20年くらい前に、本のタイトルだったか、内容の要約だったか、まったく憶えていないのだが、確か外国の女性が、こんなのんびりした本を書いたという書評を見つけ、このフレーズを参考に年賀状の文面を綴ったことがある。
世間では、ネコほどわがままな生き物はいないだとか、自分の悪事をすぐ忘れ良いことしか覚えていない(猫が善い行いをするだろうか?)だとか、イヌはありがとうをするがネコはしないだとか、どんなにネコかわいがりしても噛みつくだとか、父しゃんをペットにしているだとか、数多の悪口を言われてもまったく意に介さないだとか、自己肯定の塊だとか、ぐちゃぐちゃに言われているにもかかわらず、ネコは、ヒトにとって同伴者の中の最高位に君臨し続けている。うらやましい限りだ。
ネコは、ヒトに先んじてこの世で繁栄した生き物であり、弱小生物のヒトのDNAにはその記憶が深く刻み込まれているのだろう。なので、ヒトは、たとえ肉球でぐちゃぐちゃに踏みつぶされても、ネコに対し無意識に敬意を払わないではいられない。ネコこそがすべて、ネコこそ永遠だ。(2020.7.3)