖までフェリーなんですが、
それを考えると津と言う場所は宿泊地の選択として若干ルート外。
本当は伊勢とか松阪辺りが良かったんだけど、空いてなかったのよね。
と言う訳で津から再び伊勢方面へ戻る事になります。

津から30分くらいで行ける高原ワインディング。
お手軽なせいか、結構ツーリングの人なんかもおりましたね。
風車の発電力ってのはどんなもんでしょうか。

青山高原を降り、R165~r15~r58~r24経由で松阪市へ。
せっかく名松線沿いに走ってやったのに、一本も列車来なかったぞゴルァ!
松阪は、和田金祭の時以来ですなあ…
あの時はホント肉一本で集中してましたけど、街並みを歩いてみれば武家屋敷風で情緒がありますね。
本居宣長とかが生まれたんでしたっけ。

で、やっぱ松阪に来たとなれば牛食って帰らないと話にならない訳でw
松阪牛の名店と言えば、やっぱ最高峰は和田金なんでしょうが、
人気実力を二分するのがこの「牛銀」。
松阪牛の両巨頭として君臨する「金と銀」を制覇してみようという訳で。
シルバーウィークですから(笑)。



松坂牛の有名店ですから、御座敷に上がって仲居さんが付いたら「御一人様壱萬円」は確定w
旅費的にここでさらに牛ヘ向かってキジ二羽飛ばすのも厳しいものが(笑)。
ただし、御座敷の隣にある別棟ならリーズナブルに松坂牛を食べる事が出来る。
お昼の松坂牛すき焼きランチメニュー参千円也。

「松坂牛」と一口に言っても、等級によりその味も価格も違います。
もちろんここの肉も、普段食ってる牛肉なんかよりはるかに美味しいA1級の肉。
脂身の美味いのはさすがだなあなんて思うのだけど、
比べるのは申し訳ないが、改めて和田金で食った肉はSG級でしたなあw
松井繁と岩井繁くらい違う(笑)。
罪な味よのう。和田金。

 

牛に曳かれて…ではないが、最後はお伊勢さん。
松阪ICから伊勢西ICまでスイーッとアクセスしようとしたのだが、
伊勢西ICから伊勢道10km渋滞w
伊勢神宮ってそんなに人気のスポットだったのか???
素早く玉城ICで伊勢道を捨て、r169~r22~伊勢道に並行する市道を駆使しr32へ。
だいぶショートカット出来たのだが、それでも駐車場まで30分、止めるのに30分とあまりの混雑ぶりに閉口。

伊勢神宮の門前町である「おはらい町」。
風情ある街並みが再現されており、郵便局ですらこの有様w
土産物屋、飲食店などが立ち並ぶメインストリート。
「伊勢のお蔭参り」として大衆が集うようになったのは江戸時代くらいかららしいですが、
結局神社仏閣への漠然とした信仰を隠れ蓑に、昔から大衆は遊興を行っているのですね。

まあそれにしてもすごい人だ。
聞けば、シルバーウィーク@東海地区最高の人出は伊勢神宮だったらしい(笑)。
ナガシマスパーランドとか犬山モンキーパークとかもっと頑張れよ!!

  

ほうほうの体でおはらい町を抜け出し、ようやく内宮の入り口。
五十鈴川に架かる宇治橋は、20年に一度の式年遷宮のため掛け替え中。
11月に渡り初めの儀式が行われるらしい。
架橋中の宇治橋、工事に関する注意が掲示してあったのだが、工事関係者は土足厳禁らしい。
さすが神橋だ(笑)。

 

伊勢神宮、以前一回初詣に来た事あったんですが、
他の神社仏閣と違って、本殿と言う感じの本殿がないんですね。
一応「皇大神宮」と言うものが本殿に当たるのですが、
その規模と言えば、出雲大社とか日光東照宮とか、その他の有名どころと比べると、極めて質素で慎ましい。
この場所を伊勢神宮、伊勢神宮と人は言いますが、正式名称は「神宮」。
日本の神道の総本山ですから、比類なき位置にある事は疑いないのだが、
豪華絢爛、と言う訳ではなく、邪馬台国の「ムラ」のような佇まいが印象的。
本当に太古の時代から、政治が祀り事であった時代からの綿々たる歴史を感じさせます。

本殿の前まで並ばされて30分。
無事に参拝終了。
ちょっとさすがに人混みに負けそうになったw
赤福買って、とっとと帰るべ。

伊勢市内方面は混雑しているので、r37を利用して鳥羽へショートカット。
あ、r37のR23朝熊入口からしばらくは鬼のように狭いんで、ハギーさん気を付けて下さいw
夕暮れの鳥羽港、空にきれいなイワシ雲。
本当に天気に恵まれた三日間だった。

シルバーウィークも三日目、そろそろUターン組も出る頃合いか。
夕方の混雑時間帯であった事もあり、さすがに一便待たされる。
フェリー乗り場の待合室で一服しながら夕風に当たっていると、17:40発の伊良湖港行き鳥羽丸が接岸。

さあ、帰ろう。

夕暮れ迫る鳥羽港に、係員の出発を告げるアナウンスが流れる。
もやいを解いて船がゆっくりと岸壁を離れると、
鳥羽の街の上はすっかり茜の空だった。

流れ雲 染まり潮の香 漂いて
さらば伊勢志摩 美し海よ

伊勢志摩の海のきれいな事、これが一番印象に残ったかなあ。
自分は未だに沖縄には行った事ないですが、
伊勢志摩の「美ら海」も素晴らしいものがありましたよ。

出来立ての柔らかい赤福を鳥羽丸のデッキで食べながら思いました。
ハギーさん、いいとこ住んでるねw

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする