Make The Man Love Me/Joyce Carr
(Seeco CELP440)
Seecoと言うレーベルは、ニューヨークで旗揚げしたラテン専門レーベルですが、その傍系にはズートやアル・コーンのアルバムで有名なDAWNがあります。DawnはSeecoのジャズ専門部分との解釈が一般的ではあるが、同じアルバムが形を変えて発売されたりしていて結構複雑です。Seecoにはトニー・スコットなどのジャズアルバムもあるし少ないながらボーカルアルバムも若干存在します。その中の一枚、実にウォームな語り口で古き良き時代の雰囲気を持ったシンガーがこのジョイス・カーである。
Make The Man Love Meと題された当アルバムも、入手にはかなり難儀した想い出があります。カリフォルニアの某レコード店のリストにこのタイトルを見いだしたときには小躍りした記憶があります。基本的にオケがバックを勤めていますが、コンダクター兼ピアニストのエリス・ラーキンス、チャーリー・シェイバースのトランペット、ジョー・ベンジャミンのベースの参加が記録されています。A-5の"I Got It Bad And That Ain't Good"のハートフルな歌唱とバックをつとめるラーキンスの素晴らしいピアノ、シェイバースのトランペットのからみが最高ですね。A-6の"Little Girl Blue"やB-6の"When The World Was Young"のウォームな歌唱も捨て難いですね。
美しいイラストカバーも印象的で、マイナーなシンガーですが、やっと手に入れた事もあり自分にとって愛すべきアルバムですね。Seecoのモノラルオリジナルです。