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鎮魂の日 (追記)

2010-08-06 12:49:22 | 雑感
わが市では,8月6日の原爆投下時刻になると,市内放送がスピーカーを通じてなされ,黙祷を捧げる習慣がある。平和の鐘が鳴らされ,その間黙祷するのである。いつの頃からやっているのか知らないが,毎年の恒例行事である。8月9日の長崎原爆投下時刻にも同様の事がなされる。そんなわけで,今年も8時15分に家で一人黙祷を捧げていた次第。市内放送が入ると寝ていても飛び起きる。完全に習慣になっている。

小学校の頃,夏休みに全校登校日が2回あった。8月6日と8月21日頃だったと思う。半月に一回のぺースだったみたいだが,6日と言うのが今から考えるとポイントだったのかもしれない。毎年,体育館に原爆関係のパネル写真が大量に展示され,みんなでそれを見て回るのである。

誰がどういう理由でやっていたのか子供の頃のことなので定かではないし,市の行事としてやっていたのかどうかも分からない。しかし,黙祷にしろ何にしろわが市は何らかの思い入れが広島・長崎にはあるようだ。

原爆を投下した理由は色々あるようだが,一般的には,戦後のパワーゲームを睨んで,対ソ連に圧力をかけるためというのと,昭和21年3月1日決行予定の関東平野上陸作戦を実行する前に降伏させたかった,という2つの理由が大きいと言われている。しかし,関東平野上陸作戦が現実に行われていたら一体どうなっていたのだろうか(同時に九州上陸作戦,四国陽動作戦も連合軍主体で行う予定だった)。日本の完全制圧を狙っていたようなので,規模の面からも沖縄戦どころの騒ぎではなかっただろう。人類史上最大の上陸作戦と言われたノルマンディー上陸作戦の再現となるのは間違いないところで,一体何人の日本人が命を落としたのか想像も出来ない。しかし,それを逃れた代償が2発の原爆投下ではやりきれない。

ボブ・グリーン著「Duty[デューティ]わが父、そして原爆を落とした男 の物語」も読んでみると良い。エノラゲイ搭乗者へのインタビューを軸に構成されたノンフィクションである。搭乗員達の頑なな姿勢が読んでいて痛々しい。「原爆投下によって日本の本土に出陣せずに済んだ。死なずに済んだ。原爆投下は正しかった。ティベット(注:原爆投下の指揮官)ありがとう」という反響が、生存する米国軍人やその子孫から相次いで寄せられた問題作でもある。アメリカ人が,特に戦争世代のアメリカ人が原爆投下をどう受け止めているか良く分かる本である。一読を薦めたい。


*これまた抜群のタイミングで以下のようなニュースを見つけました。
*時事通信より

広島に原爆を投下した米軍B29爆撃機「エノラ・ゲイ」の機長ポール・ティベッツ氏(故人)の息子は5日、CNNテレビに対し、オバマ政権が平和記念式典にルース駐日大使を派遣したことについて、「そうすべきではなかったと思う」と不快感を示した。
 アラバマ州在住のジーン・ティベッツ氏は、電話インタビューで、「これまで一度も行われてこなかったのに、なぜ今になって(代表団を)送るのか分からない」と批判。米政府は原爆投下に謝罪していないが、「無言の謝罪かもしれない」と述べた。
 また、原爆投下が戦争終結を早め、多数の人々の命を救ったとして、「当然、正しいことをした」と話した。 
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