この絵は、17世紀のイタリアの画家、カラバッジョの「法悦のマグダラのマリア」。一昨日、近所で見た。
カラバッジョの絵を見ると、彼に多大な影響を及ぼしたとされるレオナルド・ダ・ビンチの絵は実に優雅で美しい。人を見る目が優しい。しかし、カラバッジョから見ると、レオナルドの絵は、人を天使のように美化して没個性に描いたとしか思えなかったろう。
カラバッジョの絵には、人の生々しい情念がそのまま外部に吹き出てくるような荒々しさがある。教会からの注文で宗教画も多く描いているが、それらの絵には神聖さも敬虔さも感じられない。人はしょせん天使にはなれない、といった醒めた目の彼に、なんで宗教的な題材の絵を依頼したのかわけがわからない。言い伝えによると、彼の私生活は無法者のようだったという。写実と情念の追及のために、あえて無頼の生き方をし、人と争い、殺害にまで及んだ?(私の勝手な想像)
こんなことを書いているさ中、同級生から住所変更の報せの電話があった。彼はようやく終の棲家を見つけたようだ。私は自分の住所をどうするか、まだ決めかねている。カラバッジョのように追われる身になってからでは遅い、その前にちゃんとしなければ。(2019.10.4)
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