青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

黒部の秋陽

2019年10月08日 22時00分00秒 | 富山地方鉄道

(黒部の青空@下立駅)

峻険な峡谷を刻んて来た黒部川が明るく開け、富山湾へ向かって大きく広がる扇状地のちょうど要の部分にある下立の駅。宇奈月温泉から降りてくると、この辺りからようやく散居村の集落と水田や畑の富山県らしい風景が目に付くようになって来ます。下立と書いて「おりたて」と読むのが少々難読な駅です。棒線一本のシンプルなホーム、古くからの石積みの土台にコンクリでかさ上げをして今の形になっているのが良く分かります。

山から降りて来た普通電車が、駅で待っていた街への乗客を拾っていく。黒部の山懐に抱かれた小さな集落の駅は、稲の刈り取りに忙しそうな農家のトラックがたまに行き交うのみの静かな集落。下立の駅は5分くらい下って行くと宇奈月麦酒館という道の駅のような施設があって、黒部の伏流水で仕込まれたビールが飲めたりします。いつも来るときはクルマなんでなかなか出来たてを飲む事は出来ませんが、買って帰って家で飲んだら結構薫り強めのいかにも地ビールだなあ!という感じのビールで、そこそこ美味かったですね。

黒部市内の駅に立つ「楽駅停車の旅」の幟旗。黒部市内の公共交通をバックアップするために、地元自治体が利用促進運動に努めています。春と秋は「くろワンきっぷ」と銘打って、黒部市内を土日はワンコイン(500円)で乗車出来るフリーきっぷが発売されています。黒部市内と言うと、地鉄では電鉄石田~宇奈月温泉間ですのでそれなりの距離。これが土日に楽しめるのであればなかなかお得なキップだなあと思うのだけど、残念ながら発売は平日のみ。平日に買って土日にしか使えないというビミョーなルールは、週末に新幹線で黒部宇奈月温泉から地鉄にアクセスする観光客にこんなキップ使われたらたまんないよ!という事なのだろう。気持ちは分からんでもない(笑)。

まあそんなこまけーことよりどうだい、見ろよこの青い空、白い雲!空から降り注ぐとびっきりの黒部の太陽の光。
秋の陽射しを浴びて、14760形が輝いていました。

 

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