条文対策の作法

2010-08-11 16:30:00 | 司法試験関連
短答対策などで大きな問題になってくるのが,「条文対策」です。まぁ,あんだけ本試験が広く浅く条文知識を問うてきているわけですから意識しないわけには行きません。

試験ですから当然(試験対策上の)「重要条文」というものはあります。しかしここで注意しておきたい点があります。全条文1000条の法律があったとします。試験科目です。「重要条文」としてそのうち300条が指摘されたとしましょう。みなさん,どんな勉強しますか?

重要条文と指摘された300条だけ読む派?もしそうだとしたらトンでもない間違いです。

個人的には,全条文に目を通すのは当然だと思っています。それを前提に,メリハリを付けると言う意味で,重要条文を中心に重点的な学習を行う,というのが正解です。最初から300条しか読まないなんて単なるヤマ当てと変わりません。

また「重要条文」というものの範囲は明確ではないので,他の条文が出てくる可能性は当然ありますし,出ても当然文句は言えません。明確に「重要条文」という決めうちが出来るのは,既に過去問題で問われた条文だけです(正解肢のみではないので注意です。全ての肢で正誤のポイントなる条文全てです)。この点勘違いしないようにしましょう。

一回読んでおくだけでも全然違います。例えば,このような制度・条文が「あるかのかないのか」,知っているだけでも非常に大きいです。論文などでも,実際には存在しない条文を「一生懸命捜す」と言うリスクを負わずに済みます。本番では六法を引けますが,文字通り条文を捜す時間なんてないですし,あっても時間が勿体無いです。

本番では「正確な規定ぶりはなんだっけ」「あることは知っているが内容忘れたから確認しよう」程度だと思ったほうが無難です。そういう意味でも「あるのかないのか」ぐらいは判断できるようにしておきましょう。ですから全条文の通読は必須です。私が,「判例六法全条文マーキング講義」で,原則全条文読み上げを講座コンセプトにしたのは,そのような意味が実はあります。

予備試験,新司法試験共に条文対策の「メリハリの作法」を間違えないように気をつけて下さいね。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする