Word From Bird/Teddy Charles
(Atlantic 1274 jp reissue)
50年代から60年代にかけて,ヴァイヴプレーヤーは最も多く輩出されたと言えますが、結果的にはスウィング時代から人気を博していたハンプことライオ
ネル・ハンプトンとMJQの中核メンバーであったバグスことミルト・ジャクソンの2大巨匠の独走状態であったと思います。テディ・チャールスもこの時代に
登場したヴァイブプレーヤーですが、彼の場合はそのプレーヤーとしての非凡さもさることながら、コンポーザー,アレンジャーとしても活躍し、この時代に既
に前衛ジャズの萌芽を思わせるプレイ、サウンド造りが感じられるのが特徴と思います。
この"Word From
Bird"も’56の録音ですが、そういった2面性を示した好アルバムであろうと思います。A面でスモールビッグバンドとも言える大きい編成でタイトル曲
とブルックマイヤー作の"Show
Time”が演奏されています。A面の残りの1曲はカルテットで"Laura"を演奏しています。B面は全3曲すべてカルテットで演奏されチャールスのメ
タリックなソロとミンガスのウォーキングベースが聴きものです。また、最後のブルースではホール・オヴァートンのピアノソロも聴けますね。
大編成の演奏では自分の好きなジミー・レイニーのギターやハル・スタインのアルト、アート・ファーマーのトランペトのソロも聴け、渋好みの競演が楽しめま
すよ。
Marvin Israelのartisticなカバーもいいいですね。残念ながら国内盤再発ですが、このジャケットはコーティングカバーで紙も厚くプリントも鮮明でGOODです。