新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

本屋さんの話をもう一度

2010-01-28 06:06:51 | 本と雑誌

100128_1_1 私の勤務先の近くに丸善がありまして、通勤・帰宅時にそのトレードマークを目にするたびに、不思議に思っていることがあります。

それは、丸善のトレードマークが、なぜ「丸にM」なのか、ということ。丸善なら、「丸にM」ではなく「丸に善」だろうにと思うわけです。もっとも、デザインとしては「丸にM」の方がスッキリしているのは確かですけれど。

おっと、きょうのテーマは「書店を意匠的側面から考察する」といったものではなく、本屋さんの話です。


つい先日、朝日新聞のウェブサイトにちょっと衝撃的な記事がのっていました。

消える書店、10年間で29%減 和歌山県ではほぼ半減

というタイトルで、ちょいと引用しますと、

 00年に全国で2万1922店あった書店は一貫して減少し、10年には約29%減の1万5519店となった。最も減少率が高かったのは和歌山県で、257店から137店へと約47%も減少。次いで山口県、佐賀県が約38%減少した。和歌山県の書店商業組合によると、同県では、スーパーとの複合型店や郊外型の大型店などが増え、中小書店の廃業が相次いだという。店舗数の格差は今年1月、最多の東京都が1739店に対し、最少の鳥取県は80店だった。

というもの。

丸善」と聞いて、丸善の美術書の棚に檸檬の爆弾を仕掛けてしまう梶井基次郎の「檸檬」を連想する人も多いと思います。

檸檬 (新潮文庫) 檸檬 (新潮文庫)
価格:¥ 420(税込)
発売日:1977-12

丸善の棚へ黄金色に輝く恐ろしい爆弾を仕掛けて来た奇怪な悪漢が私で、もう十分後にはあの丸善が美術の棚を中心として大爆発をするのだったらどんなにおもしろいだらう

ってやつです。

この「丸善」は、東京・日本橋の丸善ではなく、京都河原町店だそうで、このお店も2005年に閉店してしまったのだとか。

雑誌がどんどん休刊(≒廃刊)していき、書籍もどんどん売れなくなっていき、一方でネットで送料無料で雑誌や書籍を買えるようになったご時世、中小規模の書店の経営は大変なことになっているだろうことは想像に難くありません。「天下の丸善」でさえ、伝統(伝説?)の京都河原町店を店じまいしなくてはならないくらいなのですから…。
かく言う私も、去年の4月6日の記事「本屋さんの話」で書きましたが、ここ数年は本屋さんではなくネットで本を購入することがほとんどになってしまいました。

大規模な書店の多い首都圏に住んでいる私でさえそうなのですから、中小規模の書店がほとんどの地方では、雑誌しか買わない人は雑誌をコンビニで買うし、本好きな人は本をネットで買うというパターンが増えていることでしょう。

私が思うには、

儲けがなければ生きられない、ある程度効率を無視できなければ書店である意味がない

じゃなかろうか。書店を経営しているわけではない私の勝手な思いですけれど…。

   

で、きょう、昼食に出かけたついでに丸善に寄って、プラプラする内に、この本と雑誌(ムック)を買ってきました。

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どちらも、「これを買いたい」と思って売場で捜していたわけではなく、たまたま見つけて買ったものです。

こんなことはネットではめったに無いことです。
(Amazonときたら、一度Amazonで買うか、「持っています」をチェックすると、単行本で持っているor買った本でも何でも、文庫本だ新版だと「お薦め」してくるのが鬱陶しい…


この「再現 江戸の景観」、まだパラパラとページをめくった程度ですが、かなり私的に盛り上がりそうな内容です。しかも、ある造本の仕掛けに気づきました。

小口(こぐち)の真ん中あたりが薄黒くなっています。

100128_1_2


これをちょいとずらしますと、

100128_1_3

おぉ、江戸城の天守閣が姿を現しました

安くない本だけに凝ってます


この本の感想はまた後日…。

コメント
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