Anita O'Day and Billy May Swing Rodgers And Hart/Anita O'Day
(Verve MGV-2141)
(Verve MGV-2141)
映画”真夏の夜のジャズ”でSweet Gorgia Brownのすばらしいパフォーマンスを見せてくれたアニタですが、アナログの世界ではもっぱらVERVEに録音されたアルバムのみが鑑賞の対象と思います。後年のアルバムもありますが、あの全盛期の歌唱を知っている者には、痛々しくもあり、あまり触手がうごきませんよね。VERVEの録音はどれも聞き所が多く、ポリドールの再発でほぼ全貌が明らかになってますよね。さらにCD時代に入ると、2枚のアルバムをカップリングしてリリースすると言うオリジナルスタイルを愛する自分にとっては、このレコード会社のやり方はどうも・・・という感じです。このアルバムも確か、もう一枚のビリー・メイのオケがバックをつとめるコール・ポーター集と一緒にカプリングされたように記憶しています。
本アルバムは、Rodgers and Hartの作品集ですが、このアルバムでも全曲でアニタの快唱が聴かれますよ。アニタのヴォーカルについては、改めて解説の必要はないですが、独特のハスキーボイスと器楽的で奔放な即興性に富む歌唱がその特徴ですよね。ちょっとフラット気味かなと思える音程も気にならず、むしろそれがジャジーな味をかえって高めているようにも思います。サイドAでは"Little Girl Blue", "Falling In Love With Love", "Bewitched", "Have You Met Miss Jones?"等の佳曲がいわゆる”アニタ節”で聴けますよ。サイドBでの"Lover""はアニタの真骨頂とも言うべきノリに乗った歌唱でこのアルバムで一番好きなところですね。
このアルバムは、アナログが国内で再発された事がない?と思うのですが、どうでしょう?自分のアニタの中では、最も新しく入手したアルバムです。Verve inc.のT字モノラル盤です。