エミシはいなかったという仮説を広めている学識者がいる。1200年前、ヤマト勢力の武将坂上田村麻呂に襲われた陸奥(みちのく)の人々は、追い払われて消息不明になったというわけだ。
ところで、以前にも書いたが、民話採訪者の小野和子氏は、「あいたくてききたくて旅にでる」でこう言った。
要約すると、語り継がれた民話とは妖怪話も子殺し話もどれもこれも本当のこと、つまり人々の体験そのものであり、そのような真実だけが後世まで語り継がれる。
氏によれば、東北には今でも、はるか昔に田村麻呂と戦った、勇敢なる武将やカラスやキツネたちの生きざまを伝える人々がいる。
とすれば、先祖代々、その地に1000年以上住み続ける人々がいるとするのが妥当だと思う。
言い伝えと仮説の積み重ねになるが、突きつめると、エミシとは、今そこに生きている人々そのものだとした方がつじつまが合う。(2022.9.26)
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