黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

文章能力の欠如

2014年09月12日 14時19分51秒 | ファンタジー

 新聞社が自社の記事の誤りを何度も謝罪するという、きわめて異例な事態が起きている。間違いは誰もが犯すが、巨大な正統派メディアには許されないということなのだろう。それも一理ある。大衆に自身をさらけ出している限り、何か落ち度があれば問題視されるのは宿命的なことといえるだろう。
 慰安婦問題も、爆発した原発での退避の件も、新聞社自身が、様々な見解があることを知っていながら、その中からひとつの見方だけをあたかも自社の主張だと強調してしまった。これは事実誤認でなく、記者が集めた様々な事実を分析して、それを表現する文章能力の欠如を意味している。要はデスク、論説委員の、他紙に先んじてニュースを作ろうとする魂胆が招いた悲劇だ。現場で必死に取材する記者がかわいそうだ。新聞社の大多数の方々に罪はないと思う。
 事実認識というものは、現場とデスク、書き手と読者、侵略者と解放者などの立場の違いによって、百八十度異なる場合があるものだ。立場によって正義の基準が変わることさえある。いずれにしろ、こんなことが起きたって、日本の新聞の一般的な読者には、特別驚くようなことではない。驚いて飛び跳ねているのは、政争好きな巷の政治家連だけだ。(2014.9.12)
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