師走第一週の平日、午後から有給休暇を取得しました。都内某所での所用を済ませ、小雨振る中17時頃店頭に到着すると店外の行列はおろか、店内にも空席がという状況でしたので直ぐに入店することが出来ました。厨房内は助手さん2人という布陣で、退店するまで店主さんの姿をお見掛けすることはありませんでした。
大豚、大蒜野菜脂+生卵。
麺丼。助手さんの手による一杯ですので、緩やかな稜線です。
茹で時間は5分弱だったはず。
水分をたっぷりと吸い込んで瑞々しさ満点の、ニュルルンッとした喉越し。
総じて、かなり軟らかめに寄った茹で加減でした。
ただ、中心部付近には豊かな芯を有しており、噛み千切る際にはもう一押しが必要でブツンッと。
たっぷりとスープを絡め取らせた残った麺には卵黄と固形脂を添えて。
野菜丼には野菜と大蒜と豚。
バリッという音を立てるも、実際の歯応えはソフトな野菜。量は店主さんのデフォ位でしょうか。
豚。
美しい形態で、冷えた脂身のキレのある甘さが印象的な豚。
噛み難さを連想させる姿も、口の中で容易に崩れてくれた豚。
端豚も。
ところどころに散見される脂身によって、ワイルドな噛み応えが弱められていた豚。
真ん中付近に存在するしっとりとした赤身の軟らかさが印象的な豚。
表面がカチッとした、みっちりと詰まった肉質の豚。
常温でも脂が外側に溶け出して滲んでいました。
どの豚にも、遠くに生醤油のシャープさを覚えるタレが良く染みていました。
ツンとする辛味は控えめだった、サラッとした大蒜。
透明な液体油と固形脂の影響を強く受けたこともあって、白濁した層の2種類の液体脂によって覆われたスープ。
一口目では、真っ先に塩味も感じられるものの、同時に豚よりも油の影響が色濃く反映されたコクがそれを包み込んで舌に残る、円やかさが先行したふくよかな味わいに感じました。
ただ、時間が経つにつれ、それぞれが馴染んだのか醤油との調和が取れていったように感じました。
固形脂は、途中スープに溶け込んでしまいました。次回は最初の段階で野菜の上に移してしまおうかと。
生卵。いつものように、卵黄だけをレンゲで掬い、残った白身は移した熱々の麺と絡めて。
常に空席が発生する店内で、のんびりと約18分で完食。真冬のような寒さで冷えた体を芯まで温めて頂いたことも含めて助手さんにお礼を言い、退店しました。