園内では、ときどき、悠然と飛ぶオニヤンマを見かけます。この日も連日の猛暑日、園路の上を飛んでいたオニヤンマが急にイチョウの木陰に入り込み、枝にぶら下がって休息のようです。
不思議なことに、この公園にはオニヤンマの羽化殻を確認した場所が3ヵ所あるのに、幼虫がどこで生活しているか皆目見当がつかないのです。
【A地点】 園の東北、園外の用水から園内の池に水を引き込むため幅数十㎝の流れがあります(この流れではヘイケボタルも発生していました)。この流れの始まり近くに列植されたハナミズキの幹で、数年前まで羽化殻が確認できました。最近は羽化殻を確認できていません。ここで発生する場合、この流れが幼虫の生活場所の可能性が大きく、泥浚えされたり冬には水がとめられたりするので発生しなくなったのかと思います。
【B地点】 公園の中央を南北に流れる大きな用水に沿って列植されたソメイヨシノ大木の幹では、毎年オニヤンマの羽化殻を確認でき、今年も確認しています。この用水は幅約4m、水深約25㎝、底面はコンクリート張りで流れも速く、土はほとんどありません。ここで産卵する♀もパトロールする♂の姿も見たことがなく、2017年8月31日にたも網でこの用水を探しましたが、オニヤンマの幼虫はいませんでした。
【C地点】 公園の南西、敷地境界に列植されたキハダとトチュウ(だと思います)の幹で、毎年オニヤンマの羽化殻が確認できます。公園外に隣接してコンクリートの幅約40㎝のU字溝がありますが、水深は4㎝ほどで泥もほとんどなく幼虫が棲めそうもありません。このほか、近くには幼虫の発生環境はありません。https://blog.goo.ne.jp/1948goodspring/e/6c365618897cf1ece0409ab7c08b45c2
ただ、公園内でオニヤンマが産卵しているのを見たことが一度だけあります。2014年8月9日、公園の池の岸近くでオニヤンマが体を垂直に立てて産卵していたのです。オニヤンマはふつう細流で産卵するというイメージがあったので、流れのない池で産卵行動を見たことは予想外でした。この卵が無事に孵化し幼虫が羽化したかどうかはよくわかりません。ちなみに、この池の周りでオニヤンマの羽化殻を見たこともありません。
https://blog.goo.ne.jp/1948goodspring/e/1a962d9481b428199449c8cb209b9c8d
《日陰になっているイチョウ大木の枝にぶら下がって休むオニヤンマ 2018/08/23》
《日陰になっているイチョウ大木の枝にぶら下がって休むオニヤンマ 2018/08/23》
《用水の土手に植えられたソメイヨシノの幹にあったオニヤンマの羽化殻 2018/08/07》