はなが一時的に食欲を回復した12月20日のこと、はなは、食べられなかった分を取り返す勢いで猫缶に襲いかかった。そのとき父さんは、はなが食べやすいように食器を手に持っていたのだが、みごとに右手の親指の先を噛まれた。はなの前歯は年齢の割に丈夫で鋭く、傷は深かった。
ずっと昔の歌では、あなたが噛んだ小指が痛むのは翌日だったが、父さんの親指は噛まれてから一月にもなるのに、シャツのボタンを掛けそこねたとき、まだ痛む。なので、心の痛みが癒えるのは当分先になるのだろう。
ずっと昔の歌では、あなたが噛んだ小指が痛むのは翌日だったが、父さんの親指は噛まれてから一月にもなるのに、シャツのボタンを掛けそこねたとき、まだ痛む。なので、心の痛みが癒えるのは当分先になるのだろう。
(2023.1.21)