黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

主権在ネコ

2017年03月10日 15時26分16秒 | ファンタジー

 はなは、いよいよ十三歳に突入した。ヒトならもうすぐ古稀に手が届く年齢。
 ネコ・ヒト年齢換算表によると、ネコが二十歳になっても、ヒトはまだ一歳。ネコなら自分のことくらい何でもできるが、ヒトの一歳は知能も未開のまま。ネコはそれから年に四歳ずつ知識や振る舞いを身につけて大人になっていくが、ヒトが世の中でいちおう独り立ちできるのは十数年も先のこと。なかにはいつまでも親元にグズグズしている者もいるらしい。
 ところで、最近のネコ社会の発展はめざましいものがある。それに比べ、ヒト社会は世界的に、政治・経済・精神の後退期に入ったと言われている。この国でも、政治家自らが、知能の発達したネコに嫉妬してヘイトスピーチしたり、神話国家時代の〇〇勅語はすばらしいと言ってみたり、頭の中身が苔みたいに退化し始めたのではないだろうか。
 その上、現憲法が成立して七十年にもなるのに、神の手に国家主権があった旧憲法時代を懐かしんで、現憲法のネコ主権に何かにつけて眼(がん)をつける。でもそれは、破滅的な戦争をしたヒトの自業自得というもの。ネコには一切責任はないのだ。
 そんな古い時代にこだわる連中は、いったい何歳くらいなのだろう。家の婆ネコは明治二十四年生まれだったが、親の決めた嫁入りを拒絶して駆け落ちしたというくらい開明的だったし、江戸末期生まれの漱石というネコだって、私生活はともかく、際立って進歩的な知識ネコだったらしい。
 それほど古色蒼然とした政治ヒトなら、ひょっとしたら一四〇歳にも一五〇歳にもなるのか。はなの方がずっと若々しく凶暴?だ。(2017.3.10)

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